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【YouTube徹底攻略】素人が「7日で7.5万登録」できたワケとは? ヒットの仕掛け人が語る「ファンコミュニティ論」

1.なぜファンコミュニティが必要か

はじめまして。
このnoteを見つけてくださり、ありがとうございます。

ここにたどりついたあなたはおそらく「インフルエンサーになりたい」「YouTuberになりたい」「影響力をマネタイズしたい」といった夢や目標を抱き、今まさに行動している、もしくはしようとしていることかと思います。

ですが、それと同時に、こんな悩みや不安も感じているのではないでしょうか?

・とりあえずSNSをはじめてみたものの反応がない
・「YouTubeの時代だ」と聞いてやってみたけど伸びる気配すらない
・すでに売れている人のマネをするコンテンツづくりに違和感がある
・何の個性もない自分はSNSで埋もれてしまうと思う
・とはいえ、とがって炎上させるようなやり方はしたくない
・結局売れるのは容姿のいい人だけな気がする
・情報がありすぎてどこをどう改善していけばいいのか迷走している
・自分がインフルエンサーとしてマネタイズできるイメージがわからない
・とっくに出遅れている気がして自信がなくなってきた

すでに多くの人も言うように、SNSで影響力を高めていくための基本は「行動すること」そして「継続すること」です。いま華やかに見える人たちにも、必ずゼロのスタートがあり、仮説検証を繰り返し続けて今があります。

とにかく、「行動」「継続」は必須であり、そして、行動し続けさえすれば、時間はかかったとしても、ひとり、またひとりとフォロワーは増えていくことでしょう。

ですが、フォロワーを獲得したあとに、解決しないといけない本当の課題があります。それは、インフルエンサー・クリエイターとしてのあなたが、社会のあらゆる変化に振り回され、ひとつのコンテンツとして消費されてしまうことです。

具体的に言うと「インフルエンサー」と呼ばれる存在になったとしても、マネタイズまで出来ている人はほんのひと握りしかいません。

インフルエンサー・クリエイターのマネタイズと聞いて、どのようなイメージを持ちますか?おそらく、ほとんどの方が、フォロワーを増やし、個の影響力を高め、企業の商品・サービスを紹介する「広告案件」をイメージされるのではないでしょうか。現に、インフルエンサーの多くが広告案件に依存し、自身の信用信頼と引き換えに企業のPRをすることで収入を得ています。

しかし、その多くが単発のため継続収入にはなりにくいこと、インフルエンサー自体が飽和していることなどから影響力をもっていても案件自体がもらえないという課題も発生しています。

つまり、せっかく影響力をもっても、あなたの才能や価値がフルに発揮できる土壌が、社会にはまだ整っていないんです

そんなあなたが、あなただけの才能と魅力と可能性を最大限に発揮しながら、コンテンツ配信を長く仕事として続けていくためには、これからお伝えする「ファンコミュニティ論」が必要です。これは広告案件に依存しない、インフルエンサー・クリエイターのマネタイズにも関係します。

インフルエンサー・クリエイターのみなさん、そして、彼ら彼女らを応援・サポートする立場のみなさんにぜひこのnoteを読んでいただきたいです。


申し遅れました。ぼくは、株式会社Leading Communication(以下、LC)の代表をしております、細矢義明と申します。

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LCは、「クリエイターの“個”が消費される世の中を解決する」を理念に、次世代のスターとなるクリエイターの育成と、熱量の高いファンコミュニティづくりをおこなうスタートアップ企業です。

所属クリエイターのひとりである「会社員のチバ」/「千葉彗太 / TibaKeita」(以下、「会社員のチバ」、千葉)は、たった7日でYouTubeチャンネル登録者数7.5万人を達成(2020年8月現在11.3万人)、TikTokのフォロワー数は3か月で40万人(2020年8月現在51.8万人)を達成しました。


同じく、所属クリエイターの「なまはむこOLの日常」/「なまはむこの休日」(以下、「なまはむこ」)はYouTubeチャンネル登録者数6.1万人、TikTokフォロワー数43.1万人となっています(2020年8月現在)。

弊社所属クリエイターのSNS総フォロワー数は、プロダクション事業部の始動からわずか半年弱で110万フォロワーを超え、驚異的なスピードでその成果を上げています。

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ストーリー性のある企画で、熱狂度の高いフォロワーを獲得することに長けていることが弊社の強みです。


2.これからのインフルエンサーに必要なもの 
2-1.インフルエンサービジネスの現状と課題 

これらの実績をもとに解説していく「たった7日でYouTubeチャンネル登録7.5万人達成」の裏側に、あなたは強い期待を抱いてくださっていることでしょう。

ですが、はじめにお伝えしておかなければならないことがあります。それは、このnoteは決して「楽して稼げる」「だれでもすぐに簡単にインフルエンサーになれる」というような裏技をお教えするものではないということです。

冒頭でお伝えしたように、「フォロワーが増える=稼げる」ではありません。たとえば、SNSで数十万人のフォロワーがいても、マネタイズにつなげることができない、方法がわからない人がごまんといます。また、リアルイベントを企画しても、いざ蓋をあけてみたら全く集客ができなかった、というインフルエンサーも珍しくありません。

つまり、フォロワーのほとんどがただのギャラリーであり、時間・お金・こころを使ってくれる「ファン」ではなかったということです。フォロワー数だけを追った先に待っているのはそんな厳しい現実であることに気づかずに、フォロワーの伸びに一喜一憂し、時に過激なパフォーマンスに走って、さらにギャラリーだけを集めてしまう人もいます。

いま、ぼくが「ファン」といったように、「ファンづくり」こそが、インフルエンサーがマネタイズするためのカギになります。それも、ただのファンではなく、熱狂度の高いファンをつくること。

一時的なブームではなく、内側からじわじわとその熱量が伝播し、ファンが新たなファンを連れてきてくれるような状態をつくることが、これからのインフルエンサービジネスには欠かせません。

そのためには「楽してすぐに簡単に」とはいかないのです。ですが、時間をかけてつくりあげた土台は、あなたのビジネスをより強固に、そして、息の長いものにしてくれるでしょう。



2-2.あらゆる課題を解決する「ファンコミュニティ」

「内側から熱量が伝播し、ファンが新たなファンを連れてきてくれるような状態」は、「ファンコミュニティが形成されている状態」とも言うことができます。

あなたは「ファンコミュニティ」と聞いてどんなイメージをもちますか?

もしかしたら、アイドル対ファンのような、従来の「ファンクラブ」のイメージをもたれるかもしれませんね。

ですが、ぼくの言う「ファンコミュニティ」は従来のそれとは大きく違います。「ファンコミュニティ」をひとことで言うなら「インフルエンサーとファンとの間に独自につくる経済圏」

たとえば、YouTuberを職業としている人の多くが、広告収益を柱にしたビジネスモデルを組んでいます。

しかし、その場合、広告単価の変動や、YouTube側の予期せぬ規約変更などにより、ある日突然ガクッと収益が減ったり、最悪の場合は広告自体が停止したりしてしまうことがあります。これが、インフルエンサーになってもつきまとう不安の正体です。

ここでの問題は、マネタイズを広告に依存していること。もし、インフルエンサー自身が、個の価値提供により、ファンとの間で直接マネタイズができる仕組みがあれば・・・、そして、インフルエンサーとファンとの関係がwin-winな状態を保ち、たくさんの人の応援を受けながら長く続く基盤をつくることができたら・・・、あなたはよりあなたの個性をのびのびと発揮しながら、安定したビジネスを展開していけると思いませんか?

ちばはむ


前置きが長くなってしまいましたが、弊社所属クリエイターの「会社員のチバ」及び「なまはむこ」の躍進は、「ファンコミュニティ論」により再現されたものです。決して、たまたまバズったものでも、後付けでもありません。

このnoteの中では、あなたがまさに求めている、インフルエンサーを仕事にするためのノウハウやテクニックの部分についても惜しみなく解説しますが、それと、新しい「ファンコミュニティ」の概念、そして、それを裏付けるぼくの経験もお伝えしていこうと思います。



3.「ファン」との出会いから「ファンコミュニティ」をつくるまで

3-1.「ファンコミュニティ」の全体概要
3-1-1.そもそも「ファン」とは? 

具体的なノウハウ・テクニックの解説に入る前に、その土台となる、「ファン」「ファンコミュニティ」についておさえておきたいと思います。

まずは「ファン」の定義から。ひとことに「ファン」といっても、その熱量には差があり、“自分のことをフォローしている=ファン”とは言い切れません。あなたにも「なんとなく見ているだけで、別に好きかと言われるとそうでもないんだよね」というようなインフルエンサー・配信者が思い当たるのではないでしょうか。

ぼくは、ユーザーの熱量に応じて、「ファン」になるまでのプロセスを5つのステップに分けて考えるようにしています。

まずは、「無関心」。これは自分の存在を認知する前の段階です。当然、自分のことを知らないので、全く関心もありません。

2つ目に「ギャラリー」。これは自分のことを認知し、フォローをしてくれてはいるものの、ただ見ているだけの段階です。配信するコンテンツに対して、何かアクションを起こすことはありません。

3つ目に「アクション」。この段階になると、コンテンツに対して、「いいね」を押したり、「コメント」をしたりするなど、なにかしらの反応を返すようになります。

4つ目に「追っかけ」。これは、ひとつのSNSに限定せず、複数のSNSを渡って、情報を受け取ってくれる状態です。たとえば、TikTokからYouTube、TwitterからInstagramのように、プラットフォームをまたいだとしても、コンテンツを追いかけてキャッチアップしてくれます。

そして最後に「ファン」。自分のために、時間やお金を使ってくれる状態です。

ぼくはこのうち、3つ目の「アクション」以上の人を「ファン」と大きく定義しています。時間もしくはお金を使ってコンテンツを受け取り、何かしらのアクションで反応を返してくれる人たちです。

ある日突然、「追っかけ」になったり「ファン」になったりすることはなく、そのスピードに差はあっても、必ず「無関心」からスタートし、コンテンツに触れ、何かしらのアクションを返し・・・というステップを踏んで、ファンの熱量は高まっていきます。

まずは、どれだけ多くの人に自分を知ってもらい、興味関心を引くことができるか。これはコンテンツのつくり込みにかかってくるのですが、その詳細はのちほどお話するので楽しみにしていてくださいね。


3-1-2.「ファンコミュニティ」を支える「同質化」

第2章で、「ファンコミュニティ」は「インフルエンサーとファンとの間に独自につくる経済圏」だとお伝えしました。ですが、まだいまいち、ピンと来ない方も多いかもしれません。

重要なポイントはいくつもありますが、「ファンコミュニティ」についてもう少しわかりやすく解説するために、ひとつお伝えするなら、それは「同質化」です。

「同質化」というのは、ファンが、ファン自身をあなたに重ね、あなたに起こる出来事を「自分ごと」のように感じ、アクションを起こす状態のことです。

たとえば、オンラインサロンでお金を払ってコミュニティに参加をしている、お客さん側の人たちが、コミュニティをよりよいものにするためにいつの間にか運営側にまわっている、という現象もまさに「同質化」の例です。

「ファンであること」がアイデンティティの一部になり、コミュニティがよりよい状態であることが、ファン自身の喜びや自信となります。

そして、熱量の高いファンが自発的に広報活動をおこなったり、新規ファンの育成をしたりし始めるんです。それにより、コミュニティの勢いはどんどん加速していきます。これが「ファンコミュニティ」が目指すゴールです。



3-1-3.なぜ「会社員のチバ」はヒットしたのか

この「ファンコミュニティ」の存在が、「会社員のチバ」が、たった7日でYouTubeチャンネル登録者数7.5万人を達成した最大の要因です。

詳しいテクニックは次の項目から解説しますが、「会社員のチバ」はYouTubeチャンネル開設前にTikTokで認知を広げ、「いいね」「コメント」などの何かしらのアクションを返してくれる熱量の高いファンを育成した上で、YouTubeに参入することで成功しました。

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すでにYouTubeチャンネルを開設している方は肌で感じているかもしれませんが、全くゼロからYouTubeチャンネルを育てていくことは簡単なことではありません。チャンネル登録者数が伸びないどころか、コンテンツを再生されることすら難しい現状です。

それは、すでにあらゆる質の高いチャンネルがひしめき、コンテンツが飽和していることも理由のひとつですが、YouTube自体が、そもそも後発の人が伸ばしにくいアルゴリズムであるという背景もあります。

一方で、急成長しているTikTokは、新規配信者にもやさしいアルゴリズムになっていて、とにかく「見つけてもらいやすい」。そして、1度見つけてもらえると「繰り返し見てもらいやすい」

つまり、無関心層がコンテンツに繰り返し触れて、熱いファンになるまでのプロセスをたどりやすい構造になっているんです。

TikTokで熱いファンを先につくってから、YouTubeに参入した「会社員のチバ」のチャンネルでは、初投稿の動画に、数千のコメントが寄せられました。これは、芸能人をのぞけば、異例とも言え、ファンの熱量の高さを証明してくれています。

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それだけ初速でチャンネルパワーがつけば、YouTube側にもよい配信者として認められ、YouTubeのアルゴリズムの中でも十分に戦っていくことができます。

TikTokでファンをつくり、熱量の高いファンを引き連れてYouTubeに参入する。その戦略は、一見、シンプルで、表面的なテクニックに感じられるかもしれませんが、ここには緻密な「ファンコミュニティ」形成までのロードマップが敷かれています

ここから、TikTokやコンテンツづくりの具体的な例をお話しながら、これからのインフルエンサービジネスに欠かすことできない「ファンコミュニティ」づくりについて解説していきます。



3-2.ファンとの出会い 
3-2-1 コンセプト設計と一貫性のある配信が基本

いよいよ、具体的な話に入っていきますね!

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これはかなり簡略版なのですが、ファンコミュニティ形成までにファンがとる行動・心理を表したものです。

だれもがはじめは無関心。まずは「認知」、つまり「知ってもらう」ハードルを超えないと、ファンをつくることはできません。「同質化」するまでに、離脱する人がいることも考えると、ファンコミュニティづくりには、「認知」の絶対数をまずは増やしていく必要がありますね。

では、どうやって「認知」を増やしていくか。そのベースは「量」です。

あなたも、情報の受け手として体感しているかもしれませんが、とにかく現代社会は情報量が多すぎます。人間が受け取って処理できる情報量には限界があるので、現代人はとにかく情報を受け取っては忘れるを繰り返しています。

つまり、忘れられることが当たり前で、それを前提にコンテンツを配信していかないといけないんです。100%の質にこだわったコンテンツを週に1回発信をするだけでは、それがどれだけおもしろいものだとしてもすぐに忘れ去られてしまいます。それなら、全てが100%ではなくても毎日でも配信した方がいいとぼくは考えます。

ただ、やみくもに量を増やせばいいわけではありません。「質」が前提にあっての量をこなすことが重要です。「質」について、初期段階で特に大事なことは、「コンセプト設計」です。

初期段階に多い失敗が、設計がないまま手当たり次第に企画を組んでしまうこと。これは、質を伴わずにただ量をこなしている状態です。もちろん、どんな企画が当たるかはやってみないとわかりませんし、とにかく投稿を続けてひとつでもバズる動画をつくりたい気持ちもわかります。ただ、それよりも大事なことは、同じコンセプトのものを投稿し、ユーザーに「この人は○○をやる人だ!」というイメージをもってもらうことです。

想像してみて欲しいのですが、仮にあなたのひとつの企画がバズり、たまたま見かけたユーザーがあなたのアカウントページに飛んだとします。そのとき、コンセプトの定まらないバラバラのコンテンツしか並んでいなかったら、「他の動画も見たい」「フォローをしたい」と思ってもらえるでしょうか?おそらく多くのユーザーが「つまらないな」「期待外れだな」と感じてページを離脱し、再び、ザッピングに戻っていくことでしょう。

ただ、もし、コンセプトがしっかりと組まれた一貫性のある魅力的なコンテンツが並んでいたら、「おもしろそう!」「もっと見たい!」と、他の動画も見てもらえたり、フォローをしてもらえたりするかもしれません。

大切なことは、コンセプト設計と一貫性。同じ内容の投稿を何回でも配信してください。コンセプトをずらしてもいいのは、「あなた=○○をする人」というイメージがついたあとからです。

ここで、TikTokのアルゴリズムにも触れておこうと思います。TikTokは、ユーザーが、いいね・コメント・シェア・フォロー・プロフィールを閲覧することや、総再生時間・平均視聴時間の長いコンテンツが「おすすめ」に掲載されやすい仕組みになっています。

つまり、動画がどれだけ多く再生されるか、ユーザーにどれだけのアクションを起こさせるかが、「おすすめ」の掲載に大きく影響するということです。

そのために有効な方法がコメント欄の活用です。ユーザーがコメント欄を見ている間、そして、コメントを入力している間、コンテンツは2回、3回と再生され続けるので、総再生時間・平均視聴時間を延ばすことができるからです。

また、あなたがそのコメントに返信をすると、その返信を見るために再びユーザーはあなたの動画に訪れるため、さらに動画が再生されます。その過程で、ユーザーが動画やコメントに「いいね」や「シェア」などのアクションをすることもあるでしょう。

そのようにして、ユーザーの「おすすめ」に表示されるようになると、あなたとユーザーの接触の機会が増えていきます。ユーザーにとって、何度も見たことがあるという経験は、配信者への関心を「なんとなく見たことある」から「気になる」へ移行しやすくしてくれます

そのほか、ターゲットの検索行動にあわせて、ハッシュタグをうまく活用することで、よりリーチを狙うことができます。


3-2-2.だれかのマネではファンはできない 

ここまでお伝えしたように、初期段階で特に大事なことはコンセプト設計です。たまたま動画がバズって、何百万回と再生されているのに、フォローやチャンネル登録にはつながらないケースは珍しくありません。何百万再生・何十万いいねといった数字は、コンテンツに対する評価であり、配信者への興味関心の濃さとはイコールではないからです。

ファンをつくるためには、「認知」からもう一歩、「興味」へ引き込むコンセプトが必要なんです。ここからは、その「コンセプト設計」について掘り下げます。

多くの人がコンテンツをつくり始めるとき、「とりあえず自分のやりたいことをやってみる」もしくは「とりあえず流行っているコンテンツをマネしてみる」のどちらかをとることが多いのですが、これこそが、「認知」はとれても「人気」にはなれないコンテンツの例です。

同じようなコンテンツを同じような音楽で同じようなフィルターを通して量産しても、「あなた」への興味関心には移行しません



3-2-3.「普通」な人が人気コンテンツをつくるには?

ではどのように、「あなた」への興味をそそるコンテンツをつくっていけばいいのでしょうか。

弊社所属クリエイターは、全員芸能人ではありません。言ってしまえば、「普通」の人。

そんなどこにでもいる「普通」の人のファンづくりにおいて最も大きな影響をもたらすものこそがコンセプト設計で、弊社でもコンセプト設計にもっとも時間をかけて企画を練ります。

「会社員のチバ」を見てみましょう。「会社員のチバ」はご覧のように、見た目は「元気いっぱいの会社員」です。

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ですが、元気いっぱいに「会社休みます!」「早退します!」といって、仕事をサボりまくるんですよね。

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「元気いっぱいに会社を休む」。これが「会社員のチバ」のコンセプトです。

コンセプト設計で大切にしていることが「ギャップ」をつくることです。キャラクターを主軸に「ギャップ」をプラスすることで、視聴者の興味関心をくすぐるフックになるんです。

「会社員のチバ」では、「会社員」という共感の強いキャラクターの上に「元気に仕事を休む」というギャップを乗せました。この「ギャップ」は「なんとなく変」「違和感」「意外性」とも言えると思います。

もし、あなたがご自身でコンセプトをつくるなら、ぜひ「○○なのに~~」の公式にあてはめて「ギャップ」の演出をしてみてください。

たとえば、一見、真面目そうな風貌の日本人が、外国映画に出てくるようなオーバーリアクションで、ネイティブの英語をいきなり話し始めたら、ちょっとおもしろいと思いませんか?「真面目そうな純日本人“なのに”ネイティブ英語でオーバーリアクション」というギャップの見せ方です。

自分がすでにもっているキャラクター(素材)とギャップの掛け合わせが、記憶に残るコンセプトづくりのコツです。



3-2-4.あなただけの、強み・キャラを発掘するには?

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そうはいっても、自分の強みやキャラクターを自分で見つけるのって難しいですよね。所属クリエイターの中にも、ぼくと初めて会った時点では「やりたいことすらもわからない」と話す人がたくさんいます。

そんなクリエイターたちも、ディスカッションを重ねて、トライ&エラーを繰り返しながら、のちに熱いファンを抱えるインフルエンサーに成長しているので安心してください。

所属クリエイターの場合は、チームでコンセプトづくりからバックアップできますが、あなた自身が、クリエイター兼プロデューサーをこなしていく場合にはそうはいかないものです。

そのとき、まずは第三者にあなたのイメージを聞いてみることをおすすめします。シンプルに「ぼく(わたし)ってどう見えますか?」「第一印象でどんなイメージをもちましたか?」と聞いてみるんです。

実は「第三者が抱くイメージ」こそが、あなたのコンセプトづくりのヒントになるのですが、セルフイメージと、第三者から見たときのイメージが大きくズレていることがよくあります。ぼくもリサーチをかねてさまざまなクリエイターのコンテンツを見ますが、「もったいないなあ」と感じることがよくあります。

先日、ある人と打ち合わせをしていたときに、ぼくがふいに「○○さんってインテリに見えますよね」と言ったら「そうですか!?」と驚かれました。これも、セルフイメージと第三者のイメージがズレていた例です。もしぼくが彼をプロデュースするなら、「インテリ」とのイメージをベースにギャップを乗せるコンテンツを提案しますね。

ただ、忘れてはいけないことは、第3者からもらったイメージを素直に受け取ることです。たとえば「インテリ」と言われて、「嬉しい」と感じる人もいれば、「いやだな」と感じる人もいると思います。「いやだな」と感じたときに、せっかくもらった「インテリ」のイメージの解釈を勝手に変えて「イケメン」とか「クール系」とかに路線変更したらだめですよ。

「インテリ」と言われたなら「インテリ」。そして、そのイメージをより最大化させる見せ方で、振り幅を強調させること。ぼくがプロデュースをするなら、「インテリ」のイメージをよりわかりやすくするために、メガネをかけてもらったりするかもしれません。

このように「自分を正しく知る」がコンセプトづくりのカギといっても過言ではありません。あなたの強みやキャラクターを引き出してくれる人は、案外身近にいるものです。ぜひ、「ぼく(わたし)ってどう見えますか?」とまわりの人に聞いてみてくださいね。



3-3.「人格」に興味をもってもらう必要性
3-3-1.かっこいいだけ、かわいいだけじゃダメなんです

ここからは、さらにファンとの関係をより深いものにしていくための方法をお伝えします。

大事なことなので、何度でもお伝えしますが、すでにたくさんのフォロワーを抱える配信者のマネをして、ダンスをしたり、コスプレをしたりしているだけではダメですよ。

たしかに、かっこいいな、かわいいなとは思います。でも「かっこいい」「かわいい」は表面的な興味でしかないので、何かしらのアクションをくれる「ファン」には移行しにくいんです。いろんな配信者を見てきましたが、「かっこいい」「かわいい」だけを売りにしている人は、数万フォロワーが天井だと感じます。

数十万フォロワーに支持される配信者になるために必要なのは「人格」につながるコンテンツ。つまり、「かっこいい」「かわいい」を超えて「どんな人なんだろう」「もっと知りたい」、さらには「この人を見ると元気になる!」などと有益に思ってもらえるようなコンテンツが必要ということです。


3-3-2.あなたの「人格」に興味をもってもらえるコンテンツを

「会社員のチバ」のプロデュースにあたっても、「人格」への興味を持ってもらうことをひとつのゴールとし、「もっと知りたい!」「千葉くんって面白い!」「見ると元気になる!」と感じてもらえるコンテンツづくりをしました。

そのポイントとなるのが「共感性」です。文字通り「自分と同じだ」のポイントをつくること。たとえば、「会社員のチバ」のコンテンツでは、20代の会社員をターゲットにしています。彼らは普段から「プライベートをもっと充実させたい」「仕事は早く終わらせて友達と飲みに行きたい」「毎朝会社に行くのがイヤでしょうがない」「会社を休みたい」・・・、なんてことを考えていることが多いですよね。

でも、実際は、そう簡単に仕事を休むわけにはいかないし、定時で帰られないことも多い。苦手な上司に意見も言えず、いろんなことを我慢しながら生活しているわけです。

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そんなときに「今日も会社行きません!」と、おもしろおかしく宣言する「会社員のチバ」を見ると、彼らにとっての「会社員のチバ」は「仕事を休みたいと思う会社員の人たちの代弁者」となり、「自分の気持ちを分かってくれている」「自分も千葉くんみたいに会社を休めたらいいのにな」と共感や憧れが生まれ、ファンの熱狂度を高めてくれるんです。

なかには「本当に会社を休んでいるのかな?」と疑惑をもつ人もいるかもしれませんが、それもひとつの興味のかたちです。

共感を集めるコンテンツづくりは、ターゲットが、何が好きで、何が嫌いで、どんなことに悩みや不満を感じていて、どんな理想をもっていて・・・と、その頭の中をよく知ることから始まります。



3-3-3.「かっこいい」より、2秒で記憶に残る「わかりやすさ」

補足ですが、コンテンツと同じくらいに大事なポイントが「わかりやすさ」です。何度も言うように「かっこいい」「かわいい」ではありませんよ。

ぼくは、千葉にはじめてあったとき「すごくわかりやすい顔をしているなぁ」という印象を持ちました。「イケメン」と呼ばれる俳優たちは確かにかっこいいですが、あらゆる役を演じられるように、顔に大きな特徴がないことがあります。つまり、「イケメン」だけでは覚えづらいんです。一方で、千葉には、わかりやすいキャラクター性がありました。

「わかりやすい」の基準は、「2秒見ただけで1週間後に覚えていられるかどうか」。このわかりやすさが、秒単位でザッピングを繰り返すユーザーの興味を引くには必要なんです。



3-3-3.「かっこいい」はあとから気づいてもらった方がいい

ぼくは「かっこいい」「かわいい」は「わかりやすさ」の中のひとつの要素ととらえています。仮にどれだけかっこよかったとしても、「かっこいい」を軸にコンテンツづくりはしません

ここでは、あらゆるコンテンツづくりに通じる見せ方について、千葉を例にもう少し掘り下げていこうと思います。

あなたの学生時代を思い返してみてください。今、まさに学生だという方のあなたの学校をイメージしてくださいね。

あなたの学校にも1人は、注目の的になるような「かっこいい子」っていませんか?「キャーキャー」と取り巻くわかりやすいファンがたくさんいるような人気者です。

でも、いつの間にかそのブームは違うところに移ろいで、ちょっと前まであんなに人気者だったのに・・・なんてこともありますよね。

これは、SNSの世界でも同じことが言えます。わかりやすいかっこよさに飛びつくミーハー層はどこにもいますが、そのわかりやすいかっこよさというものは旬のようなもので、流行り廃りも早いのです。「キャーキャー」と取り巻く人たちは「ファン」ではなく、「キャーキャーとブームに乗ることが好きな人」とも言えます。

では、長く続く本当の「ファン」をつくるにはどうするといいかというと、「かっこいい」を売りにしないことです。

「オレってかっこいいでしょ」という見せ方をせずに、ファンに「あれ?よく見るとかっこよくない?」と気づかせて、「かっこいいかも」を広げていくんです。

瞬間最大風速で人気をとるのではなく、「かっこよくない?」「そうかな?」「でも面白いよね」「私は好きだな」、そんな議論をファンの間で起こしながらじわりじわりとその熱量を高めていくんです。

千葉のコンテンツでは、あえて「かっこいい」を引き立たせる見せ方をしていません。見せるのはあくまで、元気いっぱいに会社を休む姿。

「もしかしたら千葉くんってかっこいいのかもしれない」と気づいたファンだけが、千葉のコンテンツを「かっこいい」という角度から見るんですよね。

だから「千葉くんってかっこいいよね」という声があがるようになったのはコンテンツを配信しだしたずっとあとのことでした。

この見せ方は、なにも「かっこいい」に限った話ではありません。たとえば、カップルチャンネルで美男美女とは決して言えないような配信者が伸びているのを見たことはありませんか?彼らが人気を集める理由もまさに、キャラクターへの共感です。2人の掛け合いのわかりやすさや、「なんとなく幸せそう」な空気感に魅力を感じるんです。

でも、もし彼らが「私たち、幸せで~す!」と言い出したらどう思いますか?そこに生まれるのは共感ではなく嫉妬に変わります。あくまで、見ている側が「幸せそうだな」「ああいうの、いいな」と思うことが共感性を高めるポイントなんです。

自分で自分を「かっこいい」と言う人は嫌らしく映るし、自分で自分を「幸せです」という人は嫉妬の対象になりやすい。

だから、「かっこいいでしょ」はダメで、「かっこよくない?」と気づかせる。「幸せです」はダメで、「幸せそうだな」と気づかせる

つまりユーザーに「気づかせる余白」を残したコンテンツが、より共感を強くし、より熱いファンを集めてくれます。



3-3-4.ファンを引き込む「世界観」のつくり方

千葉のコンテンツが一筋縄でヒットしているかというと実はそうではありません。仮説検証を繰り返し、ファンの反応を見ながら方向修正を繰り返してきています。

あるとき、「会社員のチバ」に熱量の高いファンがついてきたタイミングで、「千葉彗太」個人に興味をもってもらうことを目指したコンテンツを配信してみたことがあるのですが、思ったほど伸びなかったんですよね。

ですが、これは決して失敗ではなく、戦略を立てるためのひとつのテスト。ここで自分の「こうしたい」にこだわってしまうと勢いが止まってしまいます。ファンの反応が全てであり、反応が取れないのであれば方向転換をしなければなりません

このときは、ファンの反応から、求められているコンテンツが「千葉彗太」ではなく「会社員のチバ」であることが確認できたので、それ以降は「会社員」の世界観をよりリアルに配信するようにしました。

具体的にいうと、登場人物の相関図をつくり、千葉の部長や課長にも登場してもらうようにしたんです。

TikTokを見ていると、ピンで配信をしている人が多いのですが、登場人物を増やすことによって、よりユーザーの想像をかき立て、ストーリーに引き込むことができます。

まるで自分もそのストーリーの中に入り込んだかのようなその錯覚を「没入感」と呼んでいます。千葉を例にあげるなら、千葉がカメラ目線で話すようにしたり、課長や部長に出てもらったりすることで、ユーザーの想像をかき立てる仕掛けをしています。

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そこに、「会社を休みたい」などの誰もが1度は感じる"あるある"の要素と、会社の評価を気にせずに元気いっぱい仕事を休むという"ギャップ"を組み合わせることで、千葉に共感したユーザーは次第に「会社にこんな子がいたらいいな」「自分もこんな会社で働いてみたいな」と思うようになります。それにより、ユーザーの興味がコンテンツからクリエイターへ移るので、他のSNSへも移行しやすくなります。

実際に、登場人物を増やす作風に変えてから、さらに数字も伸びていきました。共感とギャップを大事にした、ストーリー・世界観づくりも、弊社がコンテンツづくりでこだわるポイントのひとつです。



3-3-5.戦略的に再生回数とファンを増やすテクニック

ここで、少しテクニック寄りになりますが、さらにファンの熱量を高める方法をお伝えしたいと思います。

それが冒頭でも触れた「コメント返し」です。難しいことではなく、コメントをもらったらコメントをお返しする、それだけのことです。配信者と直接交流できることで、ファンの熱量が高まる、ということもメリットのひとつですが、さらには、TikTokのアルゴリズムを攻略できるという側面もあります。

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まず、ファンがコメントを入力している間、あなたのコンテンツは2回、3回と再生され続け、あなたのコンテンツの再生回数・再生時間は伸びていきますよね。そして、そのコメントにあなたが返信をすると、その返信を見るためにファンが再びあなたのコンテンツに足を運びます。

そして、それを読んでさらに返信を書く間、1秒また1秒とあなたのコンテンツへの滞在時間が伸びていきます。これにより、TikTokのアルゴリズム上、あなたのコンテンツがより高く評価され、「おすすめ」に掲載されやすくなり、新たな認知獲得につながるのです。

また、コンテンツへの接触回数が増えることで、単純接触効果により心理的にもファン度を高めることにもつながりますし、「この人はコメントを返してくれる」という感激はファンの心をつかみます

「会社員のチバ」がYouTubeに投稿した1本目の動画で、数千件のコメントがついたのは、TikTokの土壌で「コメント」という文化を根付かせた上でYouTubeに参入したからです。YouTubeのアルゴリズム上でも、コメントが多くつく動画は高く評価され、急上昇動画や関連動画に表示されやすくなります。



3-3-6.「仮想友達」としてのマメなコミュニケーションがエンゲージを高める

コメント返しで大切なのは、スピード感とマメさです。マメにコメントを返すことで、ファンからも何らかのアクションをタイムリーにもらうことができるようになります。

SNSをとおして目指すポジションは「芸能人」ではなく「芸能人と一般人の間」。芸能人のように偶像化してしまうと遠すぎるし、一般人のように親近感がありすぎてもダメ。ファンの熱狂を高めるには、この2つのバランスがとれた存在にならなくてはなりません。これを「仮想友達」と呼んでいます。「芸能人」には選ばれたひと握りの人しかなることはできませんが、「仮想友達」のポジションは誰にでも狙うチャンスがあるんです。

また、「仮想友達」だからこそファンに提供できる価値もあります。たとえば、学生時代に、校内の「一軍層」と呼ばれるような華やかな人たちと仲良くしている人をうらやましいなと思ったり、「一軍層と親しい自分」に少し気持ちよさを感じたりした経験はありませんか?

その感覚は「仮想友達」との関わりでわき上がる気持ちと似ています。一般人とは少し違うところにいる「仮想友達」と接触できる気持ちよさは、「芸能人」を応援しているときには味わえない感覚です。

芸能人だと遠すぎるけど、友達だと近すぎる。偶像性と親近感のバランスをとりながら、その間を行ったり来たりすることで、よりファンの熱量は高まっていきます。親近感を感じてもらうためにも、コメントを使って、ファンとのコミュニケーションを積極的に取り入れてみてください。



3-4.「ファンコミュニティ」を形成する
3-4-1.リアルな口コミをしてくれるファンをつくる

ファンが、コンテンツに対して何かしらのアクションを返してくれる状態が習慣化されたら、いよいよ次のステップが「ファンコミュニティ」の形成です。

「ファンコミュニティ」に欠かせない要素のひとつが「口コミ」です。ぼくは「口コミ」の価値に非常に重きを置いています。それも、SNSだけではなく、リアルでの口コミの発生です。

ぼくがそう考えるのは、単にファンが新しいファンを巻き込んでくれることを期待しているからではなく、ファンの“ある心理”を知っているからです。

それは、いつだってファンは不安だということ。ファンは「この人のファンでいいんだっけ?」とか「この人のことを好きだと思うのは自分だけなんじゃないか」とか、とにかく不安なんです

たとえば、あなたがあるメーカーのペンがすごく好きで、「これ、めちゃくちゃいいんだよね」と熱く語っても、興味のない人から「へー、そうなんだ」と、薄い反応をされてしまったら少し悲しいですよね。

もしかしたら「このぺンを気に入っている自分は変わり者なのかもしれない」「もう、このペンについて語るのはもうやめておこう」なんて思ってしまうかもしれません。ペンのファンであること自体に自信喪失してしまっている状態です。

でも、もし「知ってる知ってる!オレも好きなんだよね~」と共感してもらえたら・・・。あなたはペンのファンであることに自信をもち、その愛着もより深くなるでしょう。

このように、自分の好きなものを、ほかの誰かも「好き」だと共感してくれることは「自分は間違ってないんだ」「この人(モノ)のファンでいてもいいんだ」という自信を与えてくれます。そして、その自信が、さらにその「好き」の気持ちを拡散する原動力になるんです。

だからぼくは、学校やバイト先、会社などで、なにげなく「○○って知ってる?」「あの人面白いよね」というひと言が自然発生するコンテンツづくりを目指しています



3-4-2.ファンの時間の使い方を自分に合わせてもらう

ぼくがもうひとつ大切にしていることが、「可処分時間をどれだけ使ってもらえるか」です。可処分時間というのは、1日24時間から、睡眠や食事、仕事、家事といった、生活を維持するのに最低限必要な時間を除いた時間のことです。

先ほどの、「ファンとのマメなコミュニケーションがファンの熱量を高める」という考え方がここにも関係してくるのですが、人気のある人は共通して、まずは自身の可処分時間をファンのために使うことが多いです。

そして、それに応えるようにファンも自身の可処分時間を使って、コンテンツを受け取り、「いいね」を押して、コメントをして、口コミをして、あなたを応援してくれます。時間をかければかけるほどファンとの間によい循環が生まれ、あわせてファンの熱量もあがっていくんです。

そして、もうひとつ時間に関するポイントがあります。それは、「タイミング」です。ファンの熱量があがってきたら、あえて、ファンがスケジュールを配信者に合わせないといけなくなるようなシチュエーションをつくるんです。

わかりやすいイメージが、オンラインゲームのイベントです。平日真っ昼間の2時や3時といった時間帯に、イベントが配信されているのを見たことはありませんか?「そんな時間に参加できる人なんていないのに」「なんて不親切だ」と思われるかもしれませんが、これこそがファンの熱量を高めるテクニックなんです。ほとんどの人が学校や会社にいる時間帯ですから、そのイベントにどうしても参加したい人は、トイレにこもってこっそり参加するんですよね。

つまり、イベントに参加するために、スケジュールや、ルーティン、ルールを、ファンが自ら壊すんです。その瞬間に、コンテンツに対する優先順位がぐっとあがっていることに、ファン自身も気づくでしょう。そして、本来であれば、守らなければならないものをさしおいて参加しているわけですから、より深く熱狂することになります。

余談ですが、先輩に招待してもらって、ぼくは「ブシロード」のガールズバンドプロジェクトバンドリ!(BanG Dream!)のライブによく行くんですよね。チケットは約1万円なんですが、1万人規模の会場が埋まるだけじゃなくて、物販スペースがなんとライブ会場と同じくらいの広さなんです。しかもグッズがめちゃくちゃ売れてて、1回のライブの売り上げも数億円らしいんです。

でも、ぼくのまわりで「バンドリ!」を知っている人は少ないんです。それでも熱狂的なファンによって、1万人のキャパシティの会場が埋まり、グッズも飛ぶように売れていく。すごいですよね。

この仕組みでうまいと思うのが、ファンが、可処分時間をとことん使えるコンテンツ展開をしている点です。ゲームと一緒に、音楽も配信し、ユーザーはその音楽を覚えてライブに行く。そのコンテンツがアニメなんです。ファンは、アニメ、ゲーム、声優LIVE、音楽、ライブ配信を、ぐるぐると巡回しながら、24時間コンテンツに触れられるので、熱狂し続けるわけです。

「ブシロード」は決して大企業ではありませんが、エンターテイメント事業の売り上げが266億円です(2019年7月)。大手芸能プロダクションの年商と肩を並べるその勢力は、最近までは考えられなかった現象でしょう。

あなたが配信するときも、ファンの可処分時間の使い方を意識した配信スケジュールや、コンテンツの設計をぜひ意識してみてください



3-4-3.お金を使うことでファン度は高まる

ここまでファンの熱量が高まったら、ぜひ、オリジナルグッズ販売や小規模のイベント開催からでも、マネタイズに挑戦をしてみてください。

よく「マネタイズするとファンが離れるのでは」と思われる方もいますが、何も心配いりません。むしろ、時間とお金を使えば使うほど「これだけ使ったから」という心理がはたらいて、よりファンは熱くあなたを応援してくれるようになります

たとえば、アイドルなどのファンクラブでは入会費や年会費が発生します。そして、ファンは、より情報をキャッチアップしようと、アンテナをはり、多くのコンテンツに触れようとします。ですが、もし、同じだけの「好き」の気持ちがあったとしても、そこに課金が発生していなかったら、同じ熱量で情報を追いかけるでしょうか。

実は、お金を払っているからこそ、「もったいない」の気持ちがはたらいて、よりコンテンツに触れるようになるんです。それにより、接触回数が増えて、さらにファンになるという構造です。

多少なりともマネタイズが発生することは、「ファンコミュニティ」における重要な要素です。千葉も今後、マネタイズにつながるファンとのコミュニケーションの場をつくっていく予定をしています。



3-4-4.「ファンコミュニティ」では一体感を醸成しよう

ファンとインフルエンサーとの関係、ファン同士の関係をより強固にするためには、「一体感」が必要です。

そのための方法として、「一緒につくる」を企画に取り入れることがあります。「会社員のチバ」では“休む理由、募集します”という企画を打ち出しました。ファンから、「会社員のチバ」が欠勤する理由を募集し、その中から採用したアイディアでコンテンツをつくりました。

イメージとしては、企業が商品開発をするときに、コアなユーザーに集まってもらってヒアリングし、新商品の参考にするのと同じです。「一緒につくっている」という感覚を、ユーザーに味わってもらうこともひとつのコミュニケーションです。

さらには、「同じ」の経験をすることも「一体感」を醸成してくれます。アイドルのグッズに象徴されるように、何か同じものを持つことがファンの熱量を高めてくれるんです。

この「同じ」の経験は、なにもグッズに限りません。例えば、言葉。コミュニティの中でしか通じないようなオリジナルの言葉をつかうことも一体感を演出してくれます。

最近でいえば、女子中高生の間で「ぴえん」という言葉が大流行しましたが、「ぴえん」はもともと歌舞伎町のコミュニティの中で生まれた言葉だと言われています。内輪の中でしか通じない言葉を使うと、一部の人しか知らないワードを「使っている自分」「使うことを許されている自分」に酔えるんですよね。

言葉だけでなく、共通のポーズやダンスにも同じ効果があります。TikTokではよくダサいダンスが流行しますが、あれは彼らにとっての共通言語であり、彼らのコミュニケーションの取り方なんです。

一体感をベースにしたコミュニケーションが活性化すると、ファン化の流れがしっかりと軌道に乗り始めますよ



4.ホストクラブから見る、「ファンコミュニティ」
4-1.ホストクラブとファンコミュニティの関係

この章からは、よりファンの熱狂度を高めるコミュニティづくりや、「ファンコミュティ」論をさらに発展させたマーケティング論について解説をしていくのですが、いきなり「ホストクラブ」が出てきて驚かれた方もいるかもしれません。

ここで、ぼくが「ファンコミュニティ」づくりで結果を出し、さらにそれを言語化できるタネあかしをさせてください。

現在代表を務めるLCを立ち上げる前、ぼくは、ホストクラブ業界トップクラスとよばれる冬月グループの代表を務めていました。ぼくの最初の起業は20歳のときです。

冬月グループを創設し、年商60億円規模に成長させたあと、その経験で培った「ファンコミュニティ論」をタレントプロデュースのフィールドに転用しようと考えてLCを立ち上げました。

ここまででお話しした「ファンコミュニティ論」は、ホストクラブの世界で構築したマーケティングをSNSの世界で再現したものなんです。

こちらをご覧ください。

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これは冬月グループで実際に使用している、マーケティングマップの簡易版です。来店前の無関心の状態から、「ファンコミュニティ」形成までの、お客さまの成長ステップを図式化しました。

お気づきのとおり、これまでお伝えしてきた、無関心→認知→興味・・・と展開していく、SNSを使った「ファンコミュニティ」形成までのステップは、ホストクラブ経営の中で、仮説検証をかさねて編み出した理論を、再現性をもってSNSの世界に転用したものでした。

ホストクラブについて、“ホスト対お客さま”の1対1のコミュニティビジネスだと思われることも多いのですがそうではありません。また、かっこよくてコミュニケーション力が高い人が売れると思われることもありますが、そうではありません。特にかっこいいだけでは絶対に売れることはありません。

ホストクラブは、まさに「ファンコミュニティ」そのもの。ホストとお客さまの1対1のコミュニケーションというのは、ほんの一部分でしかなく、ホストクラブの成長のカギは、1人のお客さまに対して、ホスト・店舗スタッフが「コミュニティ」として存在できるかにかかっています。

たとえば、ホストクラブでは、日常的にこんなことが起こります。常連のお客さまが新人ホストの従業員教育に名乗り出るんです。お金を払って、お客さまとして来店しているはずなのに「わたしが教育するね」と、新人ホストを指名して、「こういうときはするんだよ」「ああいうときはああするんだよ」と指導してくれるんですよね。

それだけでなく、友人をお店に連れてきてくれたり、他のホストを紹介してくれたり、ホストのPRをしてくれたりすることもあります。

まさにこれは「同質化」の状態です。お客さまが自発的に運営側にまわり、コミュニティをよりよくするために動いてくれる。このような状態がつくられると、コミュニティは軌道にのり、どんどん勢いを増していきます。



4-2.お客さまの熱狂度をさらに高めるために
4-2-1.常連客を育てるためにホストクラブでおこなう秘策

ホストクラブで「ファンコミュニティ」が形成されやすい背景には、お客さまの成長ステップにあわせて、お客さまがアクションできるポイントがしっかりと用意されていること、常連客になるまでの仕掛けが緻密に組まれていることが影響しています。

そのステップを順番に見ていきましょう。

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SNSの世界と同様に、ホストクラブの世界でも、お客さまは誰もがはじめは無関心。でも、友人からの紹介や、たまたま見つけたSNS、雑誌、口コミをきっかけに認知し、はじめての来店をします。

初来店のお客さまが受ける、第一印象に大きく影響するのが、店舗のきれいさ・華やかさ・キャストの清潔感です。初回の印象で不快感があれば2回目はないですからね。逆に、初回の印象で期待を超えれば、その先の友人へ口コミが発生します。初回のお客さんの後ろには、10人のお客さんがいると思って、「気になる人がいた」「楽しかった」「会話がうまかった」「混んでいた」と、いい印象を持ち帰ってもらえるよう、店舗をきれいにし、レベルの高いキャストに最初と最後に接客をしてもらうなど、気をつけていました。

そして、初来店で気になるホストに出会えたお客さまは、お店を出たあと、すぐにその人のSNSをチェックします。その検索行動の受け皿のために、SNSを作り込んでおく必要があるんですよね。お客さまが能動的にホストの情報をキャッチアップするようになり、SNS上での接触回数が増えると、再来店にもつながりやすくなります。

ぼくは4回目のご来店でもって「常連客」とするようにしています。4回目までは離脱するお客さまもいらっしゃるのですが、4回来店してくださった方は、それ以降も続けて来てくださる傾向が強いからです。

ただ、4回も来店してもらおうと思ったら、1対1のコミュニケーションに頼っていると限界があります。1回、2回であれば、会うたびに新しい発見もあり、満足いただけるかもしれませんが、3回、4回と「また会いたい」と思ってもらえることって、ただでさえなかなかないですよね。しかも、ホストクラブならお金をいただくわけですし。だからひとひねり必要なんです。

これが、ホストクラブの成長には、「ファンコミュニティ」をつくることが大事だと考える理由です。

冬月グル-プでは、2回目・3回目の来店のときに、必ずしていることがあります。それが、「コミュニティづくり」です。お客様が指名しているホスト以外で、お気に入りのホストをもう1名つくってもらえるようにするんです。それまでは、1対1のコミュニケーションだったところに、他のホストがもう1人入ることで、そこは3人のコミュニティになります。さらに来店を重ねていただくと、店長などの役職者から、お客さまにご挨拶をする機会を設けます。

すると、はじめは「この人が好き」だったお客さまが、「この空間が好き」「この居心地が好き」となり、ホスト個人への「好き」から、指名してるホストを中心としたコミュニティに対しての「好き」にシフトしていきます。

補足ですが、バースデーなどのイベントは、それまではシャンパンをいれる周りのお客さまを見て、ただ憧れるだけだった方お客さまが、初めてのシャンパンを入れるきっかけになります。

その体験をきっかけに、どこか「他人」だったコミュニティの中にようやく自分が所属できたような気持ちになり、さらに欲求は高まって、いつしか「自分が主役になってお店を盛り上げたい」と思うようにもなります。来店頻度があがったり、より高いシャンパンをいれるようになったりしながら、運営側のような視点で店舗のこと、ホストのことを考えてくれるようになるんです。

すると、継続的に来店していただけるようになり、「指名してるホストとそのホストの目指すものの力になりたい」と半運営側の立場で、お店のことをさらに考えてくれるようになり、新規のお友達を連れてきてくれたり、シャンパンを入れたりなどといった具体的な行動でその応援を示してくれるようになります。これが「ファンコミュニティ」です。


4-2-2.優越感をくすぐられるとお客さまはより熱狂する

なぜホストクラブのお客さまは高いお金を払ってまでホストに会いに来て、さらにシャンパンを入れると思いますか?

その背景にあるのは「優越感」です。第3章で「芸能人と一般人の間(仮想友達)」を目指しましょうと言ったのは、ホストクラブ時代の経験で「優越感」がファンの熱狂度を高めることを学んだからです。

ただ、話すだけでなら友達でいい。ただ、飲みたいだけなら居酒屋でも家飲みでもいい。なのに、ホストクラブに来店されるのは、「人気ホストと飲んでいる」「人気ホストのコミュニティに属している」「シャンパンを入れてそのホストクラブの中心にいる」という特別感を感じられるからです。

そのためには、お客さまにとっての「ホストクラブ」というコミュニティが高レベル(学校でいうところの一軍層)である必要があります。「誰もが知っている人気店」で「人気ホスト」と時間をともにするからこそ、優越感がよりくすぐられるからです。

そのために、ホストはSNSを使ってフォロワー数を増やし、わかりやすい「数」でそのレベルを表し、店舗は派手な広告看板を出したり、広告トラックを走らせたりします。地道でアナログなようにも感じられますが、それらがもっともわかりやすい「偶像性」のつくり方だからです。

「自分が求める理想とするコミュニティに属したい」というお客さまの真の欲求をよく理解し、それを満たすことを考えて行動するんです。

補足ですが、ホストクラブへの初回来店動機をお客さまに聞くと、「来てみたかったから」と答える人は実はまれで、多くのお客さまが「友達に誘われたから」と答えます。

本当は「行ってみたい」「イケメンと話してみたい」という欲求があっても、その欲求のままに行動に移せる人は一握りですし、そもそもそんな欲が自分にあることを自覚していない、または、自覚したくない人も多いんです。だから、お客さま自身にその欲求を気づかせ、そして、「誘われたから来ただけ」と言い訳をつくれるようにしてあげるだけで来店へのハードルがぐっと下がります。

お客さんの言葉には出てこない、お客さんの心理をよく理解することは、マーケティングにおいても非常に大事なことです。


4-2-3.店に来られないファン層がファン化を加速する

ぼくは、直接お店に足を運んでお金をつかってくださるお客さまと同じくらいに、来店はできないけれど、ホスト・店舗の情報を追いかけ、SNSに声を発信してくれるファン層を大切にしていました

お店に来店できるのは、当然20歳以上ですので、お店の売り上げを支えるのは20歳以上のお客さまになりますが、実はSNS上での盛況を支えてくれる人の中心は12~20歳の若い子たちです。お店には来られないファンたちが、「あのお店の人かっこいいよね」とつぶやいてくれることが、ホストの偶像性をより高くしてくれるんです。

たとえば、地方に住んでいる高校生が「○○さんってかっこいいよね」と書き込んでいるのを、歌舞伎町のお客さまがみたとき、お客さまは2つの感情を抱きます。

ひとつは、自分が応援しているホストのことを、同じように「かっこいい」「好きだ」と感じてくれるファンがいることへの喜びです。先述したように、ファンはいつだって「自分はこの人のファンでいいのだろうか」と不安ですからね。書き込みを見ることで「この人のことを好きでいていいんだ」とファンであることに自信をもつでしょう。

しかし、その一方でこんな気持ちも抱きます。「店に来れないくせにコメントするんじゃない」というある種の反発です。「何も知らないのに語らないで」「会ったこともないのに知ったフリしないで」、そんな議論が起これば、たちまち議論は広がっていきます。

同時に、お店に行けないファン層は「いつかお店に行ってみたい」という憧れを強くしますし、お客さまは「来店できる自分」への「優越感」も味わいます。

このように、来店できないけれど興味関心をもって、SNS上で議論を起こしてくれるファンの存在が、ホストのブランドを高めてくれるんです。



4-2-4.「偶像性」の中の「親しみやすさ」がファンを熱狂させる

とはいえ、偶像性に100%振り切ってしまうと、逆にファンの熱を冷ましてしまいます。大切なことは「親しみやすさ」とのバランス。「芸能人と一般人の間(仮想友達)」になることが必要なので、偶像性に偏ってしまうと、手の届かない芸能人そのものになってしまい、ファンが応援する余白がなくなるんですよね。ですが、親近感に偏りすぎても、ブランドになることができません。

これをよく理解しているホストは、偶像性を高めるために、SNSを強化し、マスメディアへの出演・掲載実績を積みながら、どれだけ有名になってもお客さまとのコメントやメッセージのやり取りの手を抜きません。人気のホストほど非常にマメです。

たとえば、あなたの身近な友人がたまたまSNSでバズって有名になったとします。はじめは「お前、すごいじゃん」なんて声をかけることが出来ても、いつのまにかテレビに出たり、芸能事務所に所属するようになったりしたら、まるで住む世界が変わったようで、距離を感じ始めますよね。これが、「偶像性」が高まっている段階です。

そんなとき、その友達から「もう君なんか友達じゃないよ」と言われてしまったら、あなたは相手に対して「天狗になったな」とマイナスイメージを持つと思いますが、以前と変わらず、もしくはそれより深く、友人としての関係が続いていったらどう感じますか?「こんな自分とも仲良くしてくれる」という喜びを感じ、相手への気持ちをより濃くしながら、「人気者の友人である自分」に優越感を感じるのではないでしょうか。

これが、「偶像性」の中の「親しみやすさ」です。どちらに一方にだけ寄るのではなく、バランスを取りながら「偶像」と「友人」を行ったり来たりする。その中で、ファンは気持ちを揺さぶられ、感動をおぼえ、ますます熱狂していくんです。



4-3.再現性のある「ファンコミュニティ・マーケティング」は武器になる

ここまでお伝えをしてきたマーケティングの手法は、本や誰かから教わったものではなく、すべて現場で経験を重ねる中で、ぼくが構築した方法です。

ぼくは昔から仮説検証が好きで、次々と仮説を立てては、お客さまと膝をつきあわせて、率直な意見をうかがったものです。ぼくの考える「ファンコミュニティ」は、ホストクラブ経営を通して得た、膨大な検証データによって裏付けられた再現性のある方法です。

マーケティングマップを活用して、「ファンコミュニティ」形成までの教育を仕組みに落とし込んでいるホストクラブは、今現在も冬月グループだけです。再現性をもった理論とマップ・それを生かせるマネジメント体制が整っていたことが、冬月グループが業界最速で店舗展開をすることができた理由だと思っています。

多くの店舗が、残念ながらこうしたお客さまのファン化、「ファンコミュニティ」の形成の重要性を理解していません。「なんとなく」で、マーケティングをしてしまうので、再現性がなく、安定しないんです。

再現性があるということは、迷いなくアクションできるということで、大きな強みになります。そして、本質部分がしっかりとしていれば、業界をまたいでも、転用が聞くので、自信をもって新しいチャレンジができます。

実際に、「ファンコミュニティ論」をSNSの世界に転用したことで、「会社員のチバ」を代表するコンテンツを次々とヒットさせることができました。「ファンコミュニティ」の流れはやはり、業界を変えてもまったく同じだったんです。



5.今日から「ファンコミュニティ」づくりをはじめるあなたに
5-1.コンテンツはトライ&エラーで磨いていく

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ただ、「ファンコミュニティ論」を知っているからといって必ずしも成果が出るというとそうではありません。結局は、やるかやらないか以外はありません。「こうすれば数字は伸びる」という方法論をぼくが提供しても、言い訳をして実際の行動に移さない人が99%。それを実践できない人が成長をすることは絶対にありえません

では、なぜ行動できないのかというと、多くの人は失敗が怖いんだと思います。特にSNSはダイレクトに反応が返ってきますから、再生回数や「いいね」の数が、そのままテストの点数のように感じられるんですよね。だれもが良い点を取りたい、それは、当然のことです。

ですが、「伸びなくて当たり前」なんです。いいコンセプト、企画がまとまっても、伸びないコンテンツは当然にあります。「こういうのが刺さるだろう」と思ってコンテンツをつくっても、全然ハマらないことはありますし、逆に「これはハマらないだろうな」と思ったものが伸びたりもします。

自分の期待する結果を出せなかったときに、「自分には向いていない」と諦めたり、そのスピードゆるめてしまったりする人もいますが、それはやめてください。なによりも大切なことは量。どんどんコンテンツを配信していってくださいね。

ただ、やみくもに量を出すのではなくて、ABテストを忘れないでください。ファンにとって、コンテンツAとBではどちらが反応がいいのかは、配信しないとわかりませんから。両方を配信してみて、反響のよかった方を次回以降の企画に反映していくということを習慣化していけば、ファンが求めているものからズレることなく、常にアップデートしながら配信を続けることができます

1日でファンがいきなり100万人になるわけがない。これを念頭において、コツコツと続けていくしかありません。



5-2.マスでのスターよりもコミュニティの人気者の時代

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従来のファンとスターの関係は、ファンが一方的にスターのことをよく知っているという構図でしたが、これからの「ファンコミュニティ」では、スターの方もファンのこともよく知っているという新しい構図が主流になります

昔は、インターネットやSNSなんてものはありませんから、メディアが一方的に情報を送るしかなく、ファンは情報を受け取る側でしかいられませんでした。ファン同士がつながって議論を起こすという状況も成立しません。そんな中で、スターのブランドを高めようと、情報を小出しにしたり、むしろ出さなかったりしたものです。たとえば、銀幕のスターがプライベートを一切見せなかったのはその例ですね。

ですが、今の時代に、そういうスター求められているかというと、そうではありません。子どものころから当たり前にデジタルに触れているZ世代にとっては、神聖化されて素性のわからないスターよりも、自分が属しているコミュニティで偶像化されている人気者の価値の方が高いと考えるからです。

これからは、偶像性やスター性があって、マスに対して発信している人が強いというわけではなく、より双方向のコミュニケーションがとれる「ファンコミュニティ」を形成できる人が勝つ時代です。影響力が下がっているテレビなどのマスメディアを利用する人より、「ファンコミュニティ」を形成できている人のほうが強い。例えば、西野亮廣さん、ホリエモンさん、ゆうこすさんも、みんなそうです。



5-3.「ファンコミュニティ・ビジネス」の将来

「ファンコミュニティ」の個人経済圏はこれからもどんどん拡大していきます。これからの時代はマスよりも確実に「ファンコミュニティ」。すでにその時代に突入していると思います。

従来のファンクラブのように、定期的に会報が送られてきたり、優先チケットが入手できたりするだけのような、一方通行のコミュニケーションではなく、ファンの声がインフルエンサーに直接届き、インフルエンサーの生の声がファンに届く、双方向のコミュニケーションが図れる熱狂的なコミュニティであれば、ファンは確実に増えていきます

これからさらに、「ファンコミュニティ」というワードはトレンドになっていきますし、「ファンコミュニティ」を前提にしたビジネスモデルは増えるでしょう。最近では、簡単にネットショップが開設できる「BASE」の株価が伸びています。アンテナの高いインフルエンサーたちが次々とネットショップを開設し、オリジナルグッズを販売するなど、独自の経済圏でのマネタイズをはかりはじめました。コロナの影響もあり、ビジネスの形が強制的にシフトされ、ニーズも急速に増えています。



5-4.新たな時代のビジネスモデルとしての「ファンコミュニティ」

ただ、気になっているのが、インフルエンサーの中にも、そうした時代の変化に気づいていない人たちが多いことです。「ファンコミュニティ」をつくれば、安定してマネタイズができる自分だけの経済圏をつくることができるのに、表面的な関わりのフォロワー(ギャラリー)の数だけを追いかけてしまうんです。

いま、インフルエンサーとしてマネタイズに成功をしている人たちは、みんな、フォロワーを「ファン」に引き込むコンテンツづくりやコミュニケーションのとり方に非常に長けています。

繰り返しますが、かつてのスターのやり方は、SNSの普及によってもう難しいと思います。従来はスターに企業のスポンサーがついて、広告関係でマネタイズするというBtoB(企業体企業)でのビジネスモデルが一般的でしたが、これからの「ファンコミュニティ」はBtoBではなくCtoC(個人対個人)。スポンサーを介さずに直接、ファンからマネタイズするモデルです。

その現象はすでに起こり始めていて、ある男性アイドルグループの売上高は年間10億円にのぼるそうです。また、一般的には知られていないような地下アイドルでも、売上高が6億円を超えるケースがあると聞きました。どちらも、広告関係の露出はありません。toCの「ファンコミュニティ」のモデルでこれだけ売れるという事実が、広告に依存したビジネスモデルにこだわる必要がもうないということを証明してくれました。

また、スポンサーからではなく、ファンから直接マネタイズできる何よりのメリットは縛りがないことです。従来のモデルでは、スターのお給料の出所は、スポンサーの広告費なので、スポンサーの要望によって商品開発にも制限が出ることが多くありました。テレビに出るタレントが、視聴者ではなくスポンサーの受けを意識して、発言に制限をかけるのと同じです。

ですが、ファンから直接マネタイズできる仕組みがあれば、ファンが期待してくれているものを、制限なく自由にリリースできます。それにより、ファンの熱狂もより高まっていくことでしょう。

こうしたビジネスモデルへの変化を、ぼくも肌で感じています。今がまさに転換のとき。だから「ファンコミュニティ」の重要性を、いち早くお伝えしないといけないと思い、このnoteを作成しました。


6.おわりに

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ぼくがホスト業界の第一線を退いて、LCを立ち上げたのは、閉ざされたホスト業界に課題を感じたことがきっかけでした。どれだけ高いコミュニケーションスキルやコミュニティ形成スキルがあっても、それを生かせる場所がホストクラブしかなかったんです。そのため、将来に不安を抱えたり、新しいトライができなかったりする人が多く、可能性を持った人がたくさんいるにも関わらず、挑戦できずくすぶっている人が多いのです。彼らが世に認められ活躍できる環境を他の業界でも作り業界にイノベーションを起こす為にも事業展開をしています。

「ファンコミュニティ」というビジネスモデルは、個人やインフルエンサービジネスに限らす、大企業でも再現可能です。すでに、若年層へのアプローチのためにTikTokに参入している企業も見受けられますが、多くが企画づくりに失敗してうまく伸ばすことができず苦戦しています。

今後は、ぼくの「ファンコミュニティ論」を使って、企業のみなさまのTikTokアカウントの運用プロデュースや、「ファンコミュニティ」づくりのお手伝いもしていきたいと考えています。

「ファンコミュニティ」は、大きな可能性を秘めたビジネスモデルです。インフルエンサーや企業のみなさまに、ぼくの理論を活用いただきながら、「ファンコミュニティといえばLCだよね」と言っていただける企業を目指して、さらに突き進んで参ります。

最後に、もしこのnoteを少しでも「面白い」「役に立った」と感じていただけたら、SNSでシェアしていただけるととても嬉しいです。この note をきっかけに、新しいご縁が広がっていくことも願っております。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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