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PIERROTを聴かないと人生損してるって話

PIERROTというバンドをご存知だろうか?

1990年台~2000年代初頭に活動していた伝説のヴィジュアル系バンドで、何度か単発で復活はした事はあるものの、定期的な活動は凍結している。

この度7年ぶりの復活で、当時のライバルDIR EN GREYと2024年10月に代々木体育館で対バンという名の戦争を起こす。


配信サイトでは聴くことができない? 伝説のバンド

彼らが活躍していた90年代はCD全盛期で、サブスクなんてものはもちろんなく、音楽配信がされていない。

だから、聴きたかったらCDを買うしかないのだ。

Amazonではアルバム1枚40,000円するものもあったり、価格が高騰している。しかし、聴きたければフィジカルなCDを購入するしかない。

10月の戦争に備えて、友人と二人でCDを地道に買い集めた私。

ついに、全てのアルバムと半分以上のシングルを集めることに成功した!

ドラゴンボールだったら神龍が現れて願いを叶えてくれるかもしれない。

オラにピエロの曲を聞かせてくれ!

そんな私の目の前に現れたのは神龍ではなく、X(Twitter)のとあるポストだった。

・・・

!?


なんだって!?

全作26作、サブスク解禁!!!

どうせならもう少し早く解禁して欲しかった。。。

目の前に積みあがる大量のCD。
i-tunesに取り込んだらあとはCDラックで眠りにつくアナタ。

友人と半分ずつ揃えたのに・・・

嬉しいやら、悔しいやら。


地球のみんな、オラに元気を分けてくれ。


そんな話は置いておいて、最近はずっとピエロを聴き直している。
今でも時折聴いてはいたものの今回しっかり聴き込んでみて、改めて実感した。

PIERROT、かっこよすぎるッ!!!!

独特すぎる世界観、複雑な楽器のアンサンブル。
それでいて根底にあるのは骨太なギターロック。その音の洪水に飲み込まれそうになる。

ヴィジュアル系の醍醐味ともいえる”切なさ”・”激しさ”・”不気味さ”を兼ね備えた、唯一無二の楽曲たち

中高生の頃は毎日のように聴いていたのに、ここまで凄いバンドだとは気づいていなかったかもしれない。

PIERROTの一番の魅力はその楽曲のクオリティの高さといっても過言ではないが、彼らの楽曲は極めて特殊。

シンセギターを効果的に使用し、時に不協和音を織り交ぜて転調もよく使われている。さらにドラムのリズムは王道の8ビートはほとんどなく、変拍子の楽曲も多い。

一般的な音楽セオリーから逸脱した独自の音楽性は間違いなく唯一無二だ。

パッと聴きは奇妙なギターと複雑なドラムのリズムが目立つが、その中で実はベースもかなり個性的で、グイグイ前面に出てくる攻撃的なベースラインが特徴的。
この特殊な要素ばかりの不思議な楽曲が音楽的にバラバラにならないのは、個人的にはこのベースの働きが大きいと感じている。
周りの複雑な音の要素を接着剤のようにくっつけて、曲として成り立たせているのはKohtaのベースラインだと思う。

各メンバーの演奏力が高く、複雑なのに統一感のある不思議な楽曲はどれも非常に神がかったバランスで成り立っている。


元祖・中二病!イキ過ぎている歌詞の世界観

Vocalキリトの綴る歌詞の世界観も特徴的で、アルバム全体でストーリーが構築されていたり、また複数のアルバムが続編のようにコンセプトで繋がっていたりする。

例えば現世=地獄をテーマとした2ndアルバムの『Private Enemy』で1曲目に登場する赤子は、この世界に産まれた事自体が不幸として、絶望の中生まれたこと自体を呪いながら幕を開ける。

続く2曲目『Creature』、3曲目『ENEMY』ではその赤子が成長し怪物になり、人類の敵として傷つきながら生きていく様が描かれている。
明確にそう説明されているわけではないが、そのストーリーが最後の曲『THE LAST CRY IN HADES (NOT GUILTY)』まで続いているように感じられるのだ。

さらには、実はその赤子は前作のアルバム『FINALE』の最終曲『Newborn Baby』の中で産まれた怪物で、それが以降の『Private Enemy』の世界に続く複線になっていると言われている。


他にもデビューシングルのタイトルは『クリアスカイ』、2ndシングルは『MAD SKY』と繋がりを感じさせ、
続く3rdシングルは『ハルカ・・・』と『カナタへ・・・』。

7thシングルも『神経がワレル暑い夜』、そのカップリングは『神経がワレタ寒い夜』というタイトルで、こうした複数の曲をリンクさせることが非常に多いのが特徴的だ。

4thシングルには小説を別冊子で付けるなどこだわりが強すぎる。

歌詞の世界観は極めて文学的でいながら時に近未来的で”遺伝子”や”薬物”について歌う曲が多く、理系のイメージも強い。

活動時は中二病という言葉はなかったが、当時から独特の精神世界をどっぷりと表現していた、元祖・中二病の神といって過言ではないと思う。

これだけ複雑な要素が詰め込まれてると統一感を維持するのは難しいはずだが、これぞPIERROT独自の世界。


長くなってしまったが、少しはPIERROTの魅力をお伝えできただろうか?

今まで簡単に耳にすることができなかった、いにしえのカリスマバンド。
今回のサブスク解禁で気軽に聴けるようになったというのは人類にとって幸運でしかない。

せっかく訪れたPIERROTブーム、V系に抵抗のない人は一緒に楽しんでみませんか?
手始めにはセルフカヴァー・ベストの「DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-」あたりがおススメです。



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