配信終了3ヵ月前にあすかなに出会った話

なにわ男子のデビューを聞いて、そういえばあの件はどうなったのだろう、と思ったのがはじまりだった。

あすかな

バーチャルジャニーズのプロジェクトが始まった時、一介のデビュー組オタクだった私の元には、そんな話がなんとなく届いたような届かなかったような。バーチャル?なんだそれ?とか思ったんじゃないかな。それやって何の得があんの?と。

それからまあしばらくして、私はジャニーズJr.のオタクになり、なにわ男子のデビューを知った。ふと、なにわデビューするならあれはどうなるんだろう、と思った。ただの純粋な興味だった。こんなことになるならあの時調べたりなんてしなければ良かっただろうか。こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった。そしてあすかなの四季を彩りたい。飛鳥ちゃんの頭を飾る花冠になれたら大出世だね。


検索して、ああ、あすかなまだやってるんだ。ちょっと動画とか見てみようか。

と、初めて観た動画はこれ。

🕊「あ、アップしすぎちゃった…/// ふふっ、ごめんね、」

画像1


………好きだが。

俺がお前を守るが。



こうしてオタクは海堂飛鳥のオタクになった。



それまでなにわ男子のことは各種円盤やらコスプレ学園やらYouTubeやらで見ていたが、丈くんと大橋くんに対して抱いていた印象はおよそ以下の通りだった。

藤原丈一郎くん→常に話のオチを考えてそうで疲れそう。私がメンバーだったらボケを返せなくて怒られそう。

大橋和也くん→ちんまりしてて優しい人。今野大輝の白い肌を褒めてくれてありがとう。

丈橋→なんかそういうのがあるみたいね。

まあ、特に2人に注目して見たことはなかった。なにわだと高橋恭平くんを見ていることが多かった。どうせこういう子がタイプなんです。メンカラ紫だし。



だから動画を見て大きな衝撃を受けた。

えー、丈一郎じゃないじゃん!

そこには海堂飛鳥くん、高校1年生の初々しいアイドルがそこにいて、ファンの為に一生懸命配信をしていた。

苺ちゃんも苺ちゃんですごかった。中身の人格に限りなく漸近しつつも苺ちゃんは苺ちゃんであるところがすごかった。どこまで作り物でどこまで本物なのか。どうしてこの子は学校のこととかバイト先のこととかを心底楽しそうに、全部この世界で起こったことみたいに話せるのだろう、と本当に不思議な気持ちで見た。


バーチャルの世界から離れて、彼らを「丈橋の仕事」として考えた時にも、これをもう2年半もやっているのかと、何というか尊敬の念を抱くまであった。自分の顔ではない、自分の声でもない、年齢も何もかも違う、でも本当によく似ている他の誰かになりきり、何千人が見ている中で会話をし、コメントに応え、笑ってみせ、驚いてみせ…。

そんなこと、みんなは急に言われて出来る?明日から君たちバーチャルジャニーズだから!とか言われてもさあ、泣いちゃうよね。

きっと事務所とSRが求めている(た?)ものがあって、2人はそれをひたすら打ち返していたのだと知った。最初は何もかも分からず手探りで。だんだんと自分たちの血肉になって。

この2年半。

そのひたむきさ、一生懸命さに心底感動してしまった。


もともとアイドルマスターからアイドルの沼にハマったオタクだった。感覚を思い出せば、バーチャルジャニーズにのめり込むのは早かった。


苺ちゃんの元気いっぱいで、常にピメを気遣い優しくて、若干適当で、イヤイヤ天邪鬼で、いつも心から楽しそうな配信が大好きだった。

飛鳥のチャーミングで、顔の良さで多くのことをカバーしていて、いつもぷりぷり怒っていて、でも姫にはちゃんとアイドルしていて、やっぱり心から楽しそうな配信が大好きだった。


あすかなまとめを見て、あすかなトークを見て、ツイッターをフォローして、SHOWROOMをダウンロードして、コメントを一生懸命打ち込んだ。姫ピメと呼ばれて、自分は姫なのだという自覚をしっかり持った。

姫、ピメ、痺愛、3通りで呼ばれるともうむず痒さとかはなくなります。


初めて飛鳥にコメントを拾ってもらった時のこと忘れられないな。

名前を呼ばれたいとか、こっちを見てほしいという気持ちはもちろんあったけど、それよりあすかなのルームを盛り上げたい、あすかなに喜んでほしいという気持ちの方が大きかった。


ここまでで約2週間。曲は聴いていなかった。だってあすかなのお喋りが好きなだけだし。何かこれ以上深みにハマってもイヤじゃん。

そんなタイミングで「夏休み終わっちゃうねラジオ」が来た。ラジオ形式だと2人のお喋り聞けて楽しいね、なんて思っていた矢先、ドドドド名曲、「プリンとクリームシチュー」を聴いてしまった。

あーあ。もう戻れないと思った。こんな曲を聴いてしまったら。聴いているうちに涙が溢れて思わず拭った。苺ちゃんの「愛してるよ」が、私が聴いたことのある大橋くんの声ではなくて、苺ちゃんの声だった。歌が大好きなあすかなちゃんが天から授けられた声と日々の努力を重ねて作った宝物。なんて優しい歌なんだろう。


ここで私はとうとうあすかなに征服されてしまったのだった。


ところでお知らせラジオ内で、プリクリとLv.1のMV公開に関して飛鳥と苺ちゃんはちょっと言葉を選んでいるようだったけど本当に公開されるんでしょうか。こんなことまで疑ってしまってごめんね。でも大切な曲だから、MVも素敵なものになるといいな。


あすかなちゃんのラジオで「重要で大切なお知らせ」がされると知ったあの日、もう何にも手に付かなくなってしまった。きっとあすかなを興味本位で覗いたあの日、「どう着地するんだろう?」という疑問は胸の内に確かにあったのだ。でも今はもうそんなこと考えられなかった。


配信終了を姫ピメたちに伝える時の緊張した飛鳥の声、姫ピメを安心させるように、やたら大きな声でうんうんと相槌を打っていた苺ちゃんの声。あすかなの2人は配信がどれだけ大切な時間だったかわかってくれているんだよね。


泣きました。物分かりが悪いので。


出会うのが遅かったな、もっと早く出会いたかったよ。きっとそれは無理だったんだろう。3ヶ月後にいなくなってしまうなんて知っていたら、君たちのこと知らんぷりして生きていたのにな。


これから先あすかな家の献立を誰が教えてくれるのでしょうか。


寂しいな、寂しいね。


ファンと触れ合う機会が激減しても、あすかなにとってアイドル活動は楽しいかな。私たちはそうであるように祈ることしか出来ないけど。


あすかなハウスに苺ちゃんと飛鳥ふたり、いつかそこから飛び出して、宇宙一のアイドルになってね。でも時々はふたりの家に帰って、そこから姫ピメたちに向けて配信をしてくれたら、これほど幸せなことはないでしょう。

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