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【弁護士が解説!】商標権のビジネスへの活用

商標権は他の知的財産と異なり、更新を続ければ半永久的に権利として保持できます。そのため、財産としてビジネスへの活用が重要なものになってきます。

商標権について①商標登録段階②商品役務の提供段階③商標が認知され商標自体に価値がある段階、の3つに分けて活用方法を考えてみましょう。


1 商標登録の段階(商品役務のブラッシュアップ)


商標を登録する過程では、登録したい商標が商品のコンセプトを表すためのマークとしてふさわしいものであるのか、その商品の特徴や他者との違いを表すことができるのか、仮に違いが小さいのであれば商品の変更が必要なのではないか、良い語感であるかなど、さまざまなコンセプトや戦略を考えます。
商標が取得できるのは、申請から通常1年程度かかるので、そう簡単に商標を変更することはできません。そのため、商標申請の過程の中で、商品のコンセプトなどを深くじっくり考える機会になり商品・役務のブラッシュアップに活用できます。

2 商品役務の提供段階(ブランド化)


商品の提供段階は、皆様もイメージしやすいかと思います。
いざ商品化して、商品として流通する場合、登録商標はその商品の顔になります。この顔があることによって、他の商品と識別できるようになり、ブランドとして定着していくこととなります。
現実としては商品自体を法律上保護するのは難しいことが多いため、商標を使用することは、結果的に商品を保護することに繋がります。
また、ブランド化できた場合、他の人がその商標を使えないことから、商品役務が一定程度のクオリティを持つことを示すことができることから、安定的な販売ができるようになります。
例えば、腕時計に「G-SHOCK」と標記があれば、誰しもが衝撃に強い時計であると思いますし、購入する人も衝撃に強い時計がほしい場合、「G-SHOCK」とついていれば信用して購入するわけです。これが仮に「G-SHOCK」という商標登録されておらず、他の腕時計会社が衝撃に弱い「G-SHOCK」を販売した場合には、「G-SHOCK」が衝撃に強い時計というイメージは付けられず、単なる腕時計の一つになってしまうのです。衝撃に強い腕時計であることを毎回購入者に理解してもらう必要があり、安定的な販売ができなくなってしまいます。

3 商標が認知され商標自体に価値がある段階


 この段階では、いわゆるライセンスと呼ばれる、商品・役務ではなく、登録商標をつける権利に価値がある段階です。
 先ほど述べたように、ブランド化した商品・役務は一定程度の品質が保証されますので、商標を使うだけで、差別化された商品になりますので、他社はその商標を使うために、ライセンス契約の希望する可能性があります。
 ライセンス料の設定と登録商標の使用範囲を絞ることにより、継続的な売上につながります。
 商品を販売するために付けた商標が、自社の商品とは別に売上となるため、ビジネス上のリスクは低いものとなります。経営学上の「金のなる木」と呼ばれるものです。

4 まとめ


 前回までに、商標とはどんなものなのか、どこまでの範囲で認められるのか、また、どんな場合に侵害するのか解説しました。

 今回ご説明したのは、法律上商標は、基本的には自分の商品などを守るためのものでありますが、ビジネスの場面では、商品作成のために商標を登録する過程で活用ができたり、「知的財産」としてブランドとして確立された後も活用できるものということです。
 商標は商品・役務を守るためだけでなく、活用の方法で売上に直結するものになりますので、ぜひ商標登録を検討してみてはいかがでしょうか。

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