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Sランクの労働者になりたくて!

はじめまして。ローローと申します。
建設会社勤務です。

突然ですが、会社には役職があります。
一般的には下記のような構成です。

となっています。
一方、建設現場では次のようになっています。

ちなみに私の現場の組織図はこんな感じ。

現場の規模としてはやや大きめだけど大現場まではいかないくらい。

先日始まったばかりの現場に配属になり、アスファルトを斫(はつ)っているときに主任にこんなことを言われました。

ーーうちの現場の工事長、東京から来たSランクらしいで

なんかすごそう

おったまげました。
Sランクの人材などなろう系小説以外で見るのは初めてです。
現実世界でのSランクは車か牛肉のみだと思っていた私は、喜び勇んで先輩に話したところこんな返答がありました。

ーーああ、私もSランクだよ

もう主任では??

調べたところ、弊社では主任までは年齢で決まり、それ以上の昇進については人事考課によるランクが影響するようです。

評価としてSABCが用いられるのは一般的だと思われます。
しかし、その評価が(あくまで非公式ですが)肩書きになるのは建設業だけではないでしょうか。
気になった私は他の業種のランクについても聞いてみました。

1.医者

高校からの付き合いで、晴れて医者になったものの研修のため人口300人の離島勤務になり、毎日を退屈にエンジョイしている友人に尋ねてみました。

ーーSランクの医者!?さすがにいないな~Sランク外科医とかいたら面白そうだけどね笑
ただ、医者じゃなくて病院ならSABCで区分されてる制度はあるよ

公益財団法人の日本医療機能評価機構による病院機能評価という評価があります。国民が安全で安心な医療が受けられるよう、病院組織全体の運営管理および提供される医療について評価を行っているそうです。
病院の用途ごとに分類され、4つの評価対象領域がS,A,B,Cでランク付されています。

引用:公益財団法人 日本医療機能評価機構 病院機能評価事業
https://www.jq-hyouka.jcqhc.or.jp/accreditation/hospital_type/

また、厚生労働省による救命救急センターの充実段階評価という評価もあります。こちらは各救命救急センターからの診療体制や患者受入実績等に関する報告に基づき、「評価項目」と「是正を要する項目」に区分して点数化し、「評価項目」と「是正を要する項目」の合計点数を基に、各施設の充実段階をS,A,B,Cでランク付されています。

注目すべきはその数でしょう。
2023年度の内訳は、病院機能評価は対象となった383病院のうち、251病院に684項目のS評価がありました。
また、充実段階評価は、対象となった304病院のうち、S評価が97ヶ所、A評価が201ヶ所、B評価が6ヶ所、C評価が0ヶ所という結果でした。
優良の評価が大多数を占めるのは、人命に関わる施設であるため、優れた機能を有していなければならないということなのでしょう。

2.モデル

先日に行われた祖父の三回忌で、無職になったけど副業でモデルをやってるから生活できていることを突然話してきた従姉に尋ねてみました。

ーースーパーモデルさんならおるで〜今の日本やと冨永愛さんとかやな

調べたところ、スーパーモデルは用語として存在し、Wikipediaに項目もありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB

Wikipediaによると、「スーパーモデル(Supermodel)とは、ファッションモデルの中でも特に有名で、世界的な知名度と破格のギャランティーを誇るモデルを指す言葉。「スーパーモデル」という言葉は1990年代に広く知られるようになり、数百万ドルの報酬と引き換えに有名高級ブランドのオートクチュールや、商業広告に登場することが多い。」
すなわち、スーパーモデルとは特別な存在である称号であり、ランク付されているものではなく、Aランクモデルといったような呼び方も無いそうです。

3.教授

大学を中退して流れ着き研究も就活もしないロクデナシの自分を、2人だけの研究室で面倒を見てくれた大学院時代の先輩が高専の教授になっていたので尋ねてみました。

ーーSランクの教授はいないね笑 
でも科研費っていう制度があって、ABCのランクで評価されるんだけど、その上に"隠されたSランク"がいるよ

科研費とは、独立行政法人日本学術振興会によって行われる事業であり、正式名称は科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)。

公式サイトによると、「人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究資金」であり、ピアレビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものです。」
要するに研究に対する補助金のことです。
補助金を出すに値するかの審査があり、その評価は以下のようになっています。

1段階目
(1)研究課題の学術的重要性・妥当性
(2)研究目的、研究方法の妥当性
(3)研究遂行能力及び研究環境の適切性
(4)研究課題の波及効果
これらについて1~4で評価する。

2段階目
1段階目で評価の高かったものを精査し、A~Dランクで評価する。

これはあくまで非公式の話ですが、このAランクの中の最上位はSランクと呼ばれており、学生や指導教員の中ではSランクを目指して頑張ろう!といった会話が普通に行われているそうです。
本来なら最上位のAランクの中で、一握りの実力者のみが”隠されたSランク”と呼ばれる、といった何とも中二心をくすぐられる要素が存在するのが学者界隈というのもなんともおもしろいですね。


みなさんの職種にはSランクの労働者はいらっしゃいますか?
建設業でもランクがあるのは弊社だけかもしれません。
もしSランカーの方がいたら、ぜひ教えてください。

ここまで調べてこのような考えが浮かびました。
「Sランク所長は存在するのか?」
所長とは現場代理人のことです。
では誰の代理なのか、というと会社のトップ、すなわち社長です。
現場とは一つの独立した会社のようなものであり、所長はその全てに権限を持つ社長のような存在です。
気になった私は自分の現場の所長にSランク所長がいるのかを尋ねてみました。

ーーああ、おるで

やはり、Sランク所長は存在しました。
そもそも所長になること自体が難しく、それこそSランク工事長が辿り着く境地です。
その中でのSランク所長とはまさにトップの中のトップといえーー

ーーあんな手紙が残ってなあ、ようせんで俺は笑

え?手紙?
Sランクになるときに社長から手紙が届くシステムなのでしょうか?
それにしてもなにやら小馬鹿にした様子。
一体どういうことなのですか?

ーーSになった所長やろ?若い子にあんな手紙送って、晒しもんになるに決まっとるわな笑

やめよう!

セクシャル・ハラスメントーー

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