見出し画像

休職中の同僚が残したもの。

今の会社に来て1年半、同じ時期に入社した人が忽然と会社から消えた。

休職というやつらしい。

僕はその同僚の後釜を担うべく、資料を集め、どんな仕事をする必要があり、今までどのような仕様で製品が作られていたのかを集めた。

そのプロジェクトに入って知ったが、彼女はたった一人で、仕事をこなして、誰の助けを求めることなく、仕事を淡々とこなしていたと聞いた。
今は同じ仕事を3人で手分けして行っているが、当時はたった一人で、そのプロジェクトを彼女は回していたそうだ。

残された資料をみて、驚いた。
プロジェクトで共有されている仕様はほとんど何も重要な情報や仕様が読み取れなかったが、彼女が残した数点の仕様に関する事細かなメモや注意点が僕を助けてくれた。

資料を見て、とてもじゃないけど、その激務の最中残したものとは思えない出来栄えで、後任が見て、何をすれば良いのかすぐにわかるような資料づくりだった。


そんな彼女にメールを打つことにした。
もちろん、お礼のメールを。


送って忘れかけた頃、彼女から返信があった。
実は資料はアレでは全然足りないと、申し訳ないと返信が帰って来たのを見て、少し悲しくなった。

激務の最中、自分が壊れようとも仕事を完遂するために、最後まで戦い抜いてしまった彼女を誰が評価してくれるのだろうと。

僕は単純に彼女が報われることを願いたい。
僕からはねぎらいの言葉一つしかあげられないけれど、いつか、元気になったころにきちんと感謝を伝えたい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?