1年次の決定打

東大前期教養の履修戦略【ことはじめ】ビュッフェを召し上がれ。

※最終更新2022年度追記 昨年度までの情報を参考にしているため、変更の可能性がある。詳細および正確な情報に関しては公式の文書を参照されたい。というのも私が駒場を離れて長くなるので.......

東大前期教養は東大生活で最初のビュッフェ。思い思いの授業(料理)を取ってくるために、まず知っておいてほしいこと。

どうもこんにちは、ラワイル(Twitter:@La_Wile_ 文Ⅰ→医学部医学科新4年)です。1年生のときは右も左もわからず、履修組みも苦悩の結果なんとか納得のいくものにしたという経緯があり、履修に関するミニマムな情報を提供しようと思っていました。そこで、オリ合宿が中止になった2020年度にこの記事の初版を書き、多くの新入生が見てくださいました。今年の新入生の皆さんも、この記事と、近日公開されるはずのシラバスを読んで、履修戦略のロケットスタートを決めてしまいましょう!というわけで、今回はいわば門前編です。

※この記事の使用で万が一不都合や損害が生じても、ラワイルは責任を負いかねます。学生は履修の手引きならびに教務課への相談等、最新の公式情報を使用するのが基本となります。

1 タームとセメスターって?

東大の1年間は以下のように循環します。
Sセメスター(4~7月)→夏休み(8・9月)→Aセメスター(9月末~1月)→春休み(2・3月)
Sセメスターをさらに2つに分けたうち、前半がS1ターム、後半がS2タームです。Aセメスターについても同様です。「ターム」よりも文字数の多い「セメスター」のほうが長い、と覚えましょう。
東大前期でとる授業の8~9割がセメスター科目です。したがって、思考のベースはセメスターを基準にするとよいです。
1年のSセメスターを1S、2年のS1タームを2S1、2年のAセメスターを2Aなどと表記します。

2 いつ・どこで・どれほど授業を受けるの?

東大・駒場キャンパスで、2年間前期教養の授業を受けます。2Aセメスターは前期教養所属であり、前期教養の授業を取ることは可能ではあるものの、夏休みに内定した学部学科の授業をメインで受けることになります。したがって、前期課程修了のために必要な文科56単位・理科63単位は、遅くとも2Sセメスターまでに取り切ることをお勧めします。(単位数については別の記事で解説予定です。余裕でとりきれる量だとは言っておきます。)
なお、3年以降の学部学生は本郷に行くことが多く、駒場に残るのは後期教養と理学部数学科の学生です。2Aセメスターについては学部学科によって駒場か、本郷か、曜日により変化するかが異なります。
また、周りの学生を見ていると、とりあえず1Aまでに必要単位を取り切って、2Sをスカスカにすることを目指す学生がわりと多いようです。前期修了に必要な単位について、文科生ではすべてを1Aまでに、理科生では大部分を1Aまで、残る少しを2S1までに取り切ることが可能になっています。

3 授業の区分について

食事に主食・主菜・副菜・牛乳&乳製品とデザートがあるように、前期教養の授業にも区分があります。公式では基礎科目・展開科目・総合科目・主題科目と並べるのが一般的ですが、ここでは実態に合わせて、基礎・総合・主題・展開の順に説明します。

⑴ 基礎科目:主食(ごはん・パンなど)と主菜(肉・魚など)

基礎科目は主食と主菜です。主食は文理おおむね共通、主菜は文理別です。文理共通の基礎科目(主食)は一般的に、既習外国語(多く英語)、初習外国語(多く第二外国語、略して二外)、情報、身体運動・健康科学実習(俗称:スポ身)、初年次ゼミナール(理科のほうが文科よりも軽い)で構成されます。

文科生の基礎科目(主菜)は社会科学と人文科学で、履修要件と必要単位数が決まっているなかで科目を選択して履修します。文科で俗に準必修と呼ばれます。ちなみにこの科目を理科生は履修できないので理科生がどうしても聴きたければモグリです。

理科生の基礎科目(主菜)は自然科学で、科類ごとに決められた科目を履修します。教官もクラス指定で割り振られ、選択の余地はありません。余談ですがこの科目を文科生は手続きを踏めばおよそ総合科目の扱いで履修でき、教官も選べます。

⑵ 総合科目:副菜(野菜など)

リベラルアーツっぽさの典型。時間割の個性に一番寄与するのはこいつのことが多いです。「国際関係論」「ジェンダー論」「基礎統計」など多岐にわたる科目を、文理幅広く、好きなものを選んで履修します。それにしては、総合科目に充当されている必要単位数は基礎科目のそれに比べて少ないのですが。楽しみにしていてください。

⑶ 主題科目:牛乳&乳製品とデザート

もっとも科目名の自由度が高い。総合科目よりもさらに具体的またはプログレッシブな主題を伴って開講されます。私は「伊豆に学ぶ(伊豆ゼミ)」と「ボーカロイド音楽論(東大ぱてゼミ)」を1年次で履修しました。必要単位数は2単位(1科目)。でも面白いからもっと取ってもいいのよ。

あっさりしたフルーツミックスを食べる人もいれば、がっつりタワーのようなケーキを食べたい人もいるでしょう。面白い科目、脳汁が出る科目、楽な科目、大鬼ゼミなどバラエティに富んでいるので、いろいろ探してみてください。

⑷ 展開科目

一切取らずとも前期修了でき、公式としても太字で、1講義も履修できないかもよ!と言い出すやつ。私はまだとったことがなく、実際1単位も取らない人は少なくない気がします。1Aから履修でき、主題科目と似たような雰囲気という感じがします。もっとも、おそらく少人数で主体的・双方向的な学習ができると思われるので、楽しそうだとは思いますね。余裕があれば面白そうなのがあるかチェックしてみましょう。

⑸ 【意欲ある方向け】展開科目の位置づけについて

では、なぜ展開科目が公式では基礎科目の次に表示されるのか?それは、基礎科目をベースにより主体的でインタラクティブな学習をしよう!というのが展開科目の趣旨だからです。実際、基礎科目の大教室で講義していたアノ教官が展開科目を開いている!?というケースが起こります。展開科目は基礎科目と同様に人文科学・社会科学・自然科学のゼミナールに分かれています。趣旨から考えると、展開科目は基礎科目の次に位置づける必然性があるということですね。ですが新入生の皆さんは、いったん展開科目は脇において履修を組みましょう。取れるのも1Aからですからね。ただでさえ情報量が多い『履修の手引き』に加えてサークル・自主ゼミ・新居・バイトなど考えることが多いので、いったん情報量はミニマムにしておくのが良いです。

それでは皆さん、良い履修戦略を!

次回【第2回】:時間割を組む前に。

次回は、いよいよオリジナルの時間割を組む、その前にやっておきたいことについて語ります。

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