夢の終わり
ユメノグラフィアがサ終!?
とても悲しい、行ったことないけど
ツイートで書くと死ぬほど長くなるのでこちらに投げますひぁうぃごー
1.ユメノグラフィアってなんやねん
らしい。
要するに”バーチャルキャバクラ”では?と思ったのでどうなるのかを密かに楽しみにしていたのだが、あえなくサービス終了を迎えてしまった。
ビジネスモデルとしての”バーチャルキャバクラ”が成功するか否かにはとても興味があったというわけ。
しかし、残念ながら成功には至らなかったようなのでその原因をうだうだ考えます。にじさんじのANYCOLORのビジネスだったの今知りましたうわ~お
2.”リアル”キャバクラとの比較
ざっくりとは上のツイートのようなところのような気がするが、もう少し掘り下げて考えてみたい。
具体的には”キャバのビジネスモデル”が当てはまらない理由や、
”バーチャルはやっぱりリアルに勝てない”のはなぜか
ターゲットと実際の購入層の分析、など。
ちなみに筆者はリアルもバーチャルもキャバクラにいったことがないので、机上の空論でありこれは何の役にも立たない。
①キャバのビジネスモデル?
したがって、接待やサービスに対する料金、チャージなどで収益を上げる...…というのがビジネスモデルの基礎であると考えられる。
これに加え、指名料という概念がキャバクラのシステムを特徴的にしている。人気のキャストは指名が難しく、料金も高額になる...…というものである。
この文によく表されているように、キャストにモテたいという欲求、キャストに褒められたいという自尊心、”こんなにお金を使える”という虚栄心を刺激することでゲストの消費を誘発するというものである。また、キャスト側に成果主義が導入されているのも特徴である。指名数やドリンクサービスをどれだけ誘発できたか、という成果によりキャストの報酬が変動する。
対してユメノグラフィアはサイトを見る限り、料金は30分4400円でキャストによらず統一、オプションはアバター程度で極端に高額になることもないことが推測される。
料金システム・報酬システムの側面から検討を行う。
一番の差は”競争原理の有無”であると推測される。
リアルのキャバクラにせよユメノグラフィアにせよ、”接待サービス”というビジネスモデルは共通している。しかし、キャバクラにはゲスト・キャスト両者の競争心理を強烈に刺激するシステムが組み込まれている。
商品差別化戦略として以下のVRIOフレームワークというものが存在する
・Valuable (価値がある)
・Rare (希少である)
・costly to Imitate (模倣コストが高い)
・Organized (組織力)
キャバクラでは、キャスト自身がこれのうちVRIをゲストに対して証明し、成果を向上することが要求される。これには、容姿、コミュニケーション能力、LINE等のPR戦略が含まれると考えられる。また、キャスト間の競争がゲスト間の競争を誘発することで店舗の収益も向上していくと考えられる。したがって他店舗との競争に勝てるキャストを保持しつつ、店内キャスト同士の競争を誘発していくことが組織力(O)に相当すると言えるだろう。
これがキャバクラのビジネスモデル・戦略であると考える。
これに対してユメノグラフィアでは、チケットを購入してもらえるか否かが一番の競争要素になっていると考えられる。キャスト・ゲスト共に、キャバクラと比較すると競争要素が少ないと言えるだろう。前述のVRIについても、容姿は事前に用意されており、PR戦略についてもせいぜいTwitter等のSNSやyoutubeなどでのゲスト全員へのPRが関の山であると推測される。キャスト自身で差別化戦略を取れるのはコミュニケーション力くらいだが、これについても”設定されたキャラ”という障害が存在する。
これは推測に過ぎないが、ユメノグラフィアはリアルキャバクラへの対立軸として”競争を見せない”設計がなされているように感じられる。実店舗型のキャバクラでは他のゲストが見えるが、ユメノグラフィアは完全時間制で1対1である点などである。
リアルキャバクラのビジネスモデルが当てはまらない、というのは以上のようなところだろう。
②バーチャルはやっぱりリアルに勝てない?
これを考えるにあたって、バーチャルであることのメリット・デメリットを考え、その上でリアルのメリットと差し引きをする必要がある。
バーチャルであるメリットの一つは容姿格差の是正であろう。これはゲストキャスト両者に言える。キャスト採用のハードル・ゲストの入店ハードルといった障壁を下げることができる。
また、店舗がバーチャル空間上に存在することで店舗の購入・維持に関する費用を削減することができる。
また、キャストの保護という観点から見ると大きなメリットがある。同じ空間にいないため、加害の可能性は大きく低減できる。
次にバーチャルであるデメリットを考察する。これは一言で言うと情報量の欠落になるだろう。詳細に書くとあまりに気持ち悪いので省くが、身体感覚、触覚、嗅覚など...…う~んもうキモイ、ここまででいいか?
次にリアルのメリットを考えると先ほど述べた”他のゲスト”の存在、ドリンクサービス等がある。他ゲストの存在はゲストの自尊心や虚栄心からくる消費行動を誘発する効果があり、ドリンクサービスがその受け皿となる。
また、先ほど述べたバーチャルのデメリットも比較した際にはメリットとなるだろう。
③ターゲット層と購入層の検討
それぞれ
・年齢層
・所得層
の面から検討を行う
リアルキャバクラは年齢層・所得層ともに高く設定されていると考えられる。消費者の消費を煽り収益を向上するシステムの都合上、高所得者がターゲットとなる。日本的雇用システムの都合上自然と年齢層も高くなっていくことが推測される。またキャバクラという業態の特徴の一つに高級感があるため、ドレスコードという観点からも自然と年齢層が高くなっていると推測される。
対してユメノグラフィアはチケットの料金が一回4400円(キャバクラは平均して約9000円と言われている)とリーズナブルな価格設定になっていることや、すべてがデジタル上で完結していることなど、キャバクラよりは若い層をターゲットにしていることは容易に推測できる。
実際にキャストも20代前半~30代のゲストが多い(https://www.youtube.com/watch?v=A066IoSvhes&list=PLgm_2hGEstvIFI9XIr30p3BzLdmSrqapa&index=24)
と発言している。より広く薄くの戦略だと考えられる。
まとめると、リアルキャバクラは莫大な消費をするユーザーを育てる”白鯨型”のビジネスモデルを、ユメノグラフィアはコスト・リーダーシップ的なビジネスモデルを志向していると考えられる。
3.考察とまとめ
ここからはユメノグラフィアの敗因を考察していきたい。
従来のキャバクラというビジネスモデルをバーチャル空間に実装することで新たな顧客層を獲得するというブルーオーシャン戦略的なアプローチは今までになく、後発も現れなかったため成功しているかに思われた。
しかし、思い描いた成長をすることは出来ずサービス終了となってしまったのはなぜか。
まず一つ目は”競争原理の欠如”と推測する。
キャスト間・ゲスト間共に競争原理を排除した結果、成長の源泉がなくなってしまったのではないかと感じられる。より具体的にはリピートする理由の設定に失敗したのではないかと考える。値段も一定、アバターのため容姿や服装の変化などもない。また、虚栄心を刺激することもないためリピートする理由が薄いのだ。
二つ目は思ったより潜在ターゲットが多くなかった可能性が考えられる。
4400円という金額だけに目を向ければハードルは低い。しかし、ユメノグラフィアのサービス体験を向上させようと思えばVR機器の導入が必要となる。また、VR機器を導入しなくとも”youtube”というプラットフォームと比較してしまうとはるかに手間がかかる。
これらを考慮すると、リピーターの可能性があったユーザー層は、”VR機器を所持しており、多少の手間を払える20代~30代”となる。薄く広くのビジネスモデルを考えた場合には少々狭い...…のではないか。
これらの要因で思ったほど継続ユーザーが伸びなかったことが最終的な敗因になったのではないかと推測する。
4.終わりに
”バーチャルキャバクラ”のアプローチ自体はビジネスモデルとして成功すれば非常に面白いと思っていたばかりに少し残念な気持ちがある。
ANYCOLORというバーチャルでは資本とノウハウのある企業でも失敗したことが、後発チャレンジャーの登場を妨げることがないことを期待したい。
12/30まではいきてるらしいよ、ユメノグラフィア
VR機器ないのでボクは行きません