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最果てのミステリーサーカスからの脱出

 せっかくnoteがあるんだから、参加した謎解きの感想も残していきたいなぁ、ということで、やります。

 Twitterの感想ってだいたい宣伝文とか公式ページのURLとかで占められちゃって、あんまり感想残すスペースないのよね……。


 新宿歌舞伎町の少し外れに、東京ミステリーサーカス(通称TMC)という施設があります。地下1階から4階まで、脱出ゲームで埋め尽くされたちょっと変わった場所。ほぼ毎日、初めて謎を解く人から中毒者まで幅広い謎好きが集う、そんな場所です。今回参加した最果てのミステリーサーカスからの脱出(以下最果て脱出)は、そのTMCが舞台となっています。


 このTMCはSCRAPという会社が運営している施設で、当然公演も、SCRAPのものが中心。SCRAPの公演はコンテンツディレクターという制作総指揮みたいな方が中心となって作られていて、そのコンテンツディレクターの色が強く出ます。実力のある方だと、前情報なしでも始まった瞬間に「ああ、あの人が関わってるな」と分かるくらい。

 その中でもかなり素晴らしい脚本を書くコンテンツディレクターさんで、きださおりさんという方がいます。どう素晴らしいかというと、ストーリーはもちろんのこと、登場人物との絡ませ方が巧みなのです。たった1時間の公演時間にも関わらず、公演を終えた後にはチームの一員だったような印象が残る。キャラとともに困難に立ち向かい、キャラとともに成功した喜びを共有する、そんな公演を多く輩出されています。最果て脱出は、そんな多くの名公演を手がけたきださんによるものとなっています。


 参加した感想。2021年に参加した公演、といってもなかなか参加できていないのですが、のなかで一番になる公演でした。謎解きの為の施設であるTMCが舞台という、ちょっとメタ的要素を含んでいながらも物語に入り込めるストーリー。登場人物との絡ませ方が上手、と書きましたが、参加者も登場人部の一員として物語に入り込める、設定の巧さ。TMCという、謎解き好きにとって思い入れのある場所を、本当に自分たちの手で救ったんだ、という達成感。どれを取っても、一級品。初心者でも、謎解き好きでも、絶対に楽しめる公演でした。

 一番すごいな、と感じたのは、この公演は完全にSCRAPでなければ成し得ない、というところ。いままでTMCという場所が、いや、SCRAPという団体が積み重ねてきたその土台があってこそ成り立つ公演だったと思います。初めて参加するよりも、1回でもいいのでSCRAPの公演に参加して、「ああ、脱出ゲームってこういう感じなんだ」と雰囲気を知った上で参加してほしい、そんな公演です。記憶を消してもう一回参加したい……!

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