詩:23世紀のハロウィン(2017.8.7)
ちょっと前に昔書いたいろんなプロットを掘り起こしてた時に、2017年に書いていた詩が出てきたので、貼ろうと思う(白目)
23世紀のハロウィン
時は23世紀
日本とかアメリカとかロシアとかはまだあって
イギリスもまだある
ここは日本で、今日はハロウィン
人間が狼やモンスターや色々なものに変身する日だ
人はその身体を実体において自由に変形させる能力を手に入れた
拡張現実こそがそのものの現実なのだ
だからみんな、なりたいものになれる
ハロウィンの日にはみんながオバケになろうとする
僕は人間の姿のまま、それを眺めてる
この世界ではフィクションこそが現実だ
でも僕は人間として生まれてきたから、(本当はみんな人間なんだけど)別に生まれたままの姿でいいと思っている
その方が美しいから
(人間の美意識において、もともとの長い歴史の中で育まれた人間の肉体こそが最も美しいと感じるのは自明の理だ)
人はそれを保守的とか古い価値観とか言うかもしれないけど
べつにそんなに拘りを持ってるわけでも無いけど
でも僕は人間でいいと思ってるし、僕みたいな考えの人もそう珍しくはないだろう
でも、あれから200年が経ち、古い感性の人達はみんな死んでしまった
狼男として生まれて、狼男として死ぬ人もいる
人魚として生まれて、人魚として死ぬ人もいる
ポケモンとして生まれて、ポケモンとして死ぬ人もいる
本当はみんな人間なのだ
別に芸術がどうとか絵に描いた理想の姿がどうとか、そういう話をしたいんじゃない
でもハロウィンの日には、そんな芸術的感性を持った人達がたくさんでてきて、好きな姿に変身して、それが当たり前のようになる
それがハロウィンってもんだから
僕は別にいいと思う
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