人生劇編ターニングポイント
引きこもりが毎日外出するようになる。
タイトルがもう、宗教じみているけれど。
ターニングポイントと言うのは、人生の中で何度かは来るものの、私ほどの衝撃的な体験をする人は少ないと思う。
不良家出娘にたくさんドーナツを作ったあの日の夜中。
直前まで明日は帰るとやりとりしていたLINEのラリーが、中途半端に止まった。。。
その数十分後、娘の電話から音声着信があり
相手は、おとなの男性だった。
「落ち着いて聞いてください…」
相手は警察官だったのだ。
娘は2人乗りの原付でヘルメットを被らず事故に遭い救急搬送されたと。病院名ととにかく急ぐように。と言う内容だった。
息子を起こしてタクシーを呼び、当時交際中だった元カレに内容を告げ病院へ向かった。
真夜中の救急の待合室の隅に泣き崩れる成年娘の元カレだ、無視して受付に向かう。
急いで通された処置室で告げられたのは
「良くて脳死状態です。」
と、言う言葉だった。
脳死って聞いて、呼吸器を止める決断をしなければいけないのですか?
止めるのは私ですか?
が
何番目かにこびりついて取れない記憶。
それ以上の詳細は頭の中に鮮度抜群でトラウマとして抱えることとして
その翌日は、私の元彼に病院へ行ってもらい。
自分との折り合いを付けた。
翌翌日から、とびきりのおしゃれをして一度も泣かずに、半年間毎日病院へ通い続けることとなった。
それが、家から出られなかった精神疾患の私が、毎日外出することができるようになった。
まさにターニングポイントだった。
最初の数ヶ月は、いつ死んでしまってもおかしくない状態で、機械に繋がれている娘が目を覚ますのをひたすら待った。
毎日怪我していない方の手足を入浴剤につけて良くマッサージして過ごした。
目を覚ました時、一番可愛いマミィで居られるように。毎日メイクもおしゃれも、手を抜かなかった。
追加。
赤ちゃん返りしてしまった娘は笑うこともできないまま目を覚ましてしばらく過ごしたけれど、息子がお見舞いに始めて行った日に笑うようになった。
その後も、周囲の愛にも恵まれて、当人の努力もあり。
現在。脳の一部は壊死していたり、傷が生々しく残ったりしているけれど
一人暮らしして今なお逞しく生きていますので、安心してください!
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