生大喜利大会であがこう!

 お疲れ様です、ラパスです。
 最近生大喜利を始められた方が、すぐに大きな大会に参加することも珍しくなくなってきました。ただ、正直いきなり大きな大会やガチガチの対戦形式の会に参加すると、「思うようにできなかった…」と思う場面も多く出てくるのではないかなと思います。
 そこで、普段自分が大喜利大会に出る前、出ている最中、出た後で気を付けていることをリストアップしてみました。向き合い方は人それぞれだと思うので、使えるところだけ使ってもらえたら嬉しいです。
 ここからは完全に過剰書きといいますか、ブツ切りの文章になってしまうのでご容赦ください…!

<参加前>

・ルール・参加者を確認する

 大会のレギュレーションは基本的に主催者が紹介してくれているので、事前にチェックしておきたい。各試合で何人が勝ち進めるのか、敗者復活はあるのか等が頭に入っていると冷静に戦える。
(勝ち上がり率が低い設定の大会でド緊張しても仕方がないという側面もあるので…)
 また、ライバルや目標にしている方がいるかどうかもチェックしたい。全体の参加者層を見ながら、こんな感じの雰囲気になりそうだなというイメトレをしておくと本番での緊張が薄らぐ。

・前回大会の動画・結果まとめを見る

 基本的なルールや参加者層、出題者は大きく変更されないので、前回・前々回の大会があれば動画をチェックするのもいい。文章お題と画像の配分、参加者の勝ち上がるまでの回答や、全体的な勝ち上がり傾向等はかなり見えてくる。不安な時はそれぞれのお題に対して2~3個回答を作ってみたりもしている。
 動画が見当たらなかったとしても、過去の出題等はブログに載っていることもあるのでそちらを参照するとかなり安心できるだろう。
 加えて、前回・今回共に参加している方がいれば、動画から「こういった切り口で笑いを取って来るだろうな」という想定もできるので、当日舞台の真横でウケていたとしてもひどく動揺することはなくなる。

・会場に遅れないように着く

 大前提ではあるけれど相当に重要。20分前くらいに会場に着いていると気持ちの面でゆとりができる。トーナメントや対戦票を見ながらゆっくり戦略を立てることも可能なので、少し早めについて損はない(あまりに早いと主催者の準備ができていないのでそこは配慮を)。自分ではどうしようもない理由で遅れてしまう場合は、遅れると分かったタイミングで主催に連絡したい。相手を慌てさせてもいけないし、自分が必要以上に慌てても、到着した会場で落ち着いて大喜利ができなくなる。

・緊張しているな、と思ったら一旦席を外す

 緊張しているにも関わらず律儀に会場の座席に座っている必要はない。飲食スペースで他の人と話をしたり、外の空気を吸いに行ったりしてリラックスするのもいい。自分はその後の実益も兼ねてトイレ・自販機の場所を確認するようにしている。
 また人付き合いに関してはそれぞれ得手不得手/距離感もあるので、端でスマホをいじっているのが落ち着くならそれでも問題ないと思う。全員少なからず緊張はしているので、準備の仕方についてあれこれと指摘されることはほぼない。迷惑をかけていなければ変にかしこまる必要はないかも。

<回答時>

・一旦ボードを綺麗に拭いてから始める

 置かれたペンで試し書きした後に、一応ボードをイレーサーで消すという作業はちょこちょこ行っている。回答中はどんどんボードが見えにくくなっていくので、最初のスタートラインを綺麗にしておこうという意識からかもしれない。また、あまり筆跡が残っていると可読性が損なわれるという点も大きい。一応席に戻る時も消してから戻るようにはしている。

・お題をちゃんと理解してから回答する

 「お題なんて読んでからやってるわ!」と思われるかもしれないが、緊張しているとお題の一部しか読めていなかったり、方向性を間違えてしまったりすることはよくある。
 先手を取ることは大事ではあるが、最初に他の人がウケたから致命傷を負うということはないので、自分の中で十数秒理解する時間を作っても悪くはない。
 また、あまりウケを取れていない時に、リセットする意味も込めて途中に文章を確認するというのも、落ち着くための一工夫にはなる。基本的に観客の視線は答えている人に向くので、裏を返せば回答する以外の時間をどう使うかは自由。手を止めるのは怖いかもしれないが、理解・整理の時間を割くというオプションがあることはちゃんと認識しておきたい。

・手を挙げた後の時間を活用する

 少なくとも自分の回答に対するチェックは怠らないようにする。誤字がある場合はどう音声でフォローするかを考え、書いた内容が短すぎる・長すぎる場合は、前置きを足す、文章を飛ばして読むなどの配慮もしておきたい。
 また、大勢が挙手している場合は順番が来るまでにかなりの時間がかかるので、「次こういう回答が出したいな…」とか、「このあたりの分野は使われてないな…」みたいな目星をつけているとボーっとしなくてすむ。

・自分の回答に対する反応を自分で決めない

 たとえウケが悪い回答で会ったとしても、声量を下げない、あまり自分で「駄目か…」という顔をしない、ボードをすぐ下げないということは気にしている(時間が無い場合を除いて)。自分の感覚と観客のツボには若干ずれがあるので、自分では納得がいっていない、自身がない回答でも誰かに刺さっている可能性はある。にもかかわらず自分からリセットしてしまうと、本来拾えた笑いを取り損ねるのでかなりもったいないかもしれない。どうせ人前には出てるんだから、羞恥心は可能な限り捨てた方がいいと思っている。

・時間を置いてちゃんと「自分の番」にする

 ベテランの方は特に「自分の番にする」のが上手いので、最近見習って試している。要は前の人が爆笑を取ったり、その余韻が会場に残ってしまっている時に、指名されてから少し時間を置いたり、ワンテンポ遅らせたりするということ。一旦リセットして流れを引き寄せるという作業は意外と効果的だった。ただしあんまり待ちすぎても不自然なので、「皆が落ち着いたら回答する」ということを徹底する、程度の意識が良さげか。
 反面ライブに出ている場合は、ライブ感というかグルーヴ感を断ち切ってしまいかねないので、あくまで大会に出ている時に限定したテクニックかな、とも思う。

・読んでもらえる文字・声の大きさを見つける

 自分もちょくちょく間違えているのだが、文字の大きさ・丁寧さや、声の大きさはある程度は必要だと思う。文字が綺麗であればあるほど評価されるということはあまりないが、読みにくさ・聞こえづらさは割とマイナス評価に直結する。最低限観客に伝わる文字・声の大きさはある程度把握していると良いかもしれない。
(この位の速さで書くと読める字になる、この位の声量だと聞こえてそうみたいな感覚をつかめていればOK)
 経験からすると、会場が大きい程声の大きさが、会場が小さい程文字の読みやすさが影響する。また、加点形式等の回転が速い大喜利の場合は多少の文字の乱れは許容されることが多いので、急いでる場合には多少割り切って書き上げることに集中していいと思う。

・周囲の流れに乗るか乗らないかを判断する

 一人が場の空気を牽引している場合に、どこまで乗っかるか、乗っからないかを判断しておくと、回答する上での迷いが生じにくい。
 自分の回答が他の回答者の方向性とかぶっていない場合は、回答が際立つ可能性に賭けてあえて流れに乗らないという選択肢も生まれる。逆にトップランナーと方向性が同じでも、これから出す回答の質に自信があるならば、流れに乗って続けざまに答えるという選択も悪くない。会場の雰囲気が「○○さん一色」になってしまっている場合に、パッと立ち回りを決められると失速せずに戦えると思う。

<意識・思考法>

・この会の規模だったら、どの位の成績を残しているかを自分の中で判断する

 もちろん「毎回優勝を狙う!」という目標は立てられるが、そうすると負けた瞬間達成できなくなってしまうのでその後の成果に繋げづらい。
 自分は今どのくらいの実力があって、今まで似たような大会でこんな成績を残してきたかということを念頭に置いておくと、自分の成長や課題を理解できるので、次の大会に向けて有意義に動ける。
 「ここ数回は1回戦負けなんだよな…」という状況であれば、例え優勝しなくても数回勝ち上がったことに喜べるし、逆に「最近は決勝リーグに出られることが多いな…」という近況の中で初戦敗退になった場合は、苦手なお題やシチュエーションをあぶり出して復習しようという意識が生まれる。
 最初から優勝を目指さないということではないけれど、自分に対する冷静な目線は持っておいてもいいと思う。

・明らかに分が悪い時は、「分が悪いこと」を客観的に把握する

 自分だけウケが取れていない、出遅れているという状況は往々にしてある。そんな時「どうしよう、ボロ負けしているな…」と考えるのではなく、「これは苦手なお題、ウケなくてもしょうがない」と認識するだけで心は落ち着く。例え得意なお題で苦戦しているだけだったとしても、一旦苦手なお題だと割り切ってしまうことも何回かあった。0ウケを受け入れた上で回答していると、1回のウケで大分心情的に楽になるのも大きい。
 また、複数問答えられる予選などでは全問題が苦手なお題となることは少ないので、1問を割り切るという思い切りはかなり重要だったりする。「なんとかなるだろ」で進めている人は結果もついてくる印象がある。

・複数問答えられる時は、向いているお題に力を入れて「1問持っていく」ことを意識する

 先程と関連しているが、加点にしても印象にしても、一気に点を取るビッグイニングのような1問を確保できるとぐっと有利になる。そのためどこか1問で爆発させるという展開は狙っていきたい。もし2~3問回答できるなら、全問で完璧な立ち回りができなくても大丈夫なので。
1問目がハマればその後は少し楽に戦えるし、1~2問目が駄目でもラストで挽回すればという気持ちになれる(ラストの問題で大爆笑を取れれば印象審査ではかなり可能性がでてくるので、大逆転は決して不可能ではない)。

・周りのウケ具合とこれまで起こしたことがある笑いの最大値を比較する

 周りが笑いをかっさらっているとどうしても不安になるので、自分がこれまでに取ったことがあるウケ(笑い)の最大値と比較しながら試合に臨んでいる。
 ・・・周りが「自分もその日に1回くらいは取れる笑いの量」であれば、平常心で臨む
 ・・・周りが「自己ベストに近い爆笑」を取っていたら、じっくり回答を練る
 ・・・「普段なら1題に1回は出せる笑いの量」がまだ出ていなければ、ポールポジションを狙って即答する
等、かなり戦術に幅は持たせられる。劣勢=数を出さなければいけないという強迫観念をなるべく持たないよう心がけたい。

<状況確認>

・同じ組で回答する方がどんなタイプなのか再度整理する

 組み分けやトーナメントが決まっているならば、自分と直接対戦する人がどんなタイプかは頭の中で確かめておく。
「ベテランや猛者が多い」「インパクトのある回答をする人が多い」等、事前にそう理解しておくだけで、他の人がウケている時に動揺しにくくなる。
 そして自分と似たタイプの大喜利をする人がいれば、意識的に回答を聞く・見ることで自分の指針・方針の参考にもなるので重点的にチェックしたい。

・観客がどんな回答に笑っているのか感じ取る(参加者層を把握する)

 自分が回答者として舞台に上がらない時は、他の人がどんな回答に笑っているか片手間でもいいので確認したいところ。
 自分と似たタイプの回答者がウケている場合には、自分に対しても温かい可能性はあるので、前向きに爆ウケを狙いたい。自分の笑いが周りとずれてしまっている場合は、苦戦する可能性もあると気持ちの用意をしておくと、思い通りにウケが取れなくても落ち着いて立ち回れる。
 特に今まで一回も参加したことのない大会・会では自分の感覚と周囲の感覚がずれやすいので、会を楽しみながらちょっとずつ感覚を理解していけると舞台上でたじろがずに済む。

・観客と自分の位置を、席に座った時に大まかに把握する

 審査員の方が決まっているなら当然そちらに向けてボードを見せる。逆に全体の拍手投票などであれば、基本は観客の中央にボードを向け、声を飛ばすようにしたい。
 会場・舞台の端に座ることになった場合や箱自体が広い場合は、一番奥の座席までの距離を見つつ、必要であれば声量を大きくする。
 席に着いた時に見渡すだけで、お客さんとの距離感はかなり把握できるもの。緊張してしまう場合は観客の顔はしっかり見なくても良い(あくまで位置の問題なので)。座った後に「沢山いるし声を出そう」「端に来ちゃったから文字を大きく書こう」みたいな認識が自然にできるといいかもしれない。

 ・観客が自分の回答に対してどう笑っているか、耳である程度把握する

 会場全体が笑っている、一部の人だけ爆笑している、やんわりとした笑いがある等、ウケ方にもある程度パターンはある。全体からの爆笑以外は、それぞれ理由を付けて前向きに捉えるとダメージが少ない。
 一部だけの爆笑→ハマる人は存在する
 全体からのややウケ→多くの人に伝わる言葉や発想は選べている 等。
(ウケがない、少ないことに関してはすぐに流れの中で埋もれていくので、自分から反応しなくていい。
 勿論ウケが取れていないのはピンチではあるが、それをチャンスに変えられるレベルの図太さを持っていないなら気にしない方が得策かもしれない。)

<大会後>

・他の方がどんな回答にハマっていたかを確認する

 大会の打ち上げでの話や、他の方の回答を振り返っているツイートから、自分がまだ気づいていなかった回答の面白さや観点は探ることができる。動画で見返した時も、どうしても自分の物差しで面白さを確認してしまいがちなので、他の人は笑っていたのに拾えなかったなぁ…みたいな回答に関しては他の方の眼を信じてみるのもアリでは。
 また、「~という回答が、○○という理由で面白かった/○○で面白かった」という反応は、逆算すると回答を作る上でのヒント・道筋になるので、かなり参考になったりする。

・今日の対戦相手との勝ち筋を考える

 特に負けてしまった試合についてどこに敗因があったか、会が終わって冷静な今ならどんな回答が出せたか、について考えることはしている。どういった視点や方向性がまだ使われていなかったか、自分の中に他の引き出しはなかったのかも含めて検討するとぐっとお題に対する理解は深まる。
 一方で緊張や集中力等精神的な部分が課題であれば、他の大喜利会に行くことも考えたい(経験を増やすというだけではなく、問題意識を持ったうえで大喜利をすることで苦手を克服できるので)。負けて悔しいという気持ちを引きずるのも良くないので、切り替えるためにすぐ次の大喜利会に参加表明をしてしまうのも一つの手段かも。

・自分より歴のある人に大喜利のやり方を聞いてみる

 より直接的に助言を求めてみるのもかなりダイレクトな手段ではあるがいいと思う。自分は「もう4年も生大喜利やってるしな…」という気持ちがあるけれど、始めたての人は特に聞いてみていいと思う。自身の大喜利について聞いてみても、ベテランの回答法について聞いてみても新たな知見が得られるのでは。ただしその方が大喜利談義が好きかどうかと、自分の悩んでいるポイントや目標がある程度具体的に言えるかどうかは確認しておきたい。下手に話だけ振るとお互いいたずらに時間を過ごすことになるので注意が必要か。

 滅茶苦茶長くなってしまっていてすみません…
 また自分で気付いた部分があれば適宜加筆していきますので、これからも大喜利の場で宜しくお願いします…!

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