大喜利初心者お悩み、勝手に回答室

 お疲れ様です、ラパスです。
 自分が初心者向けのスプレッドシート大喜利会を開いており、情報収集を続けているということも大いに関係はしているのですが、大喜利に興味を持っている人の数は間違いなく増えているように思います。
 そして他の方も適宜生大喜利・スプシ大喜利の初心者会を開いているようで、これからもビギナーの方々は爆発的に増えていくのでは無いかと考えています。
 しかしながら初心者会を開いておいてなんですが、大喜利コミュニティは1回は参加してみたけれど後が続かなかったという方が非常に多い界隈であることも事実です。
 そこで、今回は初めて大喜利会に参加した方が不安に感じたのではないかという点(言い換えれば、大喜利を続けるのを躊躇するようなポイント)を予め想像し、勝手に「それだったら大丈夫ですよ」と回答する記事を書いてみることにしました。箇条書きにした上でそれぞれを項目として分けましたので、気になってるんだよなぁという所があればその部分だけでも読んでいただけたら有り難いです。
 それでは実際に紹介していきます。

・大喜利会には来てみたが、知り合いが全然いない

 考えてみると、知らない人の前で面白い事を言うように求められるってとんでもないことですよね・・・その中で参加し続けるというのは、もしかすると余程大喜利を楽しんでくれない限り無理なのではないかとも考えてしまいます。
 1つの解決策としては、友人を一緒に巻き込んで誘ってしまうということです。同じ大学やサークル・SNS上での知り合いなんかを誘うとかなり始めるハードルは低くなりますし、見知らぬ場所での安心感は増すかもしれません。ただ大喜利を始めるタイミングが進学直後だったりすると、中々難しいやり方ではありますよね・・・大学で出会った方にいきなり「一緒に大喜利やりませんか」と持ちかけるのもかなり不審がられそうですし。
 次に考えられるのは、事前に知り合いになっておくという方法です。SNS上で参加する大喜利会の主催者や、同じタイミングで大喜利を始める参加者の方をフォローしておくと、事前に会の雰囲気をそれとなく掴むこともできます。また普段の投稿の中で同じ趣味を持っていると分かれば、現地で交流する時に話題を振ることができるのも良いですね。

 最後はもう捉え方の問題なのですが、「知り合いがいないことを当たり前だと思うということ」に尽きます。実は会場に足を運んで、一通り大喜利を楽しみ、終わったら挨拶だけして帰るというのも全く問題はありません。オンラインでもそれは同じで、挨拶だけしてサッと離脱していただいても誰も文句は言いません。反対にしっかりと交流していきたいのであれば、積極的に話しかければ良い訳ですし、それを否定するという風潮もありません。
 ですから、友達を作るということにやっきにならなければいけない訳ではありません。以前の文章でも書いたのですが、僕自身まだ大喜利界隈の方の連絡先を数人しか知りませんし、もっとドライな方もいらっしゃいます。初心者の皆さんが想像する程、「新入りは肩身が狭い空間」ではないということだけは分かっていただければと思います。

・周りの方の回答が面白すぎる

 真横の人が大ウケしていて、「何だこの初心者、初心者じゃねえだろ・・・」ってなることは往々にしてあります。大体そういう方は「ネット大喜利はやってる」「落研・お笑いサークルでコンビ組んでる」「大喜利ライブに通ってる」みたいなバックグラウンドがあるんですよね・・・
 悲しいことを言ってしまうと、ガチで未経験の方が初心者会に出る場合その差を一瞬で埋めるということは無理です。予習0の状態で抜き打ちテストに挑んでるようなものですから、勝手に教科書の先を読んでるタイプの人には敵いません。むしろ「やば、同期におもろい奴おるわ!あんた将来有望やな!」って感じのメンタルでいた方が良いです。

 それから、初心者会では圧倒的な差に感じるやもしれませんが、その後の参加頻度、振り返りの質、持っているポテンシャルによって十分覆せるものではあると思います。初心者会で取れた笑いの量が、そのまま将来的な実力差には結びつきませんし、後天的に笑いを取れるようになる余地は十分あります。
 そして何より、大喜利は短い時間で実力を把握するのが難しいということもあります。お題の傾向や当日のコンディションによって、どんなに実力がある方でも回答のクオリティにばらつきは生まれるものなんです。ですから数問単位では「相性の悪い問題ばかりだった」という可能性があり、「初心者会で駄目だったし、やっぱり自分は大喜利が苦手なんだ・・・」と決めつけてしまうのは非常に勿体ないです。初めてでド緊張していたら出せる回答も出せていないでしょうから。
 という訳でうだうだと書いてしまいましたが、あまり他の人との現段階での実力差を気にする必要は無いです。むしろこれから上達するためのモチベーションとして、前向きにその差を活用していただけると嬉しいです。あの人に追いついてやる!と思って始めると継続する意義もできますので。

・周りの方々の回答スピードが速すぎる

 これも感じますよね・・・経験者の方との差は言わずもがなですが、ネット大喜利に触れている人とそうでない人の間でも差が生まれたりして、結構気にする方は多いと思います。
 ただ実際の所、初心者や未経験の方に速度を求めている主催者はまずいないです。回答の質・量を両立させるなんて何年やっても難しいことですし、スピードを追い求めた結果雑な答えばかり出してしまっては、周りも「何でこの人こんなに焦っているんだ・・・?」と心配すると思います。
 それと、将来的にどういうプレーヤーになるのかも人によるので、手数を追い求めるということが上達に繋がると一概には言えないんですよね・・・勿論回答を重ねながらエンジンを温めてウケを取ったり、一瞬のひらめきを求めて試行回数を増やしたりする方もいるんですけど、その一方で自分のアイデアを大事に加工して、一撃必殺で仕留める方もいますし。
 将来的に大会でガンガン勝ち上がりたいということであれば、回答を沢山出せるということは勿論長所になるのですが、大喜利のコミュニティが単純に回答数=面白さとする界隈ではないということだけは分かっていただきたいです。
 不安になるのはとても理解できますが、まずは自分にとって面白いと考えたものを、ちゃんと形にして出すということだけ意識してくだされば十分です。場合によってはその問題で0ウケだったということもあるかもしれませんが、毎回自滅してすごすごと帰るよりは今後に繋がる収穫があるはずです。

 とはいえ、そうは言っても遅いのは駄目だ!恥ずかしい!ということでしたら、1問につき1答するというノルマを意識してみるのが良いんじゃないでしょうか。そうすれば何かしらは反応を得られる訳ですし、その問題に参加できたという気分にはなれます。ただそのマイルールに縛られすぎてガチガチになってしまったら本末転倒ですから、1答はしたいな~程度で良いかもしれません。
 繰り返しにはなりますが、自分で「よし!行ける!」と思ってから回答し、終わったらまた考えるといった速度で最初は御の字です。本当に。

・自分のツボにハマらなかった時、どう反応したら良いのか分からない

 周囲の反応とのずれにに関しても悩む方は多いと思うのですが、結論から言ってしまうとそこまで気に病む必要は無いです。
 一応僕もネット大喜利を含めれば4年半大喜利をやってますけど、回答者の意図に気付いてなかった!そっちか!みたいなことはザラですし、そもそも個々人でツボは違うので今でも「わっかんねぇ~!」ってなることはあります。でも代わりにツボに入った方が笑ってくれるので、気楽に笑ったり笑わなかったりしましょう。
 あとあまりにも分からなくて笑うというのも1つの手です。いつもの自分より少しゲラになる位が丁度良いかもしれません。あんまり不自然だと不審がられますけどね。
 会の雰囲気が温まっていればいる程、爆笑が起きるハードルは気持ち低くなりますから、自分の身を助けるためにも面白いと感じたら変に我慢せずに笑っちゃいましょう
 勿論全員爆笑しているのにずっと笑えない・・・みたいな状況でしたら、違うメンバーと大喜利をやった方が楽しいかもしれないので、「会を振り返った時に楽しかったと思えるか」は重要です。裏を返せば「大会、緊張したけど楽しかったなぁ」と振り返ることができるなら、十分あなたのツボと大会参加者のツボは共通していると言えます。それこそいくつかは取りこぼしや読み取れなかった回答があって、帰りがけや後に誰かが振り返っているツイートを見た際に「なるほど!」と気付く位でも、見方を変えれば2度楽しんでるみたいで良いじゃありませんか。他人の感性・ツボに関しては余り肩肘張らずにいる方が会の満足度は高まる、というのが個人的な実感です。

・周りの方々が出した回答が覚えられない

 ベテランの方が「誰々のあの回答が良かった!」と回顧されているのを見ると、全然覚えてないよ・・・と不安になる方は多いかもしれません。
 正直、初めて大喜利会に参加してそっちにもあっちにも聞き耳を立てるのは無理です。ベテランの方も実際には観客席にいたからこそ面白い回答を記憶できるって側面もありますし。
 かといって、初めて初心者会に参加する場合に「自分との戦い」として脇目も振らずにホワイトボードと向き合う必要も無いのかなと思います。これから大会にガンガン出たいという方も、大喜る人たちから興味を持って何となく参加したという方も含めて初参加ですからね。そんなにバチバチとした雰囲気の会では無いでしょうから、少し気を緩めて楽しむことをメインにしてみると良いかもしれません。

 個人的なおすすめは、周りが回答している間は耳を少し傾けてみるという方法です。実際に周りがどんな回答をしているのかを聞いていれば、単語がや発想が丸かぶりしたりするのを防げますし、周囲の反応からヒントを得ることもできます。そして何より面白い回答に対して一緒に笑うことができますから、参加しているという実感が強まります。
 それと人の回答で笑うメリットとしてもう1つ挙げられるのは、舞台の上で緊張をリセットできるということです。初心者の方には想像していただくしかないですが、生大喜利やスプレッドシート大喜利の大会に参加していると、「意識せずに自分を追い込んでいる」という経験をすることがあります。後で撮ってもらった動画を見返すと分かるのですが、回答が中々出せず、その後出した回答がウケていなかったりすると、結構顔がこわばっていたり、首をひねったりしてしまうことってしばしばあるんですよね・・・
 その結果どんどんドツボにハマって、ちょっと周りを寄せ付けない感じの雰囲気になってしまうと周りも笑いづらくなりますから、本番での切り替えはかなり重要になってきます。そこで少し周りに目を向けてみようということですね。他の方の回答で笑うと、意識を一瞬自分の回答の外に持っていくことができるので、余裕を取り戻すという意味では凄く良いスイッチになるんです。
 そうやって笑った回答に関しては、細部までは覚えていなかったとしても何となくは覚えられるので、意識して覚えようとしなくても自然体で頭に残るようになっていきます。ただこれも慣れではありますから、初心者で周りにまで気を向けられないのは当たり前だと思うことが大事です。最初は力まず、ゲラゲラ笑った者勝ちだと思っていただければ幸いです・・・!
まあぶっちゃけベテランの方が覚えていれば、初心者側が何を言わずともSNS上で振り返っていただけますしね・・・

・次どのような会に参加すれば良いか分からない

 僕の初心者会でも例に漏れずそうなのですが、一度かなり楽しんでいただいたのにその後パッタリという方はかなりいるんですよね・・・
 理由としては「イベントとしては楽しかったけれど、次自分から参加するほどのモチベーションは無い」「初心者会ということだから参加できたけど、ベテランの人と戦うのは怖い」、辺りなのかなぁと想像しています。ですから、一応おすすめの会や方法を書き出してみます。

・初心者向けの会(2回目)
 大喜利の経験の無い方の枠を設定している会に、もう一度参加してしまうというのは一つおすすめです。勿論同じ会に何回も続けてとなると「そろそろ独り立ちしてみては・・・?」みたいな視線が注がれるかもしれませんので、別の方が開催されている会に参加してみるというのが良いかもしれません。各会が必ずしも同じ雰囲気ではないでしょうし、初心者という特権を活かして色々な大喜利プレーヤーと交流するというのは十分アリです。結果としてここは居心地が良いな・・・という会が見つかれば、その主催者さんの会にちょこちょこ顔を出して慣れるということもできます。

・中堅~ベテランの方が突発的に募集している会
 そんな身内感の強い物を・・・と思われるかもしれませんが、これから大喜利を続けて行く上ではそこそこ良い導入のように思います。これは生大喜利・スプレッドシート大喜利に共通して言えます。
 突発的に募集している会は、大体がまったり大喜利をする会になりますので、大会形式・勝負に不慣れな初心者の方でも十分楽しむことができます。もし主催者の方と面識が無いということでも、「以前生大喜利・スプシ大喜利をやったことがあります」「○○さんの会に参加して楽しかったので」と前置きしておけば、スムーズに受け入れてもらえると思います。
 若干の注意事項としては、事前に参加者から公募することも関係しているのかもしれませんが、お題が少し変則的になりやすいという点が挙げられます。初心者向けの会と比べると、少し難しいお題が出たり、打ち返しにくいお題が出たりするかもしれません。歯ごたえは少し感じるでしょうが、しっかり答えられれば自信にも繋がりますので是非チャレンジしていただきたいです。

・大きな大会の前に開かれる練習会
 少し段階が進んで、「大会に出てみたい・・・!」と思うようになったら参加して欲しいのが、事前に開かれている練習会です。
 50人以上が参加するような大きな大会の前には、練習をしたい方が同じ形式や難易度のお題を用意して練習会を開くことがあります。初心者会の次が大きな大会というローテでは流石に酷だと思いますので、出場する前に少しピリッとした雰囲気の中で大喜利をやってみるのが良いと思います。
 また出るかどうかが決まっておらず、大会の公式練習会に参加するのは気が引けるという方でも、開催時期周辺の大喜利会は主催側・参加者側共に気合いが入って、ミニ大会・トーナメント等を行っていたりしますので、その時期にガンガン参加するだけでも場慣れとレベルアップが望めるのではないかと感じます。

(発展)時間制限式のネット大喜利・イベント
 特に1~3分程度しか回答時間が無いネット大喜利(概して3分大喜利と言ったりしますが)にガンガン参加するというのは、生・スプシ大喜利に参加する上で大きな手助けになります。
 理由の1つとしてネット大喜利に生大喜利・スプシ大喜利の参加者がわんさかいるということがあります。ここ数年特にその境界がなくなりつつあるので、ネット大喜利を続けているだけで知り合いが増えて、より生大喜利・スプレッドシート大喜利に参加しやすくなるのは確かです。僕も昔運営されていた大喜利プラスというサイトから入りましたし。
 もう1つ理由として挙げられるのは、時間に急かされる経験を積めるということです。生大喜利の大会ではしばしば、4~5分以内に少なくとも2回答を完成できるレベルのスピードが求められます。常に3分といった短い時間で安定したクオリティの回答を出す練習をしていれば、その思考回路をほぼ変えずに生・スプシ大喜利に転用することができます。
 反対にもし3分制の大喜利に対応できるようになれば、生大喜利のスピードはそこまで怖く感じなくなるはずです。現に僕もこれまでかなりの数スプレッドシート初心者会を開いたのですが、3分大喜利出身の方で速度に苦しんでいた方は殆どいませんでした。大喜利界隈で楽しく過ごしていくためにも、余裕があれば短時間で回答するネット大喜利に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 また、ここまでおすすめの「大喜利の続け方」を紹介してきましたが、もし初心者会から次の参加までに長い期間が空いてしまったとしても、悪く思われることはありません。また行ってみたいなぁ、もう一度リベンジしたいなぁと思った時がチャンスですから、気後れすることなく参加表明していただければと思います。

・数回参加したけれど上達した気がしない

 大喜利を始めたての頃ってそれこそ面白くて何度も参加したりするんですが、いざ冷静になるとあんまり成長してないのでは・・・?という疑念が浮かんでくることもあります。
 特に何回かウケた経験があると、何故そのウケを再現できないんだみたいな形で焦ってしまいがちです。しかし前提として大喜利の実力は経験に比例して上昇していくとは限らないということは意識しておいて欲しいです
 実際に徐々に周りから評価される方もいらっしゃいますが、ある時殻を破ったことでグイっと成績が伸びる場合もあって、本当に成長曲線は様々です(個人的には後者の方が多いと思います)。特に殻を破るまでにどれだけの時間がかかるのかについてもまちまちではありますから、数回参加しただけで伸びしろは残ってないんだと決めつけてしまうのは少し早いかもしれませんね。
 ただし、経験に合わせて大喜利のウケ具合が伸びる訳ではないとは言いましたが、経験を積まないと伸びるチャンス自体を作れないことも確かです。僕は普段から「大喜利 やってみたい」「大喜利 上手くなりたい」等のワードでツイートを検索して、参加希望の方がいないか探しているのですが、投稿後に行動に移している方って中々いらっしゃらないんですよね・・・
 結局の所、面白い事を言えるようになりたいと思っていても、急に空の上からコツが降ってくることもないので、「地道な努力は必要ですよね・・・」という話ではあります。ちょっときつい道のりではあるかもしれませんが、その分ウケた時の喜びは爆発的になることも確かですし、もう少し我慢して参加してみてくださいとしか言えないですかね・・・

 ただ、続けるコツとして一つ挙げられるのは、「目標を高くし過ぎないこと」だと思います。
 田んぼマンさんがその辺りのメンタルをキープするための術に関してはブログ記事を掲載されていますので、是非参照していただきたいです。必見です。(https://www.twitlonger.com/show/n_1sqiufm)

 加えて、僕の感じてきたことも補足すると、生大喜利・スプレッドシート大喜利は、ド直球に言うと「高確率でウケを取ることに失敗する競技」だと捉えなおした方が良いと思います。
 実際にトップクラスの実力を持っている人ですら、毎回毎回大爆笑を取れるとは限らず、調子が悪ければ大会で予選落ちなんてこともごく普通にあるんです。僕の肌感覚だと、3回に1回(3割強)の確率でそこそこの笑いが取れるという位でも相当の実力者であると思います。4回に1回というアベレージでも、十分爪痕を残すことが出来ます。スベったとしてもそれが会の大部分だと思えば怖さは薄れるんじゃないでしょうか。実際に長年大喜利をやっている人達は、「そんな速度で次の回答に移れる?」ってくらいのスピードでホワイトボードを消していたりします。
 ですから、初心者の方が例えまぐれ当たりだとしても1回そこそこの笑いが取れたとすれば、十分良い結果だったと誇って良いと思います。

 また、スベった回答に関してもやたらと悲観する必要はないです。その回答によって周りの観客の性質を見極められたり、自分の方針を変えられたりするかもしれないんですから、全て無駄になってしまっているということはありません。勿論反省無しに特攻してスベり続けているなら一考の余地はありますが・・・
 スベってしまったことを単体で見てしまうと、恥ずかしいという負の感情が湧き上がることはあると思いますが、ウケるまでの過程という風に考えれば、そこまでトラウマになることはないと僕は考えています。そして人間は都合の良い生き物なので、余程変なスベり方をしない限り、自分の格好悪い記憶はすぐに忘れます。ですから「まだ上達していない・・・」と引き摺るのは自分で傷口に塩を塗っているようでちょっとやりすぎのようにも感じます。ちゃんと大ウケした回答だけ「やった!ラッキー!」と前向きに受け取って、大喜利に繰り返し参加することが案外レベルアップの近道かもしれませんね。

・大喜利のアドバイスが欲しいけど、誰に頼めば良いか分からない

 これに関しては、正直僕もよく分かっていないです・・・(笑)
 現状として、大喜利界隈に噺家のような師弟制はありませんし、また専門用語のような「広く教えるための言葉」として統一されたものがあるかというとそうでもないんですよね・・・
 ですから、もしアドバイスを求めたらアドバイスを求めただけ色んな意見や指摘が返ってきてしまうと思いますし、教えを請う側も対応する側も何となくふわふわと会話して終わったという結末も想像できます。勿論語りたいという方は目茶苦茶いるコミュニティではありますので、上手く取捨選択ができるという方なら片っ端から聞いてみるというのも手です。ただ混乱してしまう可能性もかなり高そうですから、誰にでもお勧めできる方法ではありません。

 そういった意味では、感想戦大喜利という問題が終わる毎に感想を言い合う会というのがありますので、そこに参加してみるのは有意義かなと思います。結局笑っていただくのはその場の観客全体であり、1対1で笑わせあっているということではないですしね・・・色んな人から「ここが良かった」という意見を聞きながら試行錯誤してみるというのが建設的かなと思います。木曜屋さんも時々bigiriという時間制の大喜利ができるサイトで感想戦大喜利を開かれることがあるので、チェックしてみてください。

 また、個人でできる努力としては、大喜利の動画を見て(これは自身が出ていないものでも良いです)ウケた回答のどこが良かったのかを考えてみるという作業も良いと感じています。僕個人は良くやっています。
 少し漠然としていますが、ドッと客席が沸いた回答を見返してみて、何に笑ってくれているのかを考えてみるということを続けると、それなりに理解して笑えるようになるんですよね・・・
 「ここが想像以上に馬鹿馬鹿しいのか!」「前半から考えられない着地をしてるな・・・」「異性の演技上手いなぁ・・・観察眼があるのかな」とか考えていると、自然と次は自分の回答にこれを取り入れてみようという目標が浮かんできたりします。そういった自発的な気付きがあると、回答に何らかの変化をつけることはできます。少しでも前進できるように色々試してみるということには繋がりますので、「誰かに聞かないと不安・・・」という気持ちは薄れるかもしれません。

 繰り返して言っているようではありますが、やっぱり現状「大喜利の学校」みたいなものはないので、1人で可能な作業をやっておくしかないとは思います。ただそこで色々な方の回答からヒントを得たり、感想戦等の場で意見をもらったりして、何とか「一番自然な大喜利スタイル」を見つけていただければと思います。
 よくこの人みたいな大喜利がしたい!とか、こういうプレーヤーになりたい!ということを大目標にしている方も多いのですが、僕も最近は「自分が一番楽しくやれるスタイルで良いかな」と思うようになりました。無理がないやり方であれば、(ウケるウケないは抜きにして)回答を作ることを苦痛には感じづらくなるはずです。個人差・性格によって方法は様々なので、何一つ具体的な方法を提示することはできませんが、是非自分なりのスタイルを見つけて楽しんでいただければと思います。

 長々とこんなに文章を書いてしまってすみませんでした。
 僕自身ようやく中堅というキャリアに足を突っ込み始めたのかなという所なので、きっとベテランの方であればもっと解説できることもあるんだろうなとは思います。
 また、大喜利初心者会も続ける予定ではありまして、その中で気付いたことや考え直したことがあれば適宜この記事も修正していきますので、ご指摘・ご意見あればいつでも僕に連絡お願いします。

 それでは、初心者の皆さんの大喜利体験が少しでも実りあるものになることを願っています。乱文失礼いたしました。

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