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コンサルティングの成果を左右する"分野外"の知識の重要性

創業から3年間で200社近い企業のサービスやプロダクトのコンサルティングを行ってきました。

お客様の課題をヒアリングし、最適なソリューションを提案し、実行に移す日々で感じたのが、「コンサルティングの成果を左右するのは"分野外"の知識の量ではないか」という点でした。

私の場合は、SEOを専門分野にしていますが、SEOコンサルティングのプロジェクトでも下記の3つの枠組みへの理解が重要になっています。

  • ドメイン:業界やビジネスモデルの理解

  • 戦略:マーケティング戦略や経営戦略の理解

  • 戦術:営業やマーケティングなど幅広い戦術の理解

上記が揃った時に、はじめて本質的かつ大きな成果が出せます。

SEOの専門性だけで、ビジネスドメインへの理解が乏ければ、戦略の方向性が大きくズレることもあるでしょう。

たとえば、転職エージェントの集客改善で表面上のコンバージョンだけを追いかけてしまった結果、転職意欲のない方ばかりを集めてしまい、転職決定しない(≒ 売上に繋がらない)などです。

これは、エージェント業のマネタイズポイントの正確な理解が乏しかったり、面談や候補者とのやりとりにかかるコストへの意識が足りないために起こり得る話かと思います。

上記の場合などは、SEOとしては仕事もしているし成果も出しているように一見見えますが、その先の売上貢献ができていなければ、ただただ対応コストを増やしていてなんならマイナス効果にしかなっていないなども考えられます。

他にも、マーケティング全体戦略の中で、SEOがどのような位置付けなのかを理解しないまま突き進んで、全体最適が起こり得なかったり、デジタル広告などの他施策とのバッティングを考えずに突き進んでしまっていては、 “お荷物” にすらなり得ます。

逆に、ドメイン知識も上位レイヤーの戦略理解も、他の戦術などの各論への知識や経験があると、より大きな成果が出せる可能性が広がります。

SEO×デジタル広告で、事業全体のCPAを下げるための施策提案ができたり、ビジネスドメインを理解した上で、適切なKPI設計および戦略策定ができたり、事業フェーズに合わせてマーケティング予算のアロケーションを提案しつつ、中長期的な時間軸を持った上での戦略提案ができるなど。

私個人の思い出話ですが、高校サッカー時代にS級ライセンスを持ったコーチ(世界初の車イスプロサッカー監督の羽中田昌さん)が1年間だけ私たちの面倒を見てくれたことがありました。

当時、サッカーが上手くなりたかった自分は、練習後に羽中田さんの元に行って「自分はどのような自主練を行うともっと上手くなれますか?」と聞いたことがあります。

その際に返ってきた回答が「サッカーだけをやってないで、映画や本に触れなさい」でした。

当時は、もっとイケてる自主練メニューを教えてくれよ、と思ってましたが、いまになってとても刺さっています。

この文章の趣旨とは少し異なるかもしれませんが、サッカーが上手くなりたかったら、サッカー以外から大切なことを学ぶことが重要だし、特定の専門分野のコンサルティングでより大きな成果を出したかったら、その分野以外の専門性を身につけることが重要だと捉えています。

だからこそ、LANYのコンサルタントには自身の専門性以外の分野の勉強やキャッチアップも常に行ってもらいたいと思っていますし、ビジネススキルのようなポータブルスキルも磨き込み続けて欲しいと考えており、そこに投資をしています。

職人として専門分野を突き詰める道ももちろんありなのですが、よりコンサルタントとしてクライアントへの大きな価値貢献をするためには、専門分野以外の領域についても興味関心を高く持ち続けて欲しいです。

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