平成名文学考 第6章 『地下鉄に乗って』

映画版は割と後なんだよね。地下鉄(メトロ)なので。東京メトロになったから記念に映画化されたもんなんでね、あれは。

主人公は世界企業の御曹司だが親に反発して家を出てしがない下着売りの営業マン。そんな営業マンが地下鉄を降りて永田町駅の地上に出ると広がる光景は昭和39(1964)年の新中野。そう東京オリンピック直前の東京だった。。。。

『地下鉄に乗って』の小説版は1994年で恐らく主人公は団塊ジュニア世代ですよ。40代後半のはず。少年が10代前半の時に東京オリンピックだからそうならないとおかしい。

今この設定で作ったら30年前(2021→1991)ということはほぼほぼ『バブルへGO!』という別の作品になるな。それと今後はそういう設定の作品も不可能になるだろうな。失われた40年→失われた10年の時代に飛んでも……。ということになる。1994年の作品だからこんなことが出来たし、映画化も出来たのだ。

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