平成名文学考 余談 なぜ異世界転生をしたがるのか

答えは「この国でもう生きていたくない。でも自殺する勇気もない」からです。そういう文学が平成の本当のブームです。そういう意味では「なろう系」は私は非常に高く評価しています。『希望は、異世界転生(死ぬこと)』というのは平成の本質です。もう平成と言う時代は『死』でしか解決が困難な時代に陥ったのです。失われた30年と超少子高齢化というこの2つの厳然たる事実はそれが物語っています。出生数は平成元年には125万人もいてそれが令和3年には80万人を切りそうだ。どっからどう考えても団塊世代と団塊ジュニア世代があの世に行っても少子化問題は解決しようがない。人口が減るから需要減でデフレだし国力も減退する。なにせこれから人口が8000万人も消えていくのだ。たった100年間で。そんな絶望の国で希望を語る奴はペテン師か精神異常者のどちらかだ。

自殺って凄くエネルギーの居る事なんだ。ほとんどの人はそれが出来ない。だから文学というバーチャルの世界に仮託して『トラック転生』する。そういう社会を異常と言わない社会は異常だし社会学者が「これは深刻な社会病理です」と言わない方がおかしい。

なんで移民と言う選択肢も考えられないのか。答えはこの国がいまだに先進国だという幻想を抱いているからだ。だから「日本スゴイ系」番組が大流行する。本当は嘘・プロパガンダって事は自分は分かってるのにあえてその嘘に載ってしまう。あげくに究極の大嘘である東京オリンピック2020を開催してしまった。東京オリンピック2020は先進国・日本の葬式であった。

この国にまともな大人が居たらちゃんとこういうべきなんだ。

移民しましょう。移民を受け入れるのではなく日本人が先進国へ移民して外国で幸せをつかみ取りましょう」と。

今まで外国人技能実習生として『蟹工船』ばりの奴隷労働を強いた事実はこれから21世紀の徴用工問題としてベトナム政府からは特に国家損害賠償を日本国政府に請求されることだろうし「日本って地獄だから行かない方がいいよ」という噂や評判はもう東南アジア中にとっくに広まってると思う。だから外国人からも見捨られて人口学的に日本は終わっていく。「タイタニック」の一等船室のチケットに意味なんてない。「タイタニック」とは今の日本の事だ。「異世界転生する前に移民して人間としての幸せを手に入れよう」というのが真の大人の意見だと私は思う。もうこの国は今更「新しい資本主義」と言って方向転換しても手遅れなのである。どれだけこの国は新自由主義経済に見えない命を、つまり新しい命を殺されたか。社会の再生産能力を奪われたか。もう手遅れなのだから残された道は1つしかない。人間として幸せになりたければ日本から出ることである。


ちょっと待て 異世界転生の前に 先進国へ出稼ぎ

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