クウェートの失われた10年

クウェートって実は2012年まで北欧諸国並みの豊さを誇る最富裕国でした。が、原油価格の下落等で実は名目GDPでは大きく落ち込み、購買力平価ではもっと落ち込み日本にすら抜かれてしまったのです。

2011年には湾岸戦争のお返しにとばかりに三陸鉄道に車両を提供したほどの富裕国です。しかし2012年以降じりじりと貧困になっていくのです。

そうなんです。実は原油使用量って2010年以降横ばいなんですよ!!


じゃ、なんでサウジとかカタールとかUAEとかバーレーンってこんなことになってないのでしょう。簡単です。金融で儲けているからです。もちろんクウェートだって何もしてこなかったわけじゃありません。なんなら鉄鋼産業まで持ってる工業国です。しかし鉄って中国や韓国のお家芸なんですね。

(※余談ですがサウジは1983年から2004年までほぼGDPが横ばいとなる「失われた20年」を経験しました)

1人当たりGDP(PPP換算)
2012年 72,412.02
2020年 45,779.72 国民の富の約4割が吹き飛んだ
2023年 52,823.16

1人当たり名目GDP
2012年 45,522.56
2020年 23,017.71 約半減
2023年 32,638.04

で、クウェートってどうしたかというと奥さんを働きさせます。このため中東産油国では異様に女性労働参加率が高いのです。ですが女性参政権が無く女性達が暴発寸前です。でもこれを実は行えばクウェートって工業国家でもあるので先進国認定を正式に受けられるのです。しかし労働者が増えてもGDPは逆に減ったのです。原油価格?それは最も大きいファクターでしょう。なんせ90%もの収入が原油なんですって。

クウェートは国民の60%が出稼ぎ労働者で生粋のクウェート国民は40%でそのうちの40%を見れば一見豊かに見えます。その40%の中でも共働きに出る必要性が生じたのです。じゃ、台湾みたいに二馬力で購買力平価が爆増していいじゃないですか。クウェートはそうならなかったんですよ。

女性単純サービス労働者を増やしても富の1円の付加価値ににも貢献しなかったのです。要は夫が「パートに出てくれ」とか「契約社員になってくれ」と第一婦人や第二婦人などにお願いしてもそれは正社員でないと駄目なんですね。ゆえにイスラムの教義を壊さない範囲で……というか単に育児休暇を充実して管理職増やせばいいだけと違うの?契約社員だろうが正社員だろうが労働時間に変わりは無いじゃん。だからクウェート国内で女権運動が爆発したのです。

まあ夫が第二婦人に向かって「何で夕食の料理を作らないんだ! バカ!!」みたいなことしなければ、あと保育園を充実させればこんなことになってないんです。「何?それだとイスラムの男として甲斐性なし?」奥さんを働かせてる時点でもう奥さんに頭下げる状態ですよ。

だったらもう女性参政権を認めないと。ちなみに健康・福祉・医療は世界トップクラスです。そんな国でも富の半分が吹っ飛ぶことが起きてたのです。クウェート男が年収900万円男から年収420万円男に落ちた計算ですからね。なのに日本のマスコミって本当に世界のニュースに興味を失いましたよね。大谷はいいからこういうことを報道してほしいのです。

あと、クウェートはUAEのようにいい加減に緑化をするべきです。

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