平成名文学考 第8章 『OUT』

まず発行年見て驚くわけだよ。1998年だよ。1998年に夫のDV、リストラ、家庭崩壊、認知症介護、ギャンブル中毒を書いてるわけ。でもそうだよなって。もう1998年頃に日本の家庭はあちこちで壊れていたよなって。つまりいろんなご家庭が文字通り「OUT」だったわけだよ。

で、この人たちは東京近郊のデリカ工場で主婦パートとして働いていたわけ。そういう人に限って異常犯罪に手を染めるわけだよ。

まさに平成文学の典型だなって思って。今だったらこういうデリカ工場って外国人技能実習生だらけなんだろうなって。つまり賃金を引き上げたり「自動化」せずに低賃金労働者に頼ってばかりで設備投資も碌にしてないからたぶん工場の光景はほぼ同じのはずだ。働いてるメンツが日系ブラジル人がたまに居る光景からほぼほぼベトナム系を中心とした実習生になっただけでより一層OUTな光景になってる。

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