簿記の職業訓練について 第1回

 簿記の資格について以前にも取り上げましたが、公共職業訓練の簿記や経理の講座は、資格としては日本商工会議所主催の日商簿記3級や2級が対象となります。
 内容はビジネスの基礎となりますので、資格取得後の将来に向けたキャリアプラン、そして能力開発の必要性を意識したうえで学習に取り組んでほしいと思います。
 何故、簿記がビジネスの基礎なのかと言いますと、会社や事業経営の基本的な枠組みを学ぶことができるからです。

3級の学習範囲を見ると、

1, 簿記の基本原理として、
基礎概念(資産・負債・資本とは、収益・費用とは、損益計算書と貸借対照表の関係)、
取引(取引の意義と種類、取引の8要素と結合関係)、
勘定科目(勘定の意義と分類、勘定記入の法則、仕訳の意義、貸借平均の原理)、帳簿(主要簿、補助簿)、証ひょうと伝票(証ひょうからの仕訳、伝票)。
2, 取引の処理として、
現金・預金、(有価証券は2級です)、売掛金、買掛金、その他債権・債務、手形、債権の譲渡、引当金(最近、地方銀行が積み増して減益決算になり話題になった「貸倒引当金」は2級です)、商品、有形固定資産(無形固定資産、投資、リース取引、外貨建て取引は2級です)、損益と費用、税金。
3,決算(試算表の作成、精算表、決算処理、決算整理後残高試算表)

…などです。


 これらのことを学ぶと、企業活動が資金の出入りと循環として概要を把握することができ、ご自分の活動がどうやって企業収益の獲得に結びついて行き、どうやって自分の給与を払っているのかよく理解することができると思います。
 企業で働く時に企業活動の全体を見渡すことができる、必要な知識だと感じます。もちろん、ご自分が事業を起こす時にはなおさらです。
 求職活動中の方々に、一度簿記や経理の職業訓練の受講を検討されることをお勧めします。

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