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カコジョのイグたん

私には「川村美玲」というアカウントがある。それをカコジョとしての名前にするのが自然なのだろう。
そうしなかった理由について、私はたびたびTwitterで発言してきた。「美玲」とは私が書いた小説の登場人物の名で、そのアカウントは彼女自身のものという設定だったが、実際は私が女性として振る舞える場であったのだ。美玲のアカウントにいるときの私は女性であり、「加工」という修飾は不要。というより、付けたくない。
美玲のアカウントが女性ならば、メインアカウントで女性を装う必要はない。実のところ、美玲に私の中の女性的な部分を引き受けさせて、メインの方では肉体的・社会的な性と同一の自分を表現していこうと考えていた。
ところが、美玲として過剰なくらいに女性の自分を表現しても、メインアカウントに男性性は現れてこなかった
結果としてメインアカウントで表現する自分は、男性と女性のどちらともいえない曖昧な性自認を持つこととなった。そして、そのアイデンティティこそが「カコジョのイグたん」に相応しいと確信したのだった。

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