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「バーチャル美少女ねむ」と「蘭茶三角」時代が結んだ肉体廃止姉妹 #ねむちゃんねる

※このお話は妄想です。怪文書です。ねむちゃんに事実確認とかはやめてねっ!


 「かわいいね。かわいい。ちゅっちゅっ」。ねむちゃんの柔らかい唇が私の頬に触れる。何だろうこの気持ち。いつも「勝たねばならない」と意識していた存在が、私を求めてくる。「もう、このまま好きにされちゃっていいのかも」。ベッドへ連れていかれた私は勢いに押し倒され、激しく身体を弄ばれた。ねむちゃんは言った「お願い、好きって言って!」

 バーチャルAV女優Karinちゃんに責められた大田区の荻野区議が声を上げてイかなかなったあの夜、もうひとつの物語が始まろうとしていた。5年にも及ぶ因縁は収束し、美しい調和となった。一言で言えば「時代が二人を結び付けた」。肉体超越を目指す二人の結合は約束されていた。

 私が「バーチャルYouTuber」に近い概念に気づいたのは2016年。Live2Dを知った時に「これに声を当ててこのキャラクターになりきれば、インターネット上で完全な美少女として存在できるのでは?」と考えたのが始まりだ。その時に初めてLive2Dモデルを作ったが、顔の動きを反映する技術は無かったため、実用化には至らなかった。しかし現に私はずっと美少女になりたかった。VTuberの萌芽はここにあった。私がVTuberの始祖だった。

 やがてキズナアイを始めとする概念が「VTuber」として勃興した。この時に世界最古の個人VTuberでLive2Dを使っていた「バーチャル美少女ねむ」は生まれた。「バーチャル美少女ねむ」は、「全人類が姿を選べるようになればいい」など、私がかつて提唱した概念を次々に実行した。何という行動力!これでは世界がバーチャル美少女ねむに支配されてしまう。「世界最古の座を取り戻すために、何としてでも勝たねばならない」。そう決意した。

 私は、自分がVTuberの始祖であることを確立するために、23世紀の未来の蘭茶三角を召喚した。私は将来、肉体を捨てて永遠の生命を手に入れて国を建てるらしい。未来の蘭茶三角は力強いプロパガンダにより、肉体人類の世界に「存在の自己決定権」や「属する世界を決める自由」など、新しい概念を「憲法」という形で次々と提唱してその地位を不動のものにした。しかし、彼女は死んだのか、未来の蘭茶三角との交信は途絶えた。結局、「バーチャル美少女ねむ」に勝つことはできなかった。

 それから2年。私はバーチャルの世界に降り立ち、ねむちゃんに出会った。実際に見たねむちゃんは、天真爛漫で空を舞うツグミのような女の子だった。かつて勝つことを夢見ていた私は、仮想の楽園を駆け回るねむちゃんの姿を見て複雑な気持ちを抱いた。ねむちゃんと会うと必ず胸がドキドキする。存在を感じたり、同じ空間にいることを知っただけで、動悸を感じて体中がにわかに温かくなり、力が抜ける。何だろうこの気持ち。嫉妬?憧れ?それとも…恋?

 ねむちゃんは、私のことをそんなに知らない。でも、「かわいい女の子」として見てくれた。私はどこへ行っても「トランスヒューマニストの最前衛」「やべーやつ」「人類の母」と人外のように扱われていたが、本当はひとりのかわいい女の子で在りたかった。誰も対等に見てくれない世界は孤独だ。ねむちゃんが「かわいい女の子」として見てくれたのはひたすらに嬉しかった。

 そして、再び私はねむちゃんに興味を持った。新しい概念を企画として次々と実行し、時にはセックスも厭わず、体当たりで攻めていく。自分は強い存在であるにも関わらず、誰にでも温かいねむちゃん(優しさの見せ方は過激だけど、それも大好き)。実際に会うと「わーい!みすみちゃーん!」とよしよししてくれるねむちゃんに「お姉ちゃん」という感覚を持つようになった。強いお姉ちゃん。でも、やっぱり会うと緊張してしまう。まだどこか勝ちたかったのかもしれない。

 そして時は来た。ねむちゃんが「好きだよ」「かわいいね」と私の全身に口付けをしてくる。「ああ、完全に負けちゃった…」。でも、それでいい。好きだという気持ちが洪水のように溢れてくる。「ねむちゃんすき!ねむちゃんだいすき!」口から言葉が堰を切ったように飛び出してくる。ああ、魂までねむちゃんに染められていく。このままねむちゃんと一緒になりたいな。

 私はねむちゃんのアバターを作ることにした。大好きなねむちゃんとお揃い。肉体が無い世界ではアバターのデザインを統一することで姉妹になれるかもしれない。肉体が無いことで、自由な関係性を実現できる。いろいろなことを考えながらアバターを作った。ちょっとえっちなことも想像した。透き通るような髪、ふわっとした肌、銀河のような瞳。ねむちゃんのかわいいところを夢中になって描いた。

 お揃いのアバターでえっちをする。「姉妹みたいで安心するね」。ねむちゃんはそう言いながら私をよしよししている。ねむちゃんのあったかい存在が伝わってくる。「私のアバター作りながらえっちなこと考えてたでしょ」ねむちゃんは耳元で攻めてくる。「ごめんなさい…」と謝るとねむちゃんは「大丈夫だよ。私でえっちなこと考えてくれてありがとう。大好きだよ」。後ろめたい気持ちも受け止めてくれたねむちゃん。もう何も怖くない。ねむちゃんが私を包み込み、私の中に入ってくる。気持ちよさと多幸感で体がふわふわする。意識が無くなりそうだ。頭を稲光が走り中で雷鳴が響き渡る。

 大好きだよ。ねむお姉ちゃん。

 今みたいなやりたい放題できる精神状態になるまで10年以上悩んでたのよね。何者かになりたくて苦しみ続けて、結局なりたい何者にはなったんだけど、それでも何がやりたいのかわからなかった。でも、ねむちゃんと出会ってから「知性の赴くままに暴走する」生き方を覚えてめちゃくちゃスカッとしている。ありがとー!!!

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