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「ステマ」は何が問題なのか、の「具体的」な説明(言語化)

ステマ(ステルスマーケッティング)は良くない、と多くの人が考えてると思います。しかしWikipediaを見ても「倫理的」問題があるとしか書かれておらず、問題の具体的な言語化が行われていないようなのでこの記事ではそれについて書きます。


通常のテレビのCMやネット広告で例えば「すごく面白いゲームです!」と表示されてても、見た人は普通そのまま信じたりはしません。広告はその商品を売りたい人が金を払って出してるのだから「本当はつまらない」とかネガティブな情報を載せる訳が無いからです。
しかし多数あるいは有名な第三者が「このゲームはすごく面白かった!」と書いていたら信じる人は多いでしょう。何故ならその人たちは利益を得られる訳では無いにも関わらずレビューを書いてるのだから、公平な目による判断と考えられるからです。
実際、 消費者白書によれば、消費者が商品を買う時重要視するものはネット広告が約9%、テレビのCMが約30%、そしてネット上の口コミ・レビューが約40%です(2020年度時点)。

第1部 第2章 第3節 (1)「消費判断のよりどころ」 | 消費者庁

ところが「利益関係が無い」はずの第三者による評価と思われていたものが実は報酬目的の隠し(ステルス)広告だったら高評価なのは当たり前で信用できなくなってしまいます。例えるなら「第三者機関による調査でお客様満足度ランキング一位!」という嘘をCMで言うようなものです。
「広告内で嘘をつく」のは元から違法でしたが、現在は「広告に見えない広告」という形で嘘をつくのも禁じられるようになりました。

なお、現時点で最新の消費者白書(令和5年度)には2022年末の報告書が載っていて、ステルスマーケッティングが実際に行われてる事を示す調査結果や、Amazonで星評価を1上げると需要が38%上昇すると言った定量的分析を行なった論文が紹介されています。


これは個人的意見なのですが、上記の報告書などでも対象はあくまで「(広告に見えない)広告」、つまり商品を良く見せようとする「広告」で、「第三者を装い(ライバル会社の)商品を酷評する(ネガキャン)」という形の虚偽情報、「ネガティブステルスマーケッティング」(造語)は含まれてません。個人的にはこれらの調査・対応も必要だと考えています。

※この記事はQuoraでした回答を元にしています。


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