日々是精進 ④

どうも松下です。

四回目になりました。

ポストプロダクション、通称ポスプロと称される撮影後の作業に全く触れてこなかった私。

プリプロ時に文字で表現されていた作品の世界感は、撮影によって映像という表現に変わり、ポスプロによって映像は何度も加工され、ようやく作品となって視聴する人々の元へ納められます。ランプという会社に入り、初めてポスプロ作業に参加したことで、撮影後に待ち受ける様々な作業にいちいち面食らっておりました。

このポスプロという業務には、幾つもの作業が含まれていました。

撮影した素材をそのまま使って行う“オフライン編集”によってバラバラだった映像が徐々に繋がっていき、作品としてテーマやストーリーを感じられる程の体を成したことに「すげーなぁ」と感動していたのも束の間。

次に “カラーコレクション”&“カラーグレーディング”というやつがきました。

多分、色系の作業っすね。

聞くと“カラーコレクション”通称カラコレとは、使用した映像素材の明るさやカラーバランスの調整や複数の映像の色彩を統一させるような補正の事で、その作業後に作品の世界観や登場人物の心情等を表現する為に、思い描く理想のイメージの色に調整するのが“カラーグレーディング”との事。

色を演出するというやつです。なんかかっこいい。

色を操作する事で作品やシーンが持つ印象を際立たせたり、全く別の印象に変えることができ、視聴者が時代や季節や心情などを感じ取れる作品にする為にはとても重要な作業でした。

めっちゃ良い感じの画になったなぁ…
なんて思っていると“本編集”(オンライン編集)がやってきました。

正直、?でした。

聞くと、本編集とは編集のプロが編集に特化した高価な機材を使ってテロップを入れたり、合成したり、色調整をしたり、エフェクトをかけたりと作品の完成度を高めるためオフラインで編集したデータに基づいて、仮編集ではできない高度な演出を加えて仕上げる作業との事。

本編集は映像の見た目の仕上げを行う作業でした。

非常に高度な作業で、前に述べた“カラーコレクション”&“カラーグレーディング”も本編集の一部だったのですが、色の調整やエフェクトをかけたりして映像を加工したり、CGと実写を合成したり、視聴者に情報をより分かりやすく伝える加工としてテロップなどを入れていきます。作品のタイトルやエンドロールなども組み込まれ、作品としての完成度を高めていきます。

もう完成やん。
なんて思っているところに“MA”です。

なんか音の事をやるみたいです。

聞くと、“MA“とは“Multi Audio”の頭文字を取ったもので、編集が終わった後の映像にナレーションやセリフ、効果音、音楽などを入れて音の最終調整をする作業との事。

この作業がとても繊細で、この作業をオペレートしているミキサーさんの技能やセンスってめちゃくちゃ重要だと感じました。だって、編集段階の試写で聴いた音とMA後の音では明らかに映像の臨場感や説得力が違うんです。そんなことは当たり前なんですが…

実際の作業としては、まず“整音”と呼ばれる作業からはじまりました。撮影現場で収録された“同録(セリフなどの現場で収録されたもの)”は屋外・屋内などの環境による違いやピンマイク・ガンマイクなどの機材による音質の違いがあり、カット割りによる寄り引きでも音量・音質に違いが生じるのですが、整音によってそれらを自然に聞こえるようにします。さらに、制作部時代に上司や助監督、録音部に要請を受けて行った“音止め”(撮影場所近辺で工事があったり、車が行き交ったりするとその音が録音されてしまうため、音の発生源を捜索し、頭を下げて工事作業や車の走行などを止める業務。止まるまで現場に“待ち”ができるため撮影スタッフにイライラされ、止めてしまうと止められた事で機嫌を損なった人にキレられる。制作部時代の私がやりたくなかった業務の一つ)ではどうしても止められず、収録してしまった雑音を整音によって消したり、気にならないレベルまで調整してくれたのです。※正直ここが感動しました。

さらに音効さん(音響効果)が用意した“音楽・効果音”の素材をミキサーが調整しながらつけていき、必要な場合はナレーションやアフレコを収録。
最終的にこれまでに用意した“整音済み音声”“音楽・効果音”“ナレーション”などを混ぜ合わせてセリフを立たせるシーン、音楽を立たせるシーン、それぞれの印象を大きく変えバランスをとりながらミックスします。

MA作業によって繊細に調整された音により、それまでの編集で行った映像に対する加工や調整がとても効果的で印象的にものになっていました。

そんなポスプロ作業に行き当たりばったりで突っ込んだ私は、どんどんやってくる作業でどんどん変容してく映像にうろたえつつ感動し、作業が持つ効果は勿論のことそれをオペレートするプロってすげーなぁ、、、と毎回月並みな表現しかできませんが感服しきりっぱなしなのであります。

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