雑誌広告のサブコピーに衝撃を受けた話

美大を目指してから卒業するまで、本当に色々な表現方法を扱った。

結果的に原点である「言葉」での表現に回帰したわけだが、その理由というのが、予備校時代に買い漁った広告コピー集や詩集の力強さだった。

ちなみに、学生時代に何度も読んだのがこの本。
日本のコピーベスト500

17歳当時、思春期真っ只中の私はエモ系コピーが大好きだった(いまだに大好き)が、数あるエモ系の中でも最も刺さったのが、このコピーであった。

「私、誰の人生もうらやましくないわ。」

99年の松下電工、児島令子さんのコピーである。

シングル女性向け家電の広告なのだが、なんて格好いいコピーだろうか。初見時は言葉で殴られたような感覚だった。

あれから8年経ってこのnoteにこのコピーを紹介するにあたって、どんな使われ方だったのか気になって調べたところ、2016年に同じコピーでリメイク広告を作っていたらしい。

17年前の雑誌広告コピーを復活させた、パナソニックのリメイク広告

サブコピーの量がすごい。でもそれ以上に、このサブコピーによってメインコピーの印象がほぼ真逆になったことが衝撃だった。
全然格好よくない、けど強がりで愛嬌のある生活感に溢れた女性の像がそこに見えるようだった。

サブコピーも含めて名コピーとして載せてくれればいいのに…などと思いつつ、広告コピーへの興味が深まった体験だった。

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