熱振動と活動電位

知恵袋にこんな質問が。 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11110309661
解答者にボロクソに言われてますが、この解答者も微妙ですよね。

恐らく質問者さんが聞きたかったのはこう言うことではないでしょうか?

温度が上がると熱振動の振り幅が増え、電子はスムーズに原子間を移動しづらくなる。
温度が下がると熱振動が抑えられ、電子はスムーズに原子間を移動しやすくなる。
電池を冷やすとちょっと復活するという雑学はここから来る。
しかし、神経の伝導速度は冷やすと遅くなるとある。
神経も活動電位という電気信号であるならば、熱振動が適用されるはず。
なぜ真逆なのか?

これは一見真逆の説明のようだが、そもそもこの2つを同じステージで考えることがおかしいのである。
まず、熱振動は原子レベルの小さな世界の話である。
それに対して、活動電位は原子が合わさり分子になり、分子が合わさり細胞になった世界での話である。
また、活動電位の伝導はただ電子が原子間を移動して軸索を伝わって行くわけではなく、Naチャンネルの開閉などのタンパク質レベルでの化学反応が必要になる。
そして、タンパク質の化学反応に必要な酵素は、温度が密接に関わっている。
以上のことから、この二つは全くステージ、環境の違う話であり、どちらも正しいのである。

ちなみに、電流が流れると言うことは電子はその逆に流れるわけですから、仮に電流が流れ続けたら電位は上昇すると思うのですが。
ただ、生体内においては、K+の細胞外流出や速やかなNa+の排出により電流が流れ続けること自体がないでしょうが。

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