櫻田 雄士

海外ショーモデル施術数日本一を誇る生化学オタクの治療家です。生化学に基づいた身体に関す…

櫻田 雄士

海外ショーモデル施術数日本一を誇る生化学オタクの治療家です。生化学に基づいた身体に関する記事を掲載して行きます。 http://laluz-shinkyuin.com

記事一覧

発がん性物質を生化学オタクが切る!

個人的には、免疫細胞さえしっかり働いていれば発がん性物質なんてどうでも良いと思ってます。 多くの発がん性物質が、実際にはまだ詳しい調査が必要だったりするレベルで…

櫻田 雄士
4年前
2

フルーツの裏事情

人間の身体には生命を維持する上でビタミンが必要不可欠です。 そのビタミンを補う方法の一つとして、フルーツを食べることが普通になってますが、皆さんはフルーツが身体…

櫻田 雄士
4年前
2

抗がん剤を怖がる方へ

以前、FBで上げたものなのですが、埋もれさせるのは勿体ないのでnoteに再投稿しました。 抗がん剤に関するコラムになります。 ゴミみたいな記事が出回りまくってるので、…

櫻田 雄士
4年前
1

コラーゲン

コラーゲンのコラムをver2.5として書き直してみました。 説明上、専門的な言葉も入ってしまいますが、出来るだけ分かりやすく書いたつもりです。 良かったら参考にしてみて…

櫻田 雄士
4年前
4

マグネシウム

マグネシウム(Mg2+)は、ミネラルの一つで骨や歯の形成に必要な元素です。 そんな中、生化学の教科書には神経や筋肉の興奮性を低下させると書かれている事も多いのですが、…

櫻田 雄士
5年前
3

ケトン体

グルコースの不足によりオキサロ酢酸が減り、クエン酸回路が回らなくなると、脂肪酸のβ酸化で生じたアセチルCoAはケトン体の合成に入ります。 ケトン体には、 アセト酢酸…

櫻田 雄士
5年前
3

β酸化

食事をして4〜5時間もすると、肝臓のグリコーゲンの分解による血中へのグルコース供給も減り、それに伴い各組織でトリグリセリドの加水分解が始まります。 脂肪組織で生じ…

櫻田 雄士
5年前
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糖新生

人間は、血糖値が50〜60mg/dl以下になると低血糖になり脳に影響が出てしまいます。 また、活動中にも関わらず10時間くらい摂食しないと、肝臓のグリコーゲンの分解も尽きて…

櫻田 雄士
5年前
2

ATP合成酵素とATP生成量

ATP合成酵素はミトコンドリア内膜に埋め込まれたローター部分(Fo)と、bサブユニットに固定されマトリックスに突出したATP合成部分(F1)からなります。 ローターの脇にaサ…

櫻田 雄士
5年前
2

電子伝達系

解糖系、クエン酸回路と来たので、電子伝達系をまとめてみました。 ATP合成の基盤となる部分であり、個人的には理解すると生化学がとても楽しくなる部分だと思います。 電…

櫻田 雄士
5年前
2

クエン酸回路(TCAサイクル)

クエン酸回路はミトコンドリアのマトリクスに存在するシステムです。 クエン酸回路は、アセチルCaAが組み込まれることによって反応が始まります。 そのためには、まず解糖…

櫻田 雄士
5年前
3

解糖系

解糖系は細胞質で1分子のグルコースから2分子のピルビン酸が生成される過程をいいます。 グルコースからピルビン酸への過程は以下になります。 グルコース グルコース-6-…

櫻田 雄士
5年前
3

痛みの機序 ver2.0

炎症によって細胞膜から切り出された不飽和脂肪酸のアラキドン酸が、プロスダグランジン合成酵素(cox)によってプロスダグランジンE2になります。 そのプロスダグランジンE2…

櫻田 雄士
5年前
3

熱振動と活動電位

知恵袋にこんな質問が。 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11110309661 解答者にボロクソに言われてますが、この解答者も微妙ですよね。 恐ら…

櫻田 雄士
5年前
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痛みの機序

自由神経終末の細胞膜-70mVに刺激が加わると細胞膜が興奮し、Naの透過性が2000倍近くに高まる。これによりNaが細胞内に流入し膜電位が脱分極し局所電位が起きる…

櫻田 雄士
5年前
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アイシングは必要ない vol.2

先日、キックの練習をしているときにバッティングをしてしまいました。 (バッティングとは頭と頭ががつんとぶつかることです。) 目の少し上だっただけに想像以上に痛くのた…

櫻田 雄士
5年前
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発がん性物質を生化学オタクが切る!

個人的には、免疫細胞さえしっかり働いていれば発がん性物質なんてどうでも良いと思ってます。

多くの発がん性物質が、実際にはまだ詳しい調査が必要だったりするレベルです。
必要以上に神経質になるくらいなら、気にしない方がよっぽどストレスフリーになって身体に良いと思います。

そこで今回は、アクリルアミドを例に上げて説明したいと思います。
アクリルアミドは、高温で揚げたものや焦げに含まれる発がん性物質と

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フルーツの裏事情

人間の身体には生命を維持する上でビタミンが必要不可欠です。
そのビタミンを補う方法の一つとして、フルーツを食べることが普通になってますが、皆さんはフルーツが身体にもたらす影響をどこまでご存知でしょうか。

美容に特化するなら、フルーツは食べない方が良い。

それでは、信じたくない方のために、説明して行きましょう。
最初に一般の方向けに説明し、最後に専門の方向けに捕捉を書いてます。

フルーツを食べ

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抗がん剤を怖がる方へ

以前、FBで上げたものなのですが、埋もれさせるのは勿体ないのでnoteに再投稿しました。
抗がん剤に関するコラムになります。

ゴミみたいな記事が出回りまくってるので、生化学オタクとして抗がん剤を薦める理由を書いてみました。
まずは、がんを超〜わかり易く説明してみたいと思います。

がん細胞は、外から入って来たウイルスや菌ではなくて完全に自分の細胞です。
簡単に言ってしまえば、仕事をしない自分の細

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コラーゲン

コラーゲンのコラムをver2.5として書き直してみました。
説明上、専門的な言葉も入ってしまいますが、出来るだけ分かりやすく書いたつもりです。
良かったら参考にしてみてください。

私達の体内において、コラーゲンの活躍の場は多岐に渡り、はっきり分かってるだけでもⅠ型〜ⅩⅤⅢ型まであります。
そんな中、今回は多くの女性が気になるⅠ型を始めとする肌のコラーゲンを見て行きます。

I型コラーゲンのコラー

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マグネシウム

マグネシウム(Mg2+)は、ミネラルの一つで骨や歯の形成に必要な元素です。
そんな中、生化学の教科書には神経や筋肉の興奮性を低下させると書かれている事も多いのですが、その書き方ゆえ多くの人がマグネシウム自体にその能力があると勘違いしてしまいます。
確かに間違いではないのですが、かなり簡略化した書き方であり、実際はあくまでも補助因子として働いているに過ぎません。
例えば…
筋肉の興奮性を低下させる。

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ケトン体

グルコースの不足によりオキサロ酢酸が減り、クエン酸回路が回らなくなると、脂肪酸のβ酸化で生じたアセチルCoAはケトン体の合成に入ります。
ケトン体には、

アセト酢酸
3-ヒドロキシ酪酸
アセトン

の3つがあります。

合成過程は以下になります。
グルコース不足下で増え過ぎたアセチルCoAは、チオラーゼとアセチルCoAによりアセトアセチルCoAになります。

アセトアセチルCoAは、HMG-Co

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β酸化

食事をして4〜5時間もすると、肝臓のグリコーゲンの分解による血中へのグルコース供給も減り、それに伴い各組織でトリグリセリドの加水分解が始まります。
脂肪組織で生じた脂肪酸はβ酸化によりエネルギーとして利用されます。

β酸化はミトコンドリアのマトリックスで行われるため、マトリックス内に入る必要があります。
まず、脂肪酸はミトコンドリア外膜にあるアシルCoA合成酵素によってアシルCoAになります。

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糖新生

人間は、血糖値が50〜60mg/dl以下になると低血糖になり脳に影響が出てしまいます。
また、活動中にも関わらず10時間くらい摂食しないと、肝臓のグリコーゲンの分解も尽きてしまいます。
そうならないように、グルカゴンの分泌をシグナルにグルコース以外の物質からグルコースを作るための仕組みが糖新生経路です。

糖新生は肝臓、腎臓、膵臓、小腸で行われます。
糖新生のおもな原料は、乳酸、グリセロール、アミ

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ATP合成酵素とATP生成量



ATP合成酵素はミトコンドリア内膜に埋め込まれたローター部分(Fo)と、bサブユニットに固定されマトリックスに突出したATP合成部分(F1)からなります。
ローターの脇にaサブユニットがあり、ここから濃度勾配を利用してH+が流入します。
その勢いでローターが回転し、ATP合成部位は変形を繰り返しATPが生成されます。

まず、ローターは8〜14個のcサブユニットという円筒形のタンパク質が束ねら

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電子伝達系

解糖系、クエン酸回路と来たので、電子伝達系をまとめてみました。
ATP合成の基盤となる部分であり、個人的には理解すると生化学がとても楽しくなる部分だと思います。

電子は、クエン酸回路の基質を始まりとして、NADHやFADH2を経て、複合体やユビキノン(Q)、シトクロムc(Cytc)を通ってミトコンドリア内膜の中を伝達されて行き、最後は酸素に伝達され水となります。
プロトンは、それぞれの複合体でミ

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クエン酸回路(TCAサイクル)

クエン酸回路はミトコンドリアのマトリクスに存在するシステムです。
クエン酸回路は、アセチルCaAが組み込まれることによって反応が始まります。
そのためには、まず解糖系で生成したピルビン酸がアセチルCaAにならないといけません。

ピルビン酸からアセチルCaAの生成には、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体という酵素と、チアミンピロリン酸(TPP)、リポアミド、CoA、FAD、NADという補酵素が必要に

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解糖系

解糖系は細胞質で1分子のグルコースから2分子のピルビン酸が生成される過程をいいます。
グルコースからピルビン酸への過程は以下になります。

グルコース
グルコース-6-リン酸
フルクトース-6-リン酸
フルクトース-1,6-ビスリン酸
グリセルアルデヒド-3-リン酸+ジヒドロキシアセトンリン酸
1-3-ビスホスホグリセリン酸
3-ホスホグリセリン酸
2-ホスホグリセリン酸
ホスホエノールピルビン酸

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痛みの機序 ver2.0

炎症によって細胞膜から切り出された不飽和脂肪酸のアラキドン酸が、プロスダグランジン合成酵素(cox)によってプロスダグランジンE2になります。
そのプロスダグランジンE2は、自由神経終末上にあるプロスダグランジンE2受容体に結合してホルモン感受性リン酸化酵素を活性化します。
このリン酸化酵素がカプサイシン受容体をリン酸化してナトリウムイオンが流入。
自由神経終末の細胞膜(-70mV)に刺激が加わる

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熱振動と活動電位

知恵袋にこんな質問が。 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11110309661
解答者にボロクソに言われてますが、この解答者も微妙ですよね。

恐らく質問者さんが聞きたかったのはこう言うことではないでしょうか?

温度が上がると熱振動の振り幅が増え、電子はスムーズに原子間を移動しづらくなる。
温度が下がると熱振動が

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痛みの機序

自由神経終末の細胞膜-70mVに刺激が加わると細胞膜が興奮し、Naの透過性が2000倍近くに高まる。これによりNaが細胞内に流入し膜電位が脱分極し局所電位が起きる。脱分極が閾値を越えると活動電位となる。発生した活動電位が神経線維を伝導することで痛みの信号が届く。

毛細血管や筋線維に、痛覚線維はない。
筋肉の痛覚線維は、筋線維を包む結合組織(筋膜)、細動脈のまわりおよび筋肉と腱の結合部にみられる。

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アイシングは必要ない vol.2

先日、キックの練習をしているときにバッティングをしてしまいました。
(バッティングとは頭と頭ががつんとぶつかることです。)
目の少し上だっただけに想像以上に痛くのたうち回ってました。
そしたら、ふとアイスパックを差し出されました。
こんなの効かないよと思いながら、せっかくなので実験してみることに。
アイスパックを当てたところ、患部が頭だったからかアイスを食べたときに眉間が痛くなるあの痛みが襲ってき

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