見出し画像

To Stop リストをつくる

To Stop リストとは

仕事や私生活で「やるべきこと」をまとめた To Do リストを作っている人は多いだろう。

では「やめるべきこと」をまとめた To Stop リストについてはどうだろうか?

どんなことでも、一度はじめてしまうとなかなかやめづらいものだ。そして「はじめてしまったからやめない」ことが積み重なっていくと、自由になる時間がどんどん少なくなっていく。

三ヵ月に一度でもいい。半年に一度でもいい。もしかしたら一年に一度でもいいかもしれない。「これ、本当に続ける必要あるの?」というものを整理した To Stop リストをつくってみよう。

To Stop リストの効果

To Stop リストをつくることで、惰性でなんとなく続けてしまっている無意味な定例会議や、もう飽きているのにずるずると時間やお金を使ってしまっている趣味に別れを告げることができる。手作業でやり続けるのは非効率だとわかっていながらも自動化せずにずっと続けてしまっている作業を見直すことができる。こうしたことは、何かきっかけがないとそのまま続けてしまいやすいものだ。

私がはじめて To Stop リストをつくったのは、2017年頃だっただろうか。セゾン情報システムズの常務 CTO として仕事をしていたころに、社長の内田さんが「各事業部で To Stop リストをつくろう。そしてやめることを決めるだけでなく、その空いた時間で伸ばすことをそれぞれ3つずつ決めよう。これを 3ups としよう」と提唱したことがきっかけだった。

するとおもしろいことに、各事業部の「いつかやめなきゃ」が To Stop リストとして、そして「いつかやらなきゃ」が 3ups として、たくさん上がってきたのだ。それらの多くは一見しただけで「これはやめたほうがいいね」、「これをやったほうがいいね」と思えるものばかりだった。つまり必要なのはきっかけだけだったのだ。

To Stop リストのつくりかた

では To Stop リストをつくるにはどうすればいいだろうか。答えは簡単だ。To Do リストと同じようにすればいい。「誰が」、「いつまでに」、「何を」やめてみるのかをリストとして書きだすだけだ。

中には、やめたときの影響範囲が分からず、やめるリスクが大きすぎるように感じられるようなものもあるだろう。その場合にはいきなりいまのやり方を撤廃するのではなく、限定的な範囲で実験的に「やめてみる」ことをすればいい。それで問題ないことが確認できてから、いまのやり方を撤廃すればいいのだ。

慣性の法則は物理の世界だけでなく人間の生活や仕事にも当てはまるものだ。私たちはついつい昨日していたことを今日もしてしまう。そしてきっと、明日もしてしまうのだ。だから定期的に、やめる道へと続く分岐路をつくったりブレーキを掛けたりすることを検討していかないと、いままでしていたことに時間をかけすぎて、未来に向けて新しい何かに時間を使っていくことができなくなってしまう

だからこそ、To Stop リストが必要なのだ。

試しにぜひ一度、仕事と私生活それぞれについて To Stop リストを作ってみてはどうだろうか。あきらかにやめるべきなにかが見つかるかもしれない。そしてそこで生まれた時間は、明日からの人生を少しだけよくすること、もしかするとずっとよくすることに使っていくことができるかもしれない。

さいごに

本を書きました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?