誰も懲りない

誰も懲りないを読んだ。著者は中村珍。羣青の中村珍だ。
読むに至った経緯は、最近中村珍何してるのかな、と思ったからだ。Xも動いてないしnoteの更新は3年くらい止まっている。
目撃情報とかないかなぁと思ってXで検索したら、羣青に似た漫画があるという。
その漫画は、夫からDVを受けていた女を女友達が夫を殺して2人で逃げる漫画らしい(読んでないので詳細はわからない)。

いや、それはもうまんま羣青では

同じように感じた人がこの似た漫画の作者にこれは群青なのか?とつめていたが、本人は
「私はその作家さんの作品について申し訳ないことに触れたことがないのですが、好きな作品に似てるというのは心がザワザワするものだと思います。
(中略)とはいえ、拙作の舞台は今後ほとんど海外ですし、何よりも一人一人伝えたいメッセージは異なるものだからこそ物語を作れるはずなので、その作品が素晴らしいのであれば、なおさら重なると感じる部分はなくなるかと思います。心のザワザワを取るのも難しいと思うのですが、自分が伝えたいメッセージをこれから一生懸命描いていくので、よければそっと見守っていただければ幸いです」
とのこと。

いや〜ザワザワねえ、、Netflixでドラマ化もしてるし、羣青の2人が海外には行かないこと知ってて、羣青を知らないはどう?
と思うのが正直なところ。
そしてこの人は絶対中村珍ではないな、あの人はもっと聡明な物言いでぐうの音も出ないほどつめてくるだろうな、と。ザワザワって。なんやねん。舐めてんのか。舐めてんだろうなあ。

私は中村珍がすきだ。
自分の考えにも及ばない範囲の善悪や苦楽を産地直送で届けてくれる作家だとおもう。
活きた地獄。生きた苦しさ、かなしさ、どうしようもなさが、いとおしさが、彼女の作品にはたくさん詰まっている。
とても聡明なひとだとおもう。
それまでのエッセイなどで彼女の生い立ちが複雑なものということは知っていた。んだ、けども。

誰も懲りないを読んで、ああ〜あああああああああああああああああああああ 
というかんじ、、
言語化できないよ。絶望とか希望とか地獄とか天国とか好きとか嫌いとかそんかかんたんな言葉で、単語で、済ましていいことではない。

家族の在り方。なんだろうね、家族。

きしえさんと最後にさつきさんが出てくる。それだけが救いだった。(わたしにとっての)

これを読むまではまあどこかで生きてるよな中村珍、と思ってたけど、読んだ後はご存命でないかもしれないな、と思った。
また彼女の作品が読みたいけれど、そう思う事は良いことなのか、わからない。

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