行徳百景(7)激辛ラーメン鷹の爪

家の近くで行きつけの店ある?
と聞かれると少し困る。


外食をしていない訳ではない。

なんせチェーン店の街と言っていいほど、あらゆるチェーンがそろう街。

ミスド、マック、サイゼ、鳥貴、ドトール、吉野家、松屋、なんでもある。

便利だからついつい、チェーン店に行ってしまうのだ。
ただ、行きつけの店と聞かれて、チェーン店を答えるのはちょっと違う気がする。


いや、一つだけあった。
激辛ラーメン鷹の爪だ!

散歩中に見つけた行列のできるラーメン屋。
ネットで調べると、YouTuberが完食企画をしているのが出てきた。
食べログの評価も高い。
ふむ。


なんでもっと早く入らなかったんだ!
初めて食べたときそう思った。

辛いのがそこまで得意じゃない私でも、ハマってしまう味。
辛すぎない程よい辛さで、野菜もたくさん入っている。
食べ終わった瞬間からまた食べたくなる味。
2週間に一回は食べたくなる味。

コロナで外食できないとき、久々の外食に選ぶのはいつもここだった。
そして、コロナ中にも関わらず、この店だけは混んでいた。
やはり、美味い店はどんな状況でも流行るのだ。

鷹の爪はいつも大体30分くらい待つ。
それでも美味いのを知ってるから待つ。

待ちながらふと考える。
この人たちは一体どういう関係で、どうやって店を始めたんだろう。
店主っぽいおじさんと、若めの見習いの二人組。いつ行ってもこの2人だからバイトは雇わずに2人でやってるんだろう。

少し前に、三浦しをんさんの愛なき世界という本を読んだ。
主人公が店主1人で切り盛りする定食屋に弟子入りするという設定だった。主人公はその定食屋のご飯が大好きだったのだ。

この見習いの人も、ここのラーメンが大好きで弟子入りしたんだろうなァ。
そんなことを勝手に考える。
いつも笑顔で頑張ってて礼儀正しい。
早く店主に認められる日が来るといいね。

なんて勝手な妄想をしていたら、ようやく席に案内された。

ようやく鳳凰麺を食べれる。
この高揚感を味わいに、引っ越してからもたまに来よう。

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