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ファンタジー小説/サンダーコレクターシリーズ

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サンダーコレクターBLUE 完結 手直しまだしてない 元気ない 誰かしてくれめんす とある配信アプリの世界観をファンタジーにして、実在のライバーとリスナーだしてみた 即興で書い…
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#コレクター

ファンタジー小説/サンダーコレクター3

呪文かと思ったら、なにか歌みたいだった。 「吉川晃司だよ!知らないの?」 鼻歌かよ。壮大な感じだなと思ったのに。 「コレクターさんたちいつ来るか分かんないけど、新しい音好きだからいっぱい来るよ。 出来れば、その模様が確認できる方が喜ばれるけどね。 あと、積極的に新しい子は取り上げられるからね。」 お、きたきた。 水溜まりから、ニャックのような形のものが飛び出てきた。 水面に浮いて、こちらを見ている。 「これがコレクターさんたちだよ。 コレクターさんたちは雷が好き

ファンタジー小説/サンダーコレクター4

井戸に入ってきた雷の光は水溜まりの中に入り込んだと思ったら、様々な方向にぶつかって跳ね返っている。 キラーコメントの隙間から、その様子が垣間見れた。 ✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。⚡️⚡️⚡️⚡️⚡️⚡️⚡️⚡️ 思わず、色づく。 そのあと、ドォーンという雷鳴が轟く。 振動に耐えるべく、コレクターさんたちがキラーコメントを両手で押さえている。 雷を漏らさないようにキラーコメントが増えて、積み重なっていく。 「いやーいい雷鳴だねぇ。狭い空間使っ

ファンタジー小説/サンダーコレクター6

何だかんだで家に帰りついた。 疲れた。 そのままシャワーを浴びる。 部屋着に着替えて、スマホをいじる。 今って電気がないと何にもできないよな。 しみじみ思う。 ふと爪に目をやる。 さっきの爪につけられた、バッジが煌めいている。 何気なく触った。 そうすると、文字が浮かび上がってきた。 活動実績の総集のようだ。 きちんとログが取られていて、事細かにある。 解析もされているようで、次はこうしたらいいのではないか等や、次の気象情報とともにスケジュールの提案もあった。

ファンタジー小説/サンダーコレクター7

ゴロゴロ… あ、明け方に雨降るって言ってたな。 音で目を覚ました。 雷に反応しやすくなってるな。 「あ、起きたの?るなてゃん」 仰向けで寝てる私の顔をニャックが覗いてきた。 だから、ビビらせるのやめて欲しい。 「昨日集計して、D3にステップアップしたよん!なので出来ることも少し変わりまーす」 へぇと思う。 とりあえず私は外には出ないとダメみたいだ。 傘をさして、レインブーツを履く。 雨粒を弾いていく。あるいは、傘をつたってぽとんと雨が垂れていく。 水溜まり

ファンタジー小説/サンダーコレクター8

大きな水溜まりにいっぱいのコレクターさんで溢れかえってる。 次から次へと新しいコレクターさん達が集まってきた。 コメントで話しかけてあげたり、水溜まりの水をシャボン玉のようにしてきて、私が息でふーっと吹き返したり、反応すると喜んでいるようで手足をバタバタさせ、キラーコメントを形成していく。 前回よりもはるかに大きいキラーコメントの壁が形成されていく。 そして前回よりも大きな雷の一筋が入り込む。 ゴォォォォン。 雷鳴が轟く。 激しくて、こちらにまで振動が伝わる。 「るなち

ファンタジー小説/サンダーコレクター9

コレクターさんたちは内部でキラーコメントを両手で押さえつけて、猫耳の部分を相変わらずくっつけている。 今回は前回よりも広いからすごく振動などに耐えきれず、キラーコメントが波を打つ。ゆらめいている。 それも楽しんでいるように感じる。 形を変えるコンサートホールの中にいる人たちのようだ。 振動も激しいから、足元の水溜まりも揺れている。 足下も悪いようで、よろけているため余計にキラーコメントの発生を増やしている。 足元でキラーコメントを発生させるからだ。 「ちょっと計測行ってくる

ファンタジー小説/サンダーコレクター10

「るな、!ゲームしよー!」 ネッ友から、連絡がきた。オンラインゲーム仲間だ。 顔も知らないけれど、よく話す。 「いいよー!」 一緒にプレイをしながら、いろんな話をする。 「最近なんか良いことあった?」 そう聞かれた。んー、良いことか。なんだろう。 「バルたんさんって分かる?あのひとが、サンダーコレクター始めたらしいよ、ほらあの有名なアプリ」 バルたんさんと個別に直接会話したことはないけれど、たまに見かけるひとだ。 別のグループでゲームを楽しんでいる。 私も始め

【ファンタジー小説】サンダーコレクター12

チャーリーとチョコレート工場みたいな人がいる。 ジョニーデップがしてた役みたいなひと。 いや、アリス・イン・ワンダーランドか。 んー、どっちもだな。 黒いハットに、白い長そでのフリルのシャツにサスペンダーを着けた赤と緑のストライプのパンツ。 黒い傘をさしてる様は、サーカスの曲芸師みたいだ。 「るなさん!待ってたよー♡やぁあん、可愛いー♡」 バルたんさんだった。 なんかキャラ濃いやん。 「ストーン付けてるんだね。あたしもつけてるよー可愛くない?これ」 ♤の形のストー

【ファンタジー小説】サンダーコレクター13

― ゴロゴロ 雷の音がし出した。 その音によりコレクターさんたちは高揚してきたようだ。よりキラーコメント加速度を上げてきた。 ぼんやり見ていたら、ペッパーさんが近づいてきた。 「今、るなさんは親チケット発動中なのよね?他人のハンティングに同行してのも初めてなんだよね?」 「コレクターさんの召喚の仕方も人それぞれなんですね。私たちの勝手と違いすぎて驚いてます。親はどうやって、決まるのですか?」 「アプリの登録されたときに、マッチングされるんだよ。政府が勝手にね。相性と

【ファンタジー小説】サンダーコレクター14

「計測行ってきますかね。」 そういうと、ペッパーはキラーコメントの中に入っていった。 「ばり、だるいわ。はああ。」 バルたんが呟いた。 ずっと歌を歌っているから、そうだろうなあと思う。 体を動かしたり、表情に気を付けているからそりゃそうだろな。 やっぱり声に影響するだろうし。 でもって、コレクターさんたちへの対応も即興だから、大変だろうな。 「おつかれさまです。大変ですね」 そう声をかけた。 「今はコレクターさんたちが自分たちでの話が盛り上がってるから、すこし

【ファンタジー小説】サンダーコレクター15

活動を終えて、バルたんとの押し問答の末に家に帰った。バルたんは、家まで送ってくれた。 家まで来ようとしたから、「死ね!」と言って、逃げた。 ちなみに、教えた家は違うところだ。 3軒先の人、ごめんね。 家に着いて、お風呂やご飯を済ました。 アイスを片手に、ぼんやりと爪に埋め込まれたバッジに触れる。 あ、さっきのバルたんとのアーカイブがある。 様子を見る。傍から見るとこんな感じなのかなぁと。確認が出来た。 あ、ルーキーのイベント表が出てる。るな。私の名前もある。 名前と