くうはく

スペースといえば。



兄としりとりをやると必ず「す」で返される。

負けじとこちらも「す」で返すようになる。

二人の間には「す」から始まって「す」で終わる言葉が大量に溢れかえる。

スイス。

すす。

スライス。

スパイス。

濁点あり?

うん。

すず。

スライスチーズ。

スーパーマリオブラザーズ。

スペース。

また「す」?



父親が天文に詳しい。

どの程度詳しいかは私が詳しくないから分からないが、空を見上げてどの星がどういう名前なのか、どれくらい明るいのか、どこに繋げたらどんな星座が見えるのか、教えてくれた。

今日はどうして月が大きく見えるのか、流星群はいつ来るのか、天文について書かれた文庫本サイズの本を広げたりしてたまに教えてくれた。

デスクトップの背景が宇宙みたいな星みたいな、そんなパソコンを開いて、ロケット発射の配信映像を流していた。

私の名前を考える時に「惺」の字を使おうとしたが、その当時は人名に使えなかった。



だから、なんとなく、夜になると空が少しだけ近くに感じるのだろうか。



兄が、いつだったか小惑星探査機のはやぶさを見学しに遠くへ出かけていった。

「はやぶさを見に行く」と言う兄に、え?そんな見学するためだけにわざわざ行くの?乗りもしないの?え?鉄道マニアだったっけ?と完全に新幹線の方と勘違いした私は困惑した。

しかし帰ってきて小さなガラスの直方体の中に小さなはやぶさが浮かんだお土産を見て、ようやく誤解が解けた。

ああ、そっちね。

そりゃわざわざ見学しに行くのも納得だわ。

宇宙っていうのはやっぱり、他と比べてもどこかグレードが高い。



そんな兄とスペースファンタジーに乗った日にはもう大興奮。

USJにあるアトラクション、スペース・ファンタジー・ザ・ライドを知っているだろうか。

USJには小さな頃から家族で割と何回も行ったことがあって、数あるテーマパーク・遊園地の中でも圧倒的に一番好きな場所だ。

エリアマップも脳内に入り込んでいて、どこにどのアトラクションがあるか把握しているほどである。

で、このスペースファンタジーというのは開園ダッシュと同時に真っ先に向かう、定番のトップバッターアトラクションなのだ。

入口から真っ直ぐ走れば、左手に見えてくる。

荷物をロッカーに放り込む。

スペースファンタジーというだけに、世界観は宇宙をモチーフにしていて、「とってもファンタジー」なクルーに写真を撮ってもらいながら中へと進んでいく。

並んでいる間もキラキラ、宇宙のような神秘性と不思議さが漂う空間を楽しめる。

ベルトコンベアが見えたらもうすぐ。

前後2人がけで、一台に4人、流れてくるソーラーシャトルに乗り込んで安全バーを下ろす。

そう、太陽を助けに行くのだ。

この乗り物のデザインもまた幻想的で可愛い。

ワクワクしながらベルトコンベアの上を流される。

そして始まる。

屋内コースター型のライドアトラクション、屋内だからといって侮ってはいけない。

引き込まれるようにギュインと落ちれば、一気に広大な宇宙空間に包まれる。

星がキラキラ煌めいていて、深い闇の中に浮かぶ光に目を奪われる。

綺麗…なんて思っているのも束の間、コースターは加速して猛スピードで駆け巡る。

"前後"それぞれに2人がけのソーラーシャトルは、それ自体も不規則にくるくると回る。

上昇、下降、直進、曲進。

はたと気付けば、そこにはいくつもの惑星が。

ゆっくり進んでいくなかで、上にも下にも別のソーラーシャトルが見える。

一体どこを走ってきたんだ、今どこにいるんだ、外から見たらただの建物だったはず、でもそれが信じられないほどに振り乱される。

静かだった空間もまたどこかへ連れて行かれ、またスピードを上げていく。

コースターも上昇していく。

いよいよ、太陽に突入する。

太陽を助ける為には、ソーラーシャトルに取り付けられている、手元の赤いボタンを…

押す!!

すると目の前がパーンと強い光に覆われて…

さぁ、太陽を助けることはできるのでしょうか。

結末は休園明けのUSJで是非。

ET時代から何度もお世話になっていただけに、かなり思い入れのある大好きなアトラクションだ。

最近はコラボアレンジも多く、上記のようなオリジナルバージョンには久しく乗っていないが、あの疾走感と美しい宇宙空間の掛け合わせは本当に素晴らしいのでまた乗りたい。

屋内型であるためにどうしても「意外と怖い」という感想が多いが、最初から怖そうだな…と心構えをして乗れば、むしろ「意外と楽しい」と思えるかもしれない。

加速しっぱなし、落ちっぱなし、だけじゃないのも良い。

見えてくる景色と共にコースターにも緩急をつけ、壮大な音楽で雰囲気を高めている所は、やはり遊園地ではなくテーマパーク。

一度乗るとクセになってしまい、また乗りたいなと思わせる。

経験上、夜の時間帯は割とスペースファンタジー空いてたりするので、その日のうちにもう一回乗れちゃったりするかもしれません。

…何か、USJだけで別でnote作れそうだな。



とはいえ、しばらくはUSJも休園、人々も自粛。

宇宙を冒険しに出かけられない。

そんな私が、最近家の中で狂ったように再生しまくっている動画がある。

IZ*ONEの『SPACESHIP』。

何故かと言うと、衣装がはちゃめちゃに可愛い。

しかも、SPACESHIPを披露している動画はいくつか上がっているのだが、同じ衣装でも色が違うのだ。

白、ピンク、青、緑、紫…。

キャップ被ってたりお団子にしてたり三つ編みにしてたりするのも超キュート。

これを見るのが本当にまぁ目の保養になる。

可愛い女の子12人が可愛い髪型で可愛い衣装を着て可愛い歌を歌う。

衣装の色も綺麗だしそれぞれの歌声も綺麗だしダンスも揃ってて綺麗だし足もスラッとしてて綺麗だし、なんかもう単純に目と脳に良い効果がある気がする。

虹を見たり完璧な円を見たりするのと同じ感覚だと思う。

ちなみに私のお気に入りは白色の時のキャップを後ろ向きに被るデコ出しイェナさんです。



スペースいっぱいに色々書いてみた。

この空白の期間で、どこまで行けるだろうか。

色々食べてみて、自分の中に取り込んで、早く吐き出したい。

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