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4色さくらの可能性【ヴァイスシュヴァルツ】


1.はじめに
 
 初投稿です。初めまして。さくらのプールをフルに使って勝ちに行くことをコンセプトにしたデッキです。やりたいことを上手く50枚に落とし込むために4色にしました。これがさくらの最適解とは全く思いませんが、選択肢の一つとして参考になれば幸いです。

2.デッキの変遷
 
 さくらを触り始めたのは発売から少し経ってからでした。というのも、発売前のさくらに対する評価はかなり低く、組む気は全く無かったからです。まずタイトルの強さが固着に依存する点があまり好きではありませんでした。4枚のイベントをデッキに組み込むこと、そのイベント周りをよくするカードを採用しなければならないこと、そもそも固着があまり強くないことが、ロット上の無理を生じさせるだろうと容易に想像できたからです。加えて固着周り以外のカードにあまり魅力を感じず、1ブースタータイトルということもあってすぐ限界を迎えるだろうと思っていたので、大好きな作品ではありましたが、発売日に組むには至りませんでした。

 しかし、とある機会に少し触ってからは考えを改めました。やはりカードゲームは机上論では語れないなと思いましたね。さくら特有の面白さ、強さに気づけました。 

 まず電源連動。ロットに付加を掛ける最たるカードです。1連動としての最大値はトップクラスに高いのですが、このカードを軸に据えるには、純粋なカード枚数での手厚いサポートが必要になります。かなりの要求値の高さで、初めはデッキにならないのではと考えていましたが、ここに電源連動の強さを見出すことが出来ました。

 従来のゆんゆん型の連動では、ハンド枚数という意味で直接的なリソースを得られるかどうかが不確定なのに、多面することでブラックボックスが増え、ブレが大きくなってしまうという難しさがありました。そのため、このすばの共鳴4ルックのように特別優秀なシステムが存在しないタイトルでの採用率はあまり高くありませんでした。しかし、電源連動は張った時点で既にアドバンテージを得られる点が画期的でした。一面連動でも、ストックやコスト、ハンドの面で従来の多面連動と同等以上のアドバンテージを得ることが出来ます。ラインもノーコストのアタッカーとしては非常に高く、総合的に見て非常に強力な連動で、充分タイトルの強みになり得るカードだと感じました。

 そして、このカードを中心に考える過程で見付けたのが青固着と美希バーンの存在です。どちらもあまり見ないカードですが、タイトルとしての噛み合いの良さが存在し、電源連動とともに主軸に添えることにしました。電源による美希の早出しと面取りを目指すため5枚目以降の電源の採用、面取りと相性の良い扉連動や各種カウンターアイコンの採用、ヒール、レベル0…とだんだんデッキになっていき、今の形に収束しました。以下レシピです。

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3.採用カードについて

・“時計の国の“詩之本秋穂 4
 最近よく刷られるリバース時3ルックです。決して小さくないデメリットを一つ持つことで既存の互換に比べてラインが500高いです。遅い1週目を加速し、連動を集めつつ電源対象を控えに落とせるという完璧なお膳立てをしてくれますが、反面先攻1ターン目の弱さや、イベントを6投しているこのデッキではハンドの減る可能性が少なからず存在するなど、デメリットもはっきりしています。評価の難しいカードですが、今回はメリットをとってフル採用しています。スタンドしないデメリットは数でカバーし、ハンドは減ってもいいというスタンスです。最も少ない青色を補強する意味合いもあり、4枚で問題ないと思います。

・“切り札”木之本桜 2
 拳移動です。3ルックに比べて先攻1ターン目に強いカードです。反面重なると弱く、そういう意味でも3ルックと正反対の性質を持ちます。と言うことで3ルックと違い枚数は少なめの2枚。上振れムーブを残しておくことで、最大値を引き延ばす使い方をしています。役目を終えたらレベル置き場へ。

・“「記憶せよ」”木之元桜 3
 固着回収です。システムを2つ持つ反面ラインは高くないですが、ラインに振っているシステムに比べて終盤まで腐りにくい強さがあります。デッキブレイクが地味ながら強力で、簡単にボトムをケアできます。また、青固着との相性がすこぶる良いです。これについてはまた後ほど。4からスタートし、色の兼ね合いや下振れのケアを考えて1枠クロック絆に変えたのですが、特に使用感は変わらなかったので3枚が適正枚数だと結論付けました。

・“ふしぎなカード”木之本桜 1
 というわけでクロック絆です。黄色としての役割が大きく、2週目からはレベル置き場が定位置です。となるとゲームに関わるのは1週目だけなのですが、一定の評価が出来ると思われます。テキスト通りの強さがありますが、このデッキでは0/6で返ってきた際のムーブが強いです。このデッキでは赤を発生させずに勝つことを目指しているので、緑を発生させながら手から赤を置き、カウンターをサーチして連動し返しに備えるという動きが期待出来ます。また、自身が3500になることで踏み残しが起きづらい点も高評価です。きらりと光るいぶし銀のようなカードです。

・“本場の餃子”木之本桜 1
 フィレスです。終盤まで腐りにくいシステムが2つ付いている極めて無難に強いカードです。フィレスと呼んではいますが、その真価はパンプテキストにあります。連動をサーチしながらパンプをする動きがシンプルに強いです。とはいえ重なって強いカードでもないため1枚。

・“一番のお友達”大道寺知世 2
 控え集中です。集中としては山を強く保てる立ち集中の方がコンセプトに合っていますが、常駐するアド集中として入れています。とはいえ、常駐すると言ってもエリアの横にいることが多いため圧殺することもしばしば。ドローテキストは死にテキストになりがちですが、手袋と併用すると返しは確山を削り、行きは星杏と絡めてホラーや連動に触るなど、なかなかテクニカルな動きを期待出来ます。1枚行方知れずになっても運用できる2枚に。

・“スポーツ万能”木之本桜 2
 と言うわけで立ち集中。立ち集中というよりは、相性の良い星杏におまけの立ち集中が付いているイメージです。1週目は立ち集中として山の速度や控え肥やしに貢献し、2週目以降は星杏の本領発揮です。スタンバイを2パン目にずらして面を高く保ち、バーンを確定させて、ダメージレースで優位に立ちましょう。

・“えんび服風コスチューム”木之本桜 4
 コンセプトその1。スタンバイ連動です。強さは上に書いたとおりですね。連動時は7500で面が取れる対面では2/1を、後続が必要な場合は2/2を立てるように意識しましょう。前述したとおり、決して多面が強い連動ではないことを念頭に置いておきましょう。いたずらにストブすると、瞬間的には強いですが、下振れのケアに相当な労力を要し一気に瓦解します。面さえ取ってしまえばリソースは勝手に増えていくので、必要な分のストックを作る意識で使用しましょう。

・“いっしょに通学”桜&ケロちゃん 2
 カウンターで面を維持していくデッキなので極めて無難な2000拳として。最初は2500拳も選択肢にありましたが、これ以上の数値は手袋の方が優れると結論づけました。またこのデッキに於いてはネームも優秀です。今回はカウンター3種を2枚ずつ採用していますが、それぞれ全く異なる性質を持つため必要に応じて使い分けるようにしましょう。

・緑“固着” 2
 と言うわけで手袋です。最高級のカウンターで、天井を遙か高みに据えることが出来ます。行きでも使えるのがイベントカウンターの優れた点で、基本的には青固着で事足りますが、必要とあれば積極的に打つ姿勢でいましょう。また、前述の通り集中2種と併用することで赤固着のような使い方も可能です。これを手札1枚で使い回せるのもさくらの一つの強みと言えるでしょう。

・“伝えたい気持ち”木之本桜 3
 スタンバイから出てくるキャラとしてはまずまずの1枚。早出し出来るレベル3の選択肢が乏しいさくらでは、2/2をメインに面を取っていく必要がありますが、既存の2/2や早出しヒールに比べてラインがやや高く、返しは各種カウンターで圧をかけられるため、一定の活躍が期待出来ます。また、メインアタッカーに美希を採用している都合、終盤デッキにいるデメリットが比較的少なく、無駄になりづらい点も少なくないメリットです。

・“なかよしのふたり”桜&知世 1
 エリア1000とタップ1000。エリア1500の方がサイズは伸びますが、より早いタイミングで着地出来る点を評価してこちらに。7500に価値のある対面では2/2より優先的に配置します。唯一の上位後列なので絶対に配置したい一枚ですが、枠の都合上泣く泣く一枚に。最も増やしたい一枚ですが、恐らく枠は一生ないでしょう。

・咄嗟の防御 2
 3種類目のカウンターです。決してホラーとは呼びたくないホラー。ダークネス計画の方が近いですが、そのどちらと比較しても弱いという、何とも残念な1枚。打てた時のパフォーマンスは非常に高いですが、そのハードルがなかなか高く、プレイや構築の面で気をつける必要があります。全ては5面指定の難しさに集約されますが、これは雑な面取りを許さない強制力があります。ゲーム全体を通して言えることですが、特にこのカードが解禁されるレベル2からは、常に丁寧なトレードを続けていかなければなりません。とはいえ、このデッキでは構築段階からかなり面に寄せているため、基本的には5面で返す動きを続けられるはずです。そうなると最高級の防御札として運用することが出来ます。これで1ターンもらい、複数ターンかけて勝ちに行くのがさくらの常套手段なため、決して手放さずに機が熟すのを待ちましょう。

・青“固着” 2
 コンセプトその2。ネコミミ虫メガネにパワーパンプが付きました。手札、山、盤面を1度に強化することができ、打った回数だけ莫大なアドバンテージを稼ぐことが出来ます。とても強力なイベントですが、本来扱い辛いはずの2/2イベントをコンセプトと呼べるのはネームと絆、電源連動があってこそ。
 言わずもがなネームが固着な点が最も大きく、デッキ構築段階で想定される枠の中にすんなり収まるため、イベントのための新たな枠を捻出するストレスがありません。連動の共鳴先ということもあり、使用可能になるまで抱えておきやすいです。また、絆元の存在も大きいです。イベントを採用しづらい理由に、回収方法が少なく素引きするか多投する必要がある点が挙げられますが、絆元がそれを解決してくれます。加えてサーチ先に絆元を選ぶことで即座に回収しつつハンドを良化することが出来るので、テキストとしての噛み合いも抜群です。そして必要なコストは連動が捻出してくれます。連動視点でも、不確定なストックを消費しつつアドバンテージを広げられると言う点で相性が良いです。これだけのお膳立てがあればそもそものスペックも合わさって充分コンセプトと呼べるでしょう。
 採用枚数は2枚。2:2にすることでどちらかが全く見えない状況を作りにくくしています。

・“カエルさんコスチューム”木之本桜 1
 青のヒールです。このデッキでは3種類のヒールを採用していますが、その中で最も弱いのがこのヒールです。お世辞にもラインは高いとは言えず、移動テキストも面取りのコンセプトとは乖離しています。採用理由は色と条件。4色すべて使うこのデッキにおいて、同じタイミングで使用するカードの色が統一されているのは少なくないメリットなので、一番青固着が強いリフ後のタイミングに使用出来る同じ色のヒールとして採用しています。またスタンバイを6枚採用している都合、面を埋めずに使用出来るのも評価できます。とても限定的な場面でのみ強く、それ以外は他のヒールの方が強力なので1枚。

・“いっしょに通学”桜&知世 2
 緑のヒールです。最もネームが強いレベル3ですが、最もテキストが少ないレベル3でもあります。こちらは3‐0から殺しにくる対面の時にレベル2を延長するために使います。青ヒールと同じく面にいて強いカードではないので出さずにすむならそれに超したことはないです。必要なタイミングに青固着でサーチし、必要なければ美希の弾になってもらいましょう。早出しタイミングの多さ、ライン、ネームがちょっとずつ青ヒールに勝るので2枚。

・“レインコート”木之本桜 3
 黄のヒールです。最もラインが高く、面での活躍が期待出来ます。こちらも特段強いカードではないですが、ネームの強さ、ホラーと同じ色のヒール、ラインの高さを加味して3枚に。ヒールは合計6本ですが、それぞれ役割が明確に違うので状況に応じて必要なものをピックしましょう。

・“おまかせあれ”大道寺知世 3
 コンセプトその3。ネーム指定のある美希バーンです。評価が分かれる1枚ですが、僕はかなり評価しています。
 まず往復11000である点。これはスタンバイから出てくるレベル3として全く申し分ないラインで、加えてこのデッキでは各種カウンターや後述する扉連動を採用しているため生存率が非常に高いです。そのため、1枚で2回以上のバーンを期待することが出来ます。
 続いてトップチェック。これは今までの互換には無いメリットテキストで、自前でバーンを確定させることが出来ます。トップがバーンの弾で無かったとしても、1パン目にバーンが飛ばないという情報を得られるため、実質的にバーンの期待値が上がります。とても大きなメリットと言えるでしょう。
 最後にネーム指定。これは構築段階である程度のケアが行えます。このデッキにはレベル1以上のキャラが21枚存在しますが、内18枚がさくらネームです。つまり、自身を捲った時にバーンが飛ばない点を除いて、従来の美希バーンと同じ感覚で使用することが出来ます。プール内のさくらネームの多さが幸いしました。結論として、従来の美希に全く引けを取らない、それどころか唯一性も兼ね備えた優秀なアタッカーであると言えます。スタンバイで雑にレベル2からバーンを飛ばし、打点と面で優位に立ち、強い山とホラー、各種ヒールで耐久しながら押し切るのがこのデッキの常套手段です。また、青固着の山抜きとの相性も良く、総じて連動と青固着と美希バーンの3種がこのデッキのコンセプトと言えるでしょう。
 4枚では期待値が下がり、2枚ではレベル2で面にでないゲームがあるということで3枚。

・“CLEAR”木之本桜 2
 前列1500と扉連動。主に前者としての役割が大きいです。上位後列に乏しいデッキなので、後列の差で抜かれてしまうゲームで積極的に配置していきましょう。また、1度面にでるとカウンター込みでかなり返ってきてくれるので、相乗効果でホラーの価値を底上げしてくれます。
 続いて連動テキスト。連動自体はあまり強い物では無いので、メインに据えると物足りなく感じますが、前列1500のおまけとして考えるとかなり強力です。横の配分からも分かる通り、あまり扉を貼る想定はしていないのですが、こちらより更に高いラインで蓋をされた時に、キャラを踏むために張った扉が連動にもなるのでかなり状況を好転させることが出来ます。踏むための扉と言うことで、ヒールも期待出来ます。打点もある程度調整が効くため、汚い打点になりがちな所をきれいな打点で押し込めるようにもなります。サブに据えることで逆に明確な使用箇所が生まれたカードです。面と山それぞれに居て欲しいため2枚に。

・宝物の毎日 4
 青ブタと同じく、手打ちしたいタイプの電源。

・最高の一枚を 2
 連動は採用していないので純粋なスタンバイとして。こちらでも電源連動の動きの半分は達成できる点が電源というアイコンの強さだと思います。

・透明なきもち 2
 こちらは連動ながら噛みたいタイプの扉。少し前から、横を散らして上振れムーブを残すのがとても好きです。

4.色発生について
 
 レベル1で緑、レベル2で青、レベル3で黄の発生を目指します。それぞれ緑固着、青固着、ホラーが順に解禁されます。赤は最も多いので、クロック置き場での発生を目指します。とはいえ、これは最大値というか上振れに近い色発生なので、都度必要な色を考えながらクロック2ドローを駆使してゲームメイクしていきましょう。回してみると分かると思いますが、意外と綺麗に必要な色が集まります。

5.まとめ
 
 ずっと練っていたさくらですが、やはり1ブースターで出来ることには限りがあるため、どうしてもケアできない部分や物足りない部分は生まれてしまいます。それでもかなり自分のコンセプト通りやりたいことを詰め込むことが出来たので、僕の考えるさくらの結論として満足いくものになりました。
 今回紹介した4色さくらはあくまで僕個人としての結論であって、他のデッキタイプや同じ扉電源の中でもまだまだ検討の余地はあると思います。プール内には、今回採用に至らなかったパワーカードもまだまだ存在するので、是非自分だけのコンセプトを見付けて研究してみてください。それでは。

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