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ボクの/ワタシの聖杯問答

 ここに来て、次に聖杯を入れてLv.100にするサーヴァントを誰にするか、三か月ほど迷っている。
 もちろん、もう何騎もLv.100サーヴァントは作っているので聖杯を使うことにもためらいはないし、聖杯の数にもQPにも困っているわけではない。
 誰に聖杯を入れれば最も後悔が少ないのかという点で迷っているので、考えを整理したい。
 …という趣旨のひたすら自分語りの回。


 まず、我がカルデアではおおよそ以下のような縛りを設けてサーヴァントに聖杯を入れている(一部例外あり)

  1. 各クラス全体宝具と単体宝具1騎ずつを基準人数とする。

  2. 聖杯を入れたサーヴァントの衣装違いへの聖杯投与はしない。

  3. 性能、物語、癖(ヘキ)の3軸を評価軸として対象を吟味する。

 要するに、次の強敵に何が来るかわからないので戦力は薄く広く用意しましょうという話に、自分なりの納得感を加えようとしたものが上記である。
 今回迷いの原因になっているのは3番で、自分の考えの中に評価軸があるな・・・などと思い至ってしまったために、エイヤッと決められなくなってしまったのである。アホですね。

 今回は、3のうち「物語」について掘り下げようと思う。


 さて、ここで言う物語とは公式から供給されるシナリオの話ではない。まあそれも皆無とは言わないが、俺がそれ以上に比重を強く置いている物がある。
 それは「思い入れに至る物語」であり「ナラティブ」と言われるものである。俺はこれをざっくりと「ブンドド性能」と呼んでいる。
 『ブンドドとは何か』は以下のスクショを見てほしい。

 この説明を踏まえた上で、つまり、俺の考えはこうだ。

 あるプレイヤーが、任意のサーヴァントを使用したとき、そこには単なるゲームシステムによるダメージのやり取りなどを包摂する、メタ視点からの「脳内物語」が濃かれ薄かれ存在しているはずである。

 ただし、思い入れに至るためには、漫然としたプレイでは濃度が不足している。
 充分な濃度を得るためには、何か劇的な運命を感じさせる何か――わかりやすいところなら、高難易度バトルでの乾坤一擲の逆転劇など――が存在しているゲーム盤面が必要で、そこに「こうあってほしい」という願いがあったとき、プレイヤーはシステム上の反応や、プレイヤー有利に働いたランダムの結果に対してあり得ざるコミュニケーションを見出し、そこには「思い入れに至る物語」が生まれるのである。

 つまり、その濃厚な脳内物語の抽出量がより多いサーヴァント、もしくは高濃度化、抽出量の増加が見込めるサーヴァントこそが『ブンドド性能が高いサーヴァント』であるが、逆説的に聖杯を入れることで「今後のブンドド性能を高めたい」という気持ちもあるため、一概に長い付き合いのサーヴァントに聖杯を投入するのが正解とも言えない。

 しかし、リリースから8年以上経ちインフレの進んだ現在では、それだけを理由に聖杯を注いでいくという判断もまた難しい。性能と思い入れの天秤をどの程度のバランスで許容するかというのが今の悩みの本質と言えるだろう。

 ただ、どうあれ間違いないのは、今後聖杯戦線などの選出選択肢が狭まる戦闘やORTのような強大なボスを前にしたときに、俺が頼りにするのがそいつらであるということである。
 つまり俺が求めるものは、その強大な障害に「打ち克ったという物語」だ。知識を動員し、展開を読み、リソースを尽くした「一緒に物語を積んできたサーヴァントで」ボスを撃破する。俺個人の物語として妥協の一欠片も存在しない、非の打ち所のない勝利を味わいたいのである。
(本音を言えば、初見で出したパーティで勝つくらいの美しさもほしいが、残念ながらFGOは死んで覚えるゲームなのでそこはまあ)
 遺憾なことに、今のところそうやって勝利できなかったバトルがいくつかあって、その一つはよりにもよって人王ゲーティア戦である。なので、一種強迫観念めいて「次こそは後悔のないように」という気持ちを常に抱えている。
 故に、いつか来るサービス終了にふさわしく物語を終わらせるため、必要な迷いがしばらく続くのだろう思う。


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