読書メモ:羽根田 治 (著) 十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕

この本はイイですよ。すごくイイ。

著者とタイトルの時点でファンならだいたいどんな本かわかるのではないでしょうか。山岳遭難事故について過去にも様々な本を手掛けられている著者による本書は、タイトルどおり、日本の山岳史上において特筆すべき十大・重大事故のドキュメントです。

本書で取り上げられている事故は、僕のようにWiki等で同類の事故とかについて読みふけるような人間にとっては「あーあの事故か」というようなものながら、Wikiは良くも悪くも所詮はWiki。内容や纏め方が必ずしも信頼できるものではありません。
一方、こういった専門の著者による本は『基本的に信頼して読める』『そもそも読みやすさが段違い』『読者にとって理解しやすいように構成されている』の三点がネット匿名記事とは大違い。

本書の優れているところは、大規模な事故を描き出すことで、単なるドキュメントの枠に留まらずミステリーとして良質なこと。山とか特に興味ない人が読んでも、「どうしてそうなっちゃうんだろう?」「ここからどうなっちゃうんだろう?」そんなドキドキでグイグイ読めてしまうのではないかと。

やっぱり、本って、信頼できる内容が体系立てて纏まっている。良いもんだなあと思ったりしたのでした。

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