姉が亡くなった

2017年1月、姉が亡くなった。私にとって義理の姉。長女である私にとって、ずっと欲しかった「お姉ちゃん」が天に召されてしまった。

姉は、ジャニーズファンの大先輩でもあった。テレビが好きで、親戚に聞くと最初はマッチが好きだったらしい。歳はだいぶ離れているが、私も幼少期テレビに向かって「マッチ、マッチ」と言っていたっけ。

時々しか顔を合わせられなかったし、親戚の集まりで会うことが殆どだったので、遠慮してあまり話題にできなかったが、時々お互いにお気に入りのジャニーズタレントの名前を出して、誰が好きとか、最近この番組が良かったとおしゃべりした。

クリスマスが近づいた頃、姉が入院したとの報せを受けた。順調に回復しているとのことだったけど、入院期間は長かった。お見舞いにSMAPのベストアルバムを贈ることになり、姉の大好きなピンク色のタオルと一緒にCDを送った。

退院も間近と聞いていた姉の容態が急変したのは深夜だったそうだ。お医者にも原因不明で、息を引き取ってからの検査でも詳しいことは分からなかった。何が起きたか分からず、ただただ茫然とした。義母は「病院じゃイヤホンになっちゃうし、家に帰ったら聴こうね、って楽しみにしてたの…」とCDを聴かずに姉が旅立ってしまったことを伝えてくれた。その姿を思い出してしまうような話に義母の目から涙が溢れた。録画していたスマスマ最終回も、紅白も見られなかった。

CDは棺に入れることができない。それを知った私達に葬儀で曲をかけることもできますよとスタッフが声をかけてくれた。通夜式、告別式、会場にはSMAPの歌声が響いた。いつもの曲が全く違って聞こえる。ありがとう、Simple、STAY、この瞬間、きっと夢じゃない、はじまりのうた、どうか届きますように……。チョモランマの唄はどうだろう、と家で聴いた時は少し心配した(あまりに雰囲気の違う曲が流れては…と自宅で確認した。Disc3なら良さそうだなと思った)けど、ラストメイクのタイミングで流れて来て、姉の顔を見ながら想いが重なるような気がした。

♪あなたの笑顔がみたい/あなたの笑顔をつくる/あなたが喜ぶならば/僕のテンション チョモランマ

さかさまの空、手を繋ごう、gift、前に!

お経が終わるとCRAZY FIVEが流れて来て大丈夫かな?とドキドキした。でもSMAPは寄り添ってくれたように感じた。

♪So far away! いつか謎を解き/導くだろう/Yes, We are all one./涙を越えて…

お客様がいない時はもちろんDisc1とDisc2もかけてもらった。大好きな曲を姉と聴けて良かった。自宅に戻ってからは嵐のAre You Happy?も聴いた。姉は幸せだろうか、と私は思いを巡らす立場にない。私は姉に出逢えて幸せだが、まだそれを振り返るような気持ちにはなれない。何が起こったのか、未だに信じられない。いつか姉とSMAPのコンサートに行きたいと思っていたのだが、叶わぬまま、2017年、姉もSMAPもいなくなってしまった。全然問題なくない。姉との別れから何か教訓めいたことを語る気はないが、自分のその時も好きなアイドルの曲が流れてたらいいなと思った。