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第1回 54字の宴 お題:肝試し


母が若かりし頃に来ていた着物を譲り受けて、セレモニーや記念撮影に着てきたのですが…

母がまだ若かりし頃、学生時代の友達が次々結婚し、自分がその友達の結婚式に招待された際にも着たという着物。
今は亡き母方の祖父母が母のために誂えたというものらしく、捨てるのはもったいないという。
私が家庭を持ち、子どもを産み、両親では当時諸事情あってできなかった子どもの成長のたびに写真館で撮影した記念写真に、子どもの卒園式に、この着物を私が譲り受けて着るようになった。

譲り受けた際、着物に袖を通そうとすると、母が若かりし頃に結婚式の食事でつけてしまったとおぼしき食べ物のシミが…
着物専門店へ染み抜きできないかと相談に行ったところ、関係する着物の職人さんが染み抜きだけでなく、金粉を散らして別のデザインが映えるようにしてくださった。その職人芸には驚かされたものだ。

今回、七五三の記念撮影で、両家の祖父母とともに写真館で撮影するため、その着物を私はまた着ることになり…。

ここからがホラー:
着物の雰囲気に自分が合わなくなったような気がする…
今更着物を変えると経済的に…
だからと言って、いまさら洋装(例えば、スーツ)…??
いやいや、七五三で祖父母以外は全員家族は和装なんだからやっぱり着物でしょう。
でもその姿は私の一生どころか、子ども達に渡す記念写真として末永く残る可能性が…


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