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アセトアミノフェン、バファリン、ロキソニンの違いって?

仕事がバタバタしていて、だいぶご無沙汰してしまいました。

少しずつ、コロナ第7波も落ち着いてきておりますが、自宅療養の方が増えて、解熱剤、咳止めなどの需要が高まっています。
出先で息子の歯が痛み出して、某ドラッグストアでお薬を購入したのですが、お薬の説明はありませんでした。

解熱鎮痛剤もいろいろあるのになぁ~

そこで、代表的な解熱鎮痛薬である、アセトアミノフェン、バファリン、ロキソニンの違いについてまとめてみました。

ですが、発熱は病原菌が体内に侵入してきたときにおこる免疫反応であり、体温が上がることで、ウイルスが増殖しにくくなったり、免疫反応が活発になったりするので、微熱であれば下げる必要はありません。しかし、あまりにも高熱であると、体力が著しく消耗してしまうので、このようなときは、無理をせず、解熱剤を使いましょう。

アセトアミノフェン

驚いたことに、アセトアミノフェンって、どう作用して熱が下がるのか、詳しいところまでわかっていないのです。
わかっていることは、脳にある体温を調節する「体温中枢」という部分に働いて、熱を体外に逃がす作用を強めて、熱を下げます。平熱のときに服用しても熱は下げません。また、痛みを感じる部分も脳にあるのですが、そこに働きかけて、痛みを感じにくくします。
解熱鎮痛薬の中では、一番、安全性が高いお薬なので、赤ちゃんが使う熱さましの坐薬も、成分がアセトアミノフェンです。
ただ、今はアセトアミノフェンが品薄ですので、一般医薬品では手に入らないかもしれません。

バファリン(アスピリン)

バファリンは、解熱鎮痛薬のアスピリンに、副作用である胃への負担を軽くし、アスピリンの吸収を高める合成ヒドロタルサイトを配合しています。
非常に歴史があるお薬であり、少量では、血小板に働きかけて、血を固まりにくくし、血栓を防ぐ作用があるという面白い薬です。
体内に炎症が起こると、炎症を起こしている部位から、プロスタグランジンという物質が放出されます。プロスタグランジンは、発熱を引き起こし、痛みを増大させる作用があります。プロスタグランジンは、シクロオキシゲナーゼという酵素によって作り出されているのですが、シクロオキシゲナーゼをブロックして、プロスタグランジンが作られないようにするのが、アスピリンです。アスピリンのような作用を持つお薬をNsaidsといい、ロキソニンもこちらの部類に分類されます。

ロキソニン

ロキソニンは、一般医薬品の場合、1類医薬品です。薬剤師しか販売することができません。そのため、ドラッグストアの場合、薬剤師がいないと購入できません。
お薬の作用は、Nsaidsのため、アスピリンと同じです。
異なるのは、ロキソニンは、プロドラッグといい、胃の中ではお薬として働かないのですが、腸を通過し吸収されてはじめて、お薬として作用するような製剤上の工夫がなされています。
発熱や痛み、炎症を引き起こすプロスタグランジンは、胃の粘膜の保護にも関与しており、Nsaidsが胃で働くと、胃の粘膜が荒れてしまうので、このような工夫がなされているのです。
作用としては、アセトアミノフェンやアスピリン、イブプロフェンと較べて、強いです。

少しずつ落ち着いてきつつあるものの、まだまだ感染者数は多いです。
念のため、家に常備しておくとよいかもしれません。




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