Magic: the Gatheringのストーリーを読みませんか【2020アドカレ8日目】

【この記事はTapeStop100 Advent Calendar 2020の8日目の記事です】

また会いましたね。Lac-Baです。
風邪など引いてはいませんでしょうか? ちなみに僕は昨日から何もしないのに肌がピリピリと痛みフォロワーに「痛風じゃね?」と言われ大変怯えています。

さて、挨拶は程々にして。みなさんは「Magic: the Gathering」という名前を聞いたことはあるでしょうか?
Magic: the Gathering(以下MtG)とは、アメリカ発祥の最古のトレーディングカードゲームと言われており、今もなお現役のめっちゃすごいカードゲームです。最近は音ゲーほったらかして小説と絵とこれしかやってないんですが、楽しいですよ。MtGアリーナというPCから手軽にできるアプリもできたので、引きこもってるならこれやりましょう。楽しいよ。

これだとただの布教記事になってしまうのでひとつ面白い部分を取り上げると、MtGにはちゃんとした「バックストーリー」がある、ということです。遊戯王なんかにはカード販促のためのアニメがあったりしますが、それとは違う、純粋なMtGの世界観を基にして紡がれるストーリーがあるのです。発祥がアメリカですので基本は英語で書かれているものが多いのですが、一部は公式で日本語に翻訳されているので、そちらを楽しむことができます。

ということで、少しでも興味を持ってもらえるように簡単な説明をしたいな、と思っています。10分もあれば読めると思うので、どうかお付き合い願えると嬉しいです。
それでは、魔法と次元とMagic: the Gatheringの世界へレッツゴー!

全体の世界観概説

 この世界には様々な「次元 / Plane」がある。地平線の果てまで広がる都市に覆われた次元、自然豊かな冒険の次元、無慈悲で巨大なドラゴンたちが統べる次元……これ以外にも未だ知られざる次元が存在する。それらの次元は「久遠の闇 / Blind Eternity」と呼ばれる存在によって隔たれており、それら全体のことを「多元宇宙 / Multiverse」と呼ぶ。
 もちろん自分が住む世界の外にそんな世界があるとは人々は思いもよらない――我々も――それに、外の世界に行くことは叶わない。だが、稀にその理を超えて次元を飛び越える力に目覚めた者たちがいる。それは次元(Plane)を渡る者、「プレインズウォーカー / Planeswalker」。プレインズウォーカーの力に目覚めるきっかけはさまざまだが、彼らは己の運命と思惑の下、それぞれの冒険を繰り広げている。
 これは、そんなプレインズウォーカーたちと多元宇宙を股に掛けた魔法の物語。

登場人物

ジェイス・ベレレン / Jace Beleren
「お前の失敗から学ぶのも悪くはないが、他の誰かの失敗から学んだ方がよっぽどいい。」

多元宇宙を脅威から守るプレインズウォーカーの組織「ゲートウォッチ / The Gatewatch」の一員にして、都市とギルドの次元「ラヴニカ」でギルドパクト(紛争解決係みたいなもの。要するに調停者)を務めていた青年。
青の魔導士であり、得意な魔法は精神操作魔術および幻影魔術。また彼は希少な精神感応者(テレパス)であり、他人の心を読んだり逆に自分の心を読ませたり、他人の精神同士を接続することさえ可能になる。
性格はやや陰気で内向的だがお人好し。後述するギデオンほどではないが放っておけない気質で、要するに主人公体質。あとは主人公らしく女性絡みの関係がややゴタゴタしている。

ギデオン・ジュラ / Gideon Jura
「正義と平和のため、私はゲートウォッチになる。」

「ゲートウォッチ」の発案者であり、実質的なリーダーであり、生真面目な騎士風の壮年。イラストを見てもらえれば分かるようにかなり筋骨逞しい大男であり、仲間からは「厚切り肉」などと呼ばれる始末。
神聖術と防護魔術を操る白の魔導士であり、その攻防一体となった戦い方と傷を恐れない勇姿から、「無敵」と呼ばれることもしばしば。それでいて戦況を鑑みて的確な判断を下すことのできる司令官としての役割も持っており、戦場での信頼は特に篤い。
それでいて中身は非常にお人好し、というより正義感が強く頼まれると断れないタイプであり、昼間はエルドラージという怪物の脅威にさらされた次元「ゼンディカー」で対処を練り、夜はラヴニカにて「ボロス軍」というギルドとラヴニカの問題解決にあたる、という一切休みなしの過労死待ったなしスケジュールを組んでいたこともある。

チャンドラ・ナラー / Chandra Nalaar
「私はほとんど何にでも火を付けてきた。木や石、水にまでも。今度は雲を燃やすわ。」

自由と独立を好み、紅蓮術を操る赤の魔導士。「ゲートウォッチ」の一員。紅蓮術とは炎を操る魔法であり、それを操る時彼女自身の髪も炎のように輝きだす。
赤の色らしく火力でガツンと押し切る戦い方を好み、また良くも悪くも感情的な戦い方をする。その性質ゆえに炎の細かい制御は苦手だが、最近は上手くできるようになりつつあるとか。
性格は非常に感情的で衝動的。敵の陽動作戦にまんまと乗っかって戦力を分断してしまったこともある。しかしその性格が困窮した場面の突破口となることも多く、彼女の故郷である「カラデシュ」次元での戦いでは八面六臂の活躍を見せた。
ちなみに、2010~2011年ごろに電撃マ王で「燃え尽きぬ炎」という彼女が主人公の小説(「The Purifying Fire」)を基にした漫画が連載されていたことがある。

ニッサ・レヴェイン / Nissa Revane
「私はゼンディカーの助けになりたい。進むべき道を示してほしい。」

ゼンディカー出身のエルフの女性。精霊術を扱い、大地からエレメンタルと呼ばれるマナの精霊を呼び出して戦う緑の魔導士。「ゲートウォッチ」の一員でもある。
ゼンディカーは「エルドラージ」と呼ばれる次元を跨ぐ脅威にさらされていたが、その一端を担ってしまった人物でもある。そのため彼女はエルドラージを倒す、ひいてはゼンディカーを救うために力を振るい、今もなお傷ついたゼンディカーを復興させるため奔走している。ここまで見て分かる通りかなりの地元大好きっ子であり、ゼンディカーが絡むと周りが見えなくなったりすることもある。
性格はやや内向的だが打ち解けた相手とは気さくに話すことができる。特にチャンドラとはカラデシュにて過ごした時間が多かったためか、特に親密になっているといえる。
ちなみに公式イラストをよく見ると目が全て白目に至るまで緑色になっている。こわい。

リリアナ・ヴェス / Liliana Ves
「必死に抗わなければそんなに痛くはないかもよ。どうだかわからないけどね。」

「ドミナリア」次元出身の黒の死霊術師。ジェイスの元カノ。「ゲートウォッチ」の一員でもある……一応。
魅惑の美貌とウィットに富んだ妖艶の美女ではあるが、黒らしく利己的で目的の為なら何であろうと利用する危険人物でもある。また、実年齢はとうに200歳を超えており、外見年齢が若々しいのは4柱の悪魔との契約によって力と美貌を保っているため。
また、契約の最中で「鎖のヴェール」というアーティファクトを手に入れている。これは持ち主に強大な力を与えるものであり、以後リリアナの奥の手として使用されることになるが、使用に際しては出血を伴うなど彼女自身にも負担がかかるものである。
そして4柱の悪魔の契約から逃れるべく、鎖のヴェールやゲートウォッチの面々も利用しつつすべての悪魔を抹殺したのだが……?

ニコル・ボーラス / Nicol Bolas
「生と死は取り替えが利く。」

多元宇宙におけるもっとも大きな邪悪のうちのひとつであり、プレインズウォーカーのエルダー・ドラゴン。「ドミナリア最古の邪悪」「破滅の竜」などと呼ばれる。
狡猾であり無慈悲である彼は、いくつもの次元を脅かし、その名を轟かせてきた。彼自身が登場しない物語においても常にその存在は背後で揺らいでおり、その計画はついにラヴニカ侵攻という形で成就される。

精霊龍、ウギン / Ugin, The Spirit Dragon
「我が名はウギン。この場を築く手助けをした。遠い昔のことだ。」

ボーラスと同じエルダー・ドラゴンであり、彼もまたプレインズウォーカーである。ボーラスとは同じ卵から孵ったいわば双子のような存在ではあるが、今は完全に対立している。
長年の生によりボーラスに負けずとも劣らない知識を蓄えており、その知識をジェイスや他のプレインズウォーカーに授け、導いている。

* * * * *

だいたい覚えておくといいキャラは以上です! 駆け足! 長い!
これ以外にも個性的で魅力的なキャラが登場するのがマジックストーリーの良い所です。ここからは「何から読んだらいいわけ?」という人に対して「じゃあこれから読むといいよ!」というのをおすすめするコーナーです。

マジック・オリジン

上で紹介したキャラのうち、ギデオン、ジェイス、リリアナ、チャンドラ、ニッサにフィーチャーした物語群。「オリジン」の名が示す通り、彼らの若年期、そして彼らがなぜプレインズウォーカーとなったのかが描かれており、彼らを知るのに非常に役立ちます。
また、ゼンディカーにてエルドラージと決戦する前の時系列の物語(要するに近況)もついており、そこから「戦乱のゼンディカー」「ゲートウォッチの誓い」へと読み進めるのもいいでしょう。

イクサランイクサランの相克

ボーラスとの戦いに敗北したジェイス達ゲートウォッチの面々。必死のプレインズウォークで次元から脱出し一命は取り留めたものの、ジェイスが辿り着いたのはイクサラン次元の見知らぬ無人島。そして彼はほぼすべての記憶を失ってしまっていた。
何とか生き延びるためにサバイバルし、島の外へ脱出するが、そこで出会ったのはかつてラヴニカにて対立したゴルゴンの女性・ヴラスカだった――。

多数のキャラと多数の視点が登場しますが、その立ち位置が分かりやすく、また力関係もわかりやすいため、比較的読み進めやすいんじゃないかなと思います。また、イクサラン・イクサランの相克とカードセットの発売に合わせて二部構成になっているので読みごたえがあるのも◎。

ラヴニカシリーズ

これはひとつなぎの物語というよりかは、ラヴニカに住まう様々な人々の視点から語られるオムニバス形式の物語群といえます。現在は「ラヴニカへの回帰」「ギルド門侵犯」「ドラゴンの迷路」「ラヴニカのギルド」「ラヴニカの献身」の5つがあり、5つ合わせるとかなりの量になります。ラヴニカには計10のギルドがあり、それぞれがそれぞれに対して思惑を向けており、なのでこれだけの量の物語ができるのです。

マンガで分かる!Magic Story

その名の通り、これは小説ではなくマンガ形式で描かれたストーリーです。手がけているのはメンバー自身もMtGが好きだというアノアデザイン社。
主に「イクサラン」以降のストーリーを配信しており、公式サイトで公開されていないブロックのストーリーも漫画になっています。また、「ラヴニカのギルド」「ラヴニカの献身」編では各ギルドの紹介もしてくれています。
全体的に概略をかいつまんで分かりやすく解説してくれているので、こちらを読んで気になるお話があったら小説を読んでみる、というのもありかもしれません。
ちなみにアノアデザイン社は4コマ漫画も描いていたりします。そちらもおすすめです。

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以上です! 駆け足! 疲れた!

もちろんここに挙げたストーリー以外もストーリーはたくさんありますし、どれも面白い作品ばかりです。タルキール覇王譚とか好きだし……。
ほんとオススメなので読みましょう。そしてファンアートを描きましょう(?)

おわりに

世界最古のTCG、Magic: the Gathering。そのバックには、とても壮大なストーリーが繰り広げられているのがお分かりいただけたでしょうか。ちょっとでも「面白そう」と思っていただければ、この記事をしたためている僕も大満足でございます。
繰り返しになりますが今はMTGアリーナといういつでもオンラインで手軽にMtGを楽しめちゃうゲームもあるので、この機会に始めてみるのもいいかもしれません。始めたら是非対戦しましょう。僕はまだまともなデッキ組めてないですけど。

それではまた会いましょう! Lac-Baでした!

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文責:Lac-Ba / 洛葉みかん
https://twitter.com/la_c_ba_

Team TapeStop100
Twitter: https://twitter.com/TapeStop100

関連URL

World of Magic
https://mtg-jp.com/world/

Magic Story
https://mtg-jp.com/world/story/

Magic: the Gathering Arena
https://mtg-jp.com/mtgarena/

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