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にゅほん語録4頁

「にゅほんご」とは言葉を覚え使い始めたばかりの人間が扱う言語のことである。にゅほんごは一過性のものであり、いずれその言語を扱っているものたちはすべからく、その言語を忘れてしまう。
これはその希少な言語を調査し、記録したものである。

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りんご→いんご
用例:林檎のことを指す。林檎を食す際の作法として、口にまず入れ、右と左にそれぞれ次に口に入れるものを持つ。
コメント:かつて林檎を噛めなかった時代を思うと、歯が丈夫になったもんだと思う。林檎を台所で切っているさい、何かを察してつまみ食いしにくる。林檎に対する執念に並々ならぬものを感じる。

ジュース→じゅーちゅ
用例:飲み物のジュースのことである。魔法の飲み物で大変美味しく、お出かけの際にたまに飲むことができる。ジュースを飲むときは息継ぎせず、一気に飲み干すのが一般的な飲み方だ。
コメント:絶対に飲み終わるまで渡さない。そんな強い意志を持って一生懸命飲む。もっとゆっくり飲んでくれ。

お茶→ちゃ
用例:お茶のこと。普段はお茶しか飲むことが無いので、喉が渇いた際は「ちゃ!」と言う。お風呂上りにも「ちゃ!」を一杯やる。
コメント:まるでビールを飲んでいるかのような飲みっぷりで、「ぷはぁ~、おいしぃぃぃ!」と言う。

おやつ→おあつ
用例:午前と午後におやつタイムがある。おやつだよーというと、おやつを食べるために集まって来る。
コメント:おやつの前では何物にも抗うことが出来ない。平伏すのだ。

アンパンマン→ぱまっ
用例:アンパンマンというキャラクターのこと。
コメント:家では見ることもないし話題にすることもないが、おなじ「にゅほん語」の使い手より学んできたようだ。一種の宗教家のように伝搬していく。

先生→しぇんしぇ
用例:先生を呼ぶときに言う。
コメント:保育園で獲得した言葉で、家で「しぇんしぇ」と言うことがなかったのでしばらく「しぇんしぇ」と言えることを知らなかった。後に先生より園内での様子で教えてもらいびっくりした。しかし最近は時おり親を間違えて「しぇんしぇ」と言ってしまうことがしばしばある。わかる。つい…間違っちゃうよね。

うん→うん
用例:これは「YES」の意味のうんではない。限りなく相槌に近い。相手の話をよく聞き、ここだなと思うタイミングでうんと言おう。
コメント:まるで理解し、了承しているかのように「うん」と力強く言うので、わかってくれた!と安堵してしまいそうになるが、大概それはただのフィーリングである。わかってほしいことに限ってわかっていない。

頑張れ→がえー!
用例:頑張れ!と応援するときに言う。
コメント:主にリングフィットアドベンチャーをやっている時、横で「がえー!」と声援を送ってくれる。時折、頑張れって言ってとお願いすると「がえー!」と応援してくれる。頑張れそうになる。

よいしょー→んしょー!
用例:何かを運ぶときに言う掛け声。その重さや気持ちの大小によって、「んしょ」「んしょっ」「んしょー!」と活用段階がある。
コメント:発言には気を付けなければないなとつぐつぐ思った瞬間であった。親の口癖はもっともよく覚えるものだ。肝に銘じよう。



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