にゅほん語録1頁
言葉を覚え使い始める子供というのは大変面白い。
持つ→もちゅ!
用例:買ったもの、手に持っているものを我がもつのだと主張し、よこせと要求するときに使う。
コメント:文字にすると感じる可愛らしい響きは一切ない。語尾を強く、えらい剣幕で「もちゅ!」と言い張る。渡さないと地団太を踏む。怖い。
いない→ないない
用例:あると思っているもの、いると思っている人がいないときに呟く。探し物をするときも、口癖のように繰り返し言う。
コメント:なぜ、「ない」ではないのか。ないないと何故か繰り返す。そしてないと言うわりには、本気で探していない。雰囲気でしか探していない。ちゃんと探せ。
いいこ、いいこ→こいこーい
用例:頭を撫でる、いわゆる「なでなで」である。頭を撫でながら呪文のように唱え続ける。
コメント:いいこいいこしてくれ、と安易に教え頼んだら、覚えてしまっ
た。今更ながら、「なでなで」として教えればよかったと思う。そしてなぜか、「こいこーい」。疲れたり今日も頑張ったなというとき、いいこいいこしてくれと言うと、近寄り、頭をこいこーいと言いながら撫でてくれる。これが幸福というやつなのかもしれない。お礼にいいこいいこと撫でると喜ぶ。
耳→み゛み゛
用例:耳の場所を指さしながら教えるときに言う。たまに目を指さす。
コメント:発音が難しいのだが、なぜか濁点がついたような濁った「みみ」というイントネーション。最近「みみ」と正しく発音できるようになってきているのが少し寂しい。
ほっぺ(頬)→ぽっぺ
用例:耳と同じく、ほっぺの場所を指さしながら教えるときに言う。
コメント:響きがただただ可愛い。ぽっぺ。まるで甘いお菓子の名前のような響きだ。
ブロック→ブロッブ
用例:いわゆる玩具のブロックのこと。
コメント:ブロッブ、なんだかお洒落な語感だが、ただのブロックである。
牛乳→にゅーにゅー
用例:牛乳が飲みたいときに叫ぶ
コメント:「ぎゅ」の発音が難しいらしい。飲むまで言い続ける。永遠とあとをつけて唱え続ける。牛乳おばけである。
パン→ぱむ
用例:パンのこと
コメント:なぜ平仮名で表記したのか、それはカタカナというよりは平仮名のようなやわらかさの発音だからだ。ぱむ。すでにパンを咥えているような姿が想像できる。
つんつん→づん!
用例:何か見つけてつんつんするときに言う。ほとんどは、人間に対してちょっかいを出すときにつんつんする。にやにやしながら、鼻をつんつんするのがもっともスタンダードな使い方だ。
コメント:「つ」が濁音になっているので、じわじわくる面白さがある。響きに対して、つんつんする突く力はソフトタッチで優しい。
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