にゅほん語録3頁
「にゅほんご」とは言葉を覚え使い始めたばかりの人間が扱う言語のことである。にゅほんごは一過性のものであり、いずれその言語を扱っているものたちはすべからく、その言語を忘れてしまう。
これはその希少な言語を調査し、記録したものである。
遊ぼう(遊ぶ)→あしょぼ(あしょぶ)
用例:遊ぶんだ、という意思表示するときに「あしょぶ」と言う。堂々と曇り亡き眼で固い意志を持ちながら言うこと。また遊ぼうと誘うときは、「あしょぼ」という声を掛ける。このとき、誘っているような目をしつつも語感は極めてもはやお前が私と遊ぶのは決定事項だという雰囲気をだすこと。
コメント:遊ぼうと遊ぶを使い分けているのがすごい。表情や言い方に有無を言わさないものがあってみてみて面白い。
バイバイ→ばいばーい
用例:さようならをするときに手を左右にちいさく振りながら言う。
コメント:ばいばいしようと声を掛けるとばいばいする。また、どこかからか、ばいばいの声が聞こえると反射てきにばいばいする。
尻尾→しぽっ
用例:動物の尻尾を指す。但し、あなたの尻尾は?と尋ねられたさいは、必ず自分自身のお尻を確認する仕草をすること。
コメント:人間には尻尾はない。だが、確認する。見えないが尻尾はあるのかもしれない。
よもぎ→ぎ!
用例:よもぎ(デグーの名前)のこと。
コメント:よもぎ(ペット)は大変賢いので、小さき人は優しくしなければならないと思っており、撫でられたり、つんつんされたり、尻尾を触ったりする際、じっと大人しくしている。目は虚空を見つめ耐えている表情のようでもある。時折嫌な触り方をされても決して尻尾で攻撃したり甘噛みで抗議はしない(大人にはする)。
忍!→じん!
用例:忍者が左右の人差し指を立て重ねて発する「忍!」という掛け声のこと。
コメント:じん!
滑り台→しゅー
用例:主に滑り台のことだが、総じて滑るということを指す。
コメント:滑り台を滑るとき、かならず「しゅー」と言わなければならない。
寝る→ねんね
用例:寝ること。人形や親を寝かしつけるさいも「ねんね」と声を掛ける。
コメント:自らねんねする際は、そう言いつつもまるで寝る気配がない。どういうことだ。寝ろ。
トントン→とんとん
用例:人形や親を寝かしつけるとき、タオルやタオルケットを掛けてやり、とんとんと手を添えて優しく声をかける際に使う言葉。
コメント:布を掛ける優しがある一方、全体重をかけてくるので、ぐはっとなる。苦しい。また布の掛け方に納得がいかず、何度もかけ直し続ける。気が済むと、布を剥ぎ取っていってしまう。人形に対してそれをする際は簀巻きのようにぐるぐる巻きにする。それは窒息してしまうぞ、オイ。
足→アシ
用例:足のこと、発音はカタカナのようで、アシ⤴と語尾を上げる。
コメント:靴や靴下を履く際に足出してと頼んだり、ズボンやおむつを履く際に足上げてと頼むので、いつの間にか、足を認識した。足という言葉が面白いのか、唐突に足を上げ指さし、「アシ」と教えてくれる。「足だね」という対応語を発しないと、永遠と「アシ」と言い続ける。
賽銭箱