【読書覚書】戦場のメリークリスマス

今年は春に坂本龍一さんがなくなったニュースを聞いた。
私の印象に残っているのは『ラストエンペラー』と、学校に通う電車の中吊りで時折目にして、モテる人なのか?という印象。

唐突に、これについて調べてみようとネットをさまよい、すでに終わってしまったが2023年の春にレストア上映されたことと、この書籍が絶版になっていることを知った。


幸運にも地域の図書館で閉架図書として見つけることができたので借りてみた。裏表紙をめくると紙製の貸出履歴簿があり、ぽつぽつとした間隔で貸し出されていた様子。

貸出の履歴はゆるやかでした。

実は読む前にウィキペディアやいくつかの個人のブログを読んで映画のストーリーは知識としていれておいたが、実際読んでみて、原作は日本語訳の文章が美しいと感じた。
またどちらかというと個人の内面をじっくり追う話だったので、何回も行きつ戻りつして、心情を確かめることが私には必要だった。

いろんな解釈ができると思うんですけど、セリアズ(デヴィット・ボウイ)のビジュアル(金髪碧眼)とメイクを施しているヨノイ(坂本龍一)を見ると男性感の恋愛感情が‥という話も理解できなくはない。

私は映画を見ていないので、セリアズが弟にしてしまったことがどの程度、映画内で語られているのかわからない。
でも書籍版だとやってしまったことへの自責の念にとてもつよくかられているように思えて、それが故に、ヨノイの気持ちをないがしろにはしてないし、こうやって応えます(わかりたいよ)という返答としての抱擁&キスではないかとも思う。人として好き、みたいな。

まあ‥こういう話は多くの方がすでにたくさんし尽くしているだろうと思う。

西洋の側からみた日本人の蛮行は、あまり見聞きする機会がなかったので
セリアズへの仕打ちはたとえ画像がなくともショックを受けた。

日本が敗戦してから、まだ100年もたっていないけれど
間違いなく経済的には回復したと思う。
でもリアルな戦争の話は私は誰からも聞く機会がなく年齢を重ねてしまった。
小さい頃は、『ガラスのうさぎ』や『太陽の子』などを繰り返し読んだ記憶があり、2年くらい前にカラー復元された広島や長崎の写真を初めてみて
かなりの衝撃をうけた。
当たり前だけど、戦時中だって庶民にはそれなりの日常があったのだ。

先日、自民党の麻生副総裁の台湾訪問時の発言は、ヘッドラインで読んだときに思わず『え!』と呟いてしまった。また防衛費も増大するばかり。
個人としてできることは少ないかもしれないが、今からでも
戦争の話を知ること、それがどんなに愚かなことかを理解することは遅くなないと思う。

ここ最近『強い表現、不快な気持ちになる表現は避ける。削除する』みたいな風潮が強いけれど、やはり書籍でもなんでも戦争の話に触れて
衝撃を受けておくことは通過儀礼の一つとして避けてはいけない気がする。

来年、長崎に行こうかなと思い始めている。
最初は『卓袱料理食べて、出島行きたい』くらいで長崎の平和記念公園なんて頭の片隅にも思わなかったけれど、そこへも含めて旅行プランを薄らぼんやりでも作ってみようかなと思った。

#読書覚書



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