『白炎』歌詞解釈
『白炎』
(りえたく1stミニアルバム「一時間目」収録曲)
『白炎』の歌詞解釈は、2020年8月下旬にTwitterに投稿していたものです。
この曲はりえいくんの内面世界を投影した曲だと思うので、歌詞解釈の際は慎重に考えたつもりです。
そしてかなり苦戦しました (- -;)
『白炎』は現代詩みたいだなと感じます。
私は歌詞解釈を書く時、その曲の世界観や特徴によって解釈の書き方を変えています。
この曲の歌詞解釈はどのように書けばよいか検討した結果、タイトルを軸にしながら、りえいくんが歌詞で何を伝えようとしているのか読み取っていく、そういう歌詞解釈のスタイルが この曲には適しているのではないかと考えました。
※あくまで私見による解釈であり、作詞した りえいくん本人が意図する解釈とは異なっている点もあるでしょうし、解釈の仕方は人それぞれ自由だと思います。私の歌詞解釈を読んでくださった皆さんが りえたくの音楽をより楽しめたり、皆さんと りえたくの音楽の素晴らしさを共有したりすることができたなら本望です。
※[]は歌詞からの引用を示します。
◆構成
1Aメロ→1Bメロ→1サビ→2Aメロ→2Bメロ→2サビ→大サビ→ラスサビ
◆タイトル『白炎』
「白炎」は何を表現しているのでしょうか?
初っ端から難問にぶつかります… (- -;)
仮説①
白い炎を見たことない私は、白煙のニュアンスでイメージしてみました。
ドライアイスから出る白い煙。滝の水流が落ちた所にあがる水煙。
水蒸気が蒸発して消える、掴むことができない儚いイメージ。
仮説②
調べてみると、火の色は温度によって変わり、約6000度で燃えている太陽は宇宙空間から観察すると白色に見えるそうです。
太陽を暗示しているのでしょうか?
◆1Aメロ
ここでのポイントは、[僕らは一つになった]のに[一人怯えていた]ことなのかなと思います。
二人一緒にいるはずなのに、共有できていない怯えがあるんですね。
◆1Bメロ
[不確かなモノ]は1Aメロで出てきた[変わらない何か]、まだ足りない何かのことだと考えられます。
[掴んでまた離していた]のは不確かさへの恐怖、自信のなさからでしょうか。
◆1サビ
サビに込めたメッセージは、1stミニアルバム『一時間目』初回限定盤の特典DVDの楽曲解説の中で、りえいくん本人が語っていますのでそちらをご参照ください (* ᵕᴗᵕ*)
自分の弱さと向き合うことはキツイし、自分の弱さを誰かに曝け出すのってすごく勇気がいることですよね。
自分の弱さと、弱さを知られた相手としっかり向き合えれば、相手との心理的距離がぐっと縮まるけれど、自分の弱さから逃げたり、相手がこれ以上自分の心に踏み込んでくることを恐れて逃げてしまうと反対に距離が開いてしまいます。
[「また二人で」]やろう、二人で頑張ろうという相手からの言葉は、自分が弱さや相手と向き合えていない段階にかけられると、弱さや相手と向き合わざるを得ない状況に追い込まれて、強い心理的苦痛を感じるのだと思います。
あとこれは私見が入りすぎた解釈かもしれませんが、自分のアイデンティティに関する弱さや悩みって、誰かから助言やサポートを得られたとしても結局自分自身が解決するしかなくて。
自立しなきゃと強く自覚して、でも自分ではどうにもできなくて苦しんでいる時に[二人で]って言われると、君一人では解決できないからって言われているような気がして自尊心が深く傷つくことがあると思います。
そして、1サビの終わりの[遠く白く燃えゆく]。
いきなり出てきて意味がよくわかりません(笑)
でも、このフレーズが『白炎』というタイトルに繋がっている気がします。
仮説①の場合
1Bメロの[不確かなモノ]を掴もうとしたら遠のいて消えていくイメージ。
仮説②の場合
自分自身を地球、[また二人で]と声をかける[あなた]を太陽に例え、太陽が[遠く]で[白く燃えゆく]様から、[あなたは遠ざかってく]ことを連想しているのかな…?なんて想像しました。
◆2Aメロ
2番は暗喩が多く、解釈が難しいです…。
[紛い物は淘汰]される[常識人だけの世界]は、世間一般の普通という価値基準から外れたものを認めず排除してしまう社会を表しているのかなと思います。
[空白に怯えた人]は排除されることを恐れる人を表しているのでしょうか?
[優しい薬]は様々な捉え方ができると思います。
良心的な助けなのか、はたまた、助けを請う人を利用し陥れようという悪意が潜んだ甘い誘惑のことなのでしょうか?
[目眩]は[優しい薬]によってもたらされたものなのでしょうか?
[生きられる証]は助動詞"られる"を可能の意味でとるか自発の意味でとるかで解釈が若干変わります。
目が回るという一種の苦痛を感じることで生きている実感を得られる、[優しい薬]の代償がこの社会への存在証明に繋がっている、こんな風に私は捉えましたが自信はないです…。
◆2Bメロ
この部分の解釈もまた難しいです。
他人にどう映っているのか気にしすぎて嘘が繰り返される中で生きている様が思い浮かびます。
◆2サビ
[死線]には「生きるか死ぬかの重大な境」という意味と、「牢獄などの周囲に設けた、脱走してこれを越えると銃殺される限界線」という意味があります。(岩波国語辞典 第7版 新版 より)
どちらでも解釈可能だなと思います。
[誰に従えば]ということは、弱い自分に声をかけてくれる人は[あなた]以外にもいるんですね。
色んな人に色んなことを言ってもらえて、有難いけれど、余計に混乱したり追い詰められたりすることってありますよね。
[あなたの方が先に逝ってしまうのに]これも重要なフレーズだと思います。
ここで仮説②を思い出すと、地球と太陽は1億4960万kmくらい離れていて、光速で考えると太陽は地球より常に約8分、先に在るんですよね。
だから[あなたの方が先に逝ってしまう]、こんな風に結びつけると面白いなと。
でも多分、この解釈は私の考えすぎだと思います…。
[「また二人で」]なんて言いながら、結局自分から離れていってしまうのだろう、そんな相手への悲しい気持ちが込められているのだと考えます。
◆大サビ
こんなに苦しむなら、もういっそ無かったことにしたい。
そんな想いが[もう時間を止めて どうか始まる前に]に込められているように感じます。
[壊して掴んだ強さなんていらないから]このフレーズ、物凄く胸に突き刺さります、大好き!(≧ω≦)
強さを手に入れるためには、それまで手にしていた安定・安心を一旦壊してリセットしなくてはならない時があると思います。
それって物凄くキツイ。それなら弱いままでいい。
そんな心情を表しているのではないでしょうか?
◆ラスサビ
ここの[いいよ もういいよ][また二人で]には「」がついていないんですよね。
つまり、[あなた]はもう声が届かない距離まで[遠ざかって]いってしまったということを暗示しているのではないでしょうか?
最後の[僕の心は今、「1」になる]、"一つ"ではなく、"1"と書いて"ひとつ"と読んでいる点がとても重要ですよね。
1には始まり、自我、独立の意味があるそうです。
二人、二つのうちの一つではなく、個としての1になる。
それは新しい自分の始まりでもあるのではないでしょうか?
歌詞についてじっくり考えることで、この曲がもっと好きになりました。
聴き込む程に歌詞が胸に突き刺さってくる曲だなと感じます。
メロディーのことも少し書きますと、たっくんが歌うパートは音程が急に上がる所が沢山あります。
歌詞だけでなくメロディーでも胸に突き上げてくる感じがしませんか?
ああ、最高!!(♡♡)
ここまで読んでくださり ありがとうございました (* ᵕᴗᵕ)⁾⁾
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