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ポジション評価と田中琴

ポジション評価に挑む田中琴ちゃんがすごく印象に残ったしポジション評価を通してますます田中琴ちゃんのことを好きになったので、記録として残しておきたいと思う。


ポジション評価。ダンス・ボーカル・ラップ&ボーカルの3つのポジションに分かれての戦い。

今年のポジション評価では、初のダブルミッションが取り入れられた。

ダブルミッションに挑むチーム内で1位になった練習生は2万票が与えられ、そのメンバーがダンスポジション内で1位になればさらに20万票が加算+チーム全員の現場票が2倍になるが、ダンスポジション内で1位になれなかった場合は全員が0票になってしまう。


この説明を聞いたとき、直感的に琴ちゃんはダブルミッションを選択するだろうなと思った。


実際に、琴ちゃんはダブルミッションを選択した。


第1回順位発表式で、琴ちゃんは第10位だった。

順位順に曲を選択していったので琴ちゃんは全楽曲どれでも選べる権利があったが、あえてハイリスクハイリターンなダブルミッションに挑むことを決めたのだ。

その理由について、琴ちゃんは以下のように話している。

デビュー圏内の順位の中でも変動がなくて、殻を破って頑張らないといけないなと思って選びました。

#6 part1「レベルアップキャンプ・ポジションバトル」|PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS


デビュー圏内の順位をもらえていてもそれに甘んじることはなくむしろ危機感を覚えていて、上位層に食い込むには自分の殻を破って頑張らないといけないと冷静に自分の置かれている状況を分析しているところに琴ちゃんの聡明さや向上心を感じた。

他の練習生たちからもダブルミッションを選択するだろうと予想されていた琴ちゃん。琴ちゃんの向上心の高さやチャレンジ精神、ガッツは周りから見ても顕著なのだろうなと思う。




ダブルミッションの課題曲「RUN RUN」に挑むメンバーは田中琴・荒牧深愛・北爪さくら・斉藤芹奈・田中優希・山崎美月・須谷緩の7名に決定した。


メンバーが決まると、センター決めが行われる。

琴ちゃんはもちろんセンターに立候補していたが、残念ながらセンターには選ばれなかった。

放送では、センターになれなかった田中琴・田中優希の葛藤がフォーカスされていた。ふたりともシグナルソング・グループ評価・ポジション評価と連続でセンターを逃している。


他の練習生を「泣かない!」と励ましていた琴ちゃんが初めて見せた涙。前向きだけど楽観的なわけではなく、むしろ現実的でしっかり状況を分析できる琴ちゃんだからこそ理想と現状のギャップに焦りやもどかしさを感じるし不安も感じるのだろう。

でも、実力がないわけがないじゃないかと声を大にして言いたい。努力に裏打ちされた実力があるからこそクラス分け再評価であんなにトレーナー陣から絶賛されたはず。努力していても結果がついてきていなければあの評価は得られなかったはずだ。

実力さえあればセンターになれるわけではないし、琴ちゃんには実力があるが周りにも実力者が揃っている。曲の雰囲気とマッチするかどうかなどセンターを選ぶうえでの評価ポイントは実力以外にもきっとたくさんあって、今回はもっと適任だと思われる人がいた。それだけ。琴ちゃんがダメだったわけではない。でも、それが続けば心が折れてしまいそうになるのも当然だ。



どんなに苦しくても「諦めたくない」と記すところがとても琴ちゃんらしくてかっこいいと思う。


涙を流しながらも前向きに考えようとするところもとても琴ちゃんらしくて素敵だなと思う。そして、琴ちゃんが弱音を吐ける人がいてくれてよかった。自分の弱いところをさらけ出せることもある種の強さだと思っているし、外に出せずにひとりで抱え込んでしまうほうが心配なので琴ちゃんが不安や葛藤を共有できる人がいてくれて本当によかった。


その相手、田中優希ちゃんには勝手ながら本当に感謝している。再評価後のクラス、グループ評価ともに同じグループでともにセンターを逃し続ける経験をしているふたりだからこそ分かり合えることがあるのだろうし、頭も人当たりも良く言語化能力も高い優希ちゃんの放つ言葉には説得力があると思う。また、楽曲選択時には「琴ちゃんは(RUN RUNに)いると思った」と話していたように琴ちゃんの根性を認め、共に戦う選択をしてくれたこともありがたいなと思った。


琴ちゃんは「殻を破って頑張らないと」「もっと違うところを出せるのに」と語っているが、いま見せてくれているものでさえ十分すぎるほどなのにまだ見せきれていない出しきれていない、秘めたる何かがあるんだと思うとゾクゾクするし自分はこんなもんじゃないと思っているところも好きだなと思う。


ふたりの葛藤を見抜いた仲宗根梨乃さんがふたりを向き合わせ、「大好きだよ」と言うよう指導するシーンは見どころのひとつだろう。

この向かい合っての「大好きだよ」と言わせる指示は相手への信頼を言葉にする意味でもあるし相手の中に見つけた自分自身に対しても大好きだよと言ってあげることでふたりがもっと自分を信じられるような意図もあったんじゃないかなと勝手に解釈して胸を熱くした。

この指導後のふたりのペアダンスは気迫が段違いで圧倒されるので是非見てみてほしい。



そして、迎えたポジション評価当日。

パフォーマンスについてはあえて語らない。見てもらえれば彼女たちの本気が伝わるはずだ。


グループ内順位発表の結果、


琴ちゃんは第5位だった。



この週の総合順位は第13位だった。

不甲斐なかった。

こんなに素敵なパフォーマンスで魅せてくれたのに順位を上げるどころか落としてしまった。絶対に琴ちゃんのせいではない。それは断言できる。だからこそ不甲斐なさと申し訳なさでいっぱいだった。


ポジション評価は進み、ポジションごとの順位発表を迎えた。グループ内で1位だった深愛ちゃんがダンスポジションで1位を取れなければ、グループ全員が票を失う。



結果は一歩及ばず。

このあと、グループ全員が0票となった。


木村カエラさんからコメントを求められたのは、琴ちゃんだった。

このバトルは個人戦ということもあったんですけどみんながライバルとして頑張りつつも深愛に気持ちを託してしまっている部分があって、本人に背負わせすぎた部分もあるかなと思うので、まずはメンバーみんなで深愛に「センターやってくれてありがとう」って言いたいです。深愛は何も悪くないから。本当に今まで一緒に頑張ってくれてありがとう。

#7「ポジションバトル後半戦」|PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS


琴ちゃんが語ったのは、自分の悔しさではなくセンターを務めた深愛ちゃんへの感謝の言葉だった。


「気持ちを託してしまっている」という言葉選びからは深愛ちゃんやチームメイトたちへの思いやりが感じられて涙が出たし、「託す」という言葉からは「任せる」や「預ける」よりもより勝利にかける切実な想いや深愛ちゃんへの信頼が感じられる気がしてボロボロ泣いた。

「"一緒に"頑張ってくれてありがとう」なところに深愛ちゃんだけに気持ちを押し付けたわけではなく、信頼して気持ちを託しつつチームみんなで頑張ったということを感じて"チーム"ってこういうことだよなと感銘を受けた。そして、「背負わせすぎた部分もあるかなと思うので」のあとに続く言葉が「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」なところに琴ちゃんの優しさと聡明さを感じた。


順位発表終了後。


琴ちゃんは「RUN RUNが1番だと思っている」とメンバーに声をかけた。

パフォーマンス終了後には「この7人で頑張れた事がホントに幸せな瞬間でした」と語った琴ちゃん。


優希ちゃんも話していた通り、誰よりも何よりも大きなものを得たポジション評価になったのではないかと思う。


このポジション評価を通して、琴ちゃんのことをより深く知ることができたし琴ちゃんのことをもっと好きになった。

ポジション評価前から琴ちゃんを応援している人以外にも琴ちゃんの良さが届いていたらうれしい。


次のコンセプト評価、そこに琴ちゃんの姿はあると信じている。次はどんな姿で魅せてくれるのか楽しみでならない。

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