見晴らしの良い瀟洒な別荘(温泉つき)
父が松本に来る少し前、
穂高の町に北アルプス標高1400メートルの山の上から
温泉を引いてくる引湯菅の建設が始まった。
何回も頓挫している計画で、
まだみんながこわごわ様子をうかがってるような時に、
「センセ、温泉つきの別荘なんてどうだぃ」
と声をかけにきた人がいて、
気のいい和田先生は
「しもてはごちゃっと家がたたるで、
ぱーっとひらけたとこがいいに?」
(下の方はごちゃごちゃ家が建つから、
ぱーっと拓けているところがいいと思いませんか?)
などと言われるがままに、