感情うずしおフライデー


6月26日、水曜日。天皇杯もルヴァンもない浦和には久しぶりの平日開催の試合。そして、対戦相手はクラブ間、サポ間ともにここのところ色々あり、かつ、鬼門of鬼門のアウェイ名古屋。
試合前から指笛禁止からの指笛OKと、「お願いだからサッカーに集中させて下さい」と不穏になる気持ちとはうらはらに、試合は浦和があっさり先制点をゲット!!交代で出た選手が怪我をするという大号泣不可避な展開が2度あったものの、サブスクのノリでイエローカードを池内主審に提示させる名古屋に対し、なるべく相手に付き合わない形で大人の勝ち方ができた。
名古屋に勝つにはエビフライだわ!ありがとう、お姉様!ありがとう、ヒルナンデス!!


1ヶ月以上ぶりの勝利の景色はとても格別だった。平日にも関わらず、試合後に(ノンアルコール)ビールをプシュとした。
かつてE-1選手権で韓国に負けた事を理由の一つとされ解任となったハリルさんではないけれど、外国籍の監督にはわからない日本の風土的なものがある。前節のホーム鹿島、今節の名古屋。負けてはいけないのベクトルは全然違うけれど、この2つのクラブに1勝1分だった事はヘグモさんにとってこの先かなり大きいと思う。

6月27日、木曜日。勝利の翌日は目覚めが良い…ハズだった。なぜか急上昇ワード2位にある“岩尾憲”の3文字。得点を決めたわけでも怪我をしたわけでもない選手がなぜ?心がザワザワする。そこから大本営による『岩尾憲、徳島への移籍決定的』の記事に辿り着くまではすぐだった。
体をゆすってもフライパンをおたまで叩いても起きてこないうちの小学生に「岩尾先生が移籍するよ!」と囁くと、目が開き「えっ?どこに?」と声を発した。岩尾先生、うちの朝の弱い小学生を起こしてくれてありがとう。おかげでこの日は早く学校に行けたみたいだ。
そんな事はさておき、事前報道のあったショルツ神は正直覚悟している部分はあったけど、寝耳に水すぎる形での岩尾憲さんの移籍報道。本人が契約交渉をしているし、ここはタイではないし、きっとそうなんだろうなと投げやりな状況で仕事に向かう…こんな事なら名古屋からは勝ち点3ではなく勝ち点8(エイト)ぐらい欲しかったぜ。

そして、お昼前に徳島新聞からの確定演出記事。えぇ、もう降参ですわ。徳島新聞さんに対するリカさんの時とは違ってお漏らししないでくれてありがとうね!といったironyな感情を半分ぐらい抑えつつ、岩尾先生が決断した道を尊重しないといけないんだよなという方向に無理やり気持ちをシフトする。
たしかに今のチームでは絶対的な存在ではないし、この年齢で筋肉系の怪我もした。監督が変わってからは知らないけど、徳島がなかなかしんどいサッカーをしていたのは鹿児島ユナイテッドとの試合を見て思った。

酒井宏樹さんもそうだけど、長年あのレベルで活躍できる選手には去り際の美学というのがあると思う。そして、その美学を実践するためにはこれまでの生き方が反映されるわけで、このような形で声をかけられる選手たちを誇らしく思うと同時に、そんな選手がいてくれて良かったな、クラブは彼らが持ち込んだ文化を財産とし、未来にうまく繋げていって欲しいなと切に願う。

個人的な浦和における岩尾先生といえば、どんどん思考や発言が岩尾先生に寄っていく佳穂くんというクセ強め要素満載なので割愛対象として、一般的な浦和における岩尾先生といえばやっぱりACLでの戦いだと思う。
暑い中での短期集中開催をリカさんと共に駆け抜けた東地区。初の中東遠征でアウェイの洗礼を受けつつ、勇敢に賢く戦い相手にレッドカードを出させた1stレグ。埼スタに神風を吹かせ、みんなのトラウマカリージョさんのオウンゴールを誘発した2ndレグのフリーキック。
あの天皇杯からの3年間、浦和に携わったすべての人で勝ち取ったアジア王者のタイトル。そういえば鹿児島にいる小幡さん宛てに、岩尾先生のACL優勝グッズを送ったな。(※正確には勝手に送りつけた)

今のチーム状況があるとは言え徳島方面の歓迎ぶりを見ると、いつまでも浦和で抱え込んでいてはいけない選手なんだよなと再認識させられた。
今回の移籍はある意味、岩尾先生にとって周囲から寄せられる期待感が1番大きな移籍かもしれない。慣れ親しんだ地だからこそ、重圧が1番かかる移籍かもしれない。ただ、そういう圧を言葉で、プレーで、一つずつ解消できる漢が岩尾憲。今は新鮮な気持ちで自分自身に1番期待しているかもね。そうであってほしいし、きっとそうだと思う!

あのタイミングで浦和に来てくれてありがとうございました。ピッチ内外でたくさん楽しませてもらいました!
怪我には気をつけて下さい!そして、サッカーそのものと、まだまだ成長していける自分自身を楽しんでください!新しい挑戦の成功を祈っています!