上下ニュートラル設定のレバーレスのメリットまとめ

スト6の大会規約変更予告によって、上下ニュートラルレバーレスについて関心が集まってるが、前の記事にも書いたとおり実はコミュニティでは以前からその可能性について研究はちょくちょくなされていた。ただ当然ながらプロや超上級者の意見とかではないんで、あくまで「ひょっとしたらメリットかも」程度のことではあるのでロマンくらいの話としてみてもらえたらと思う。(一部は前記事の上下逆配置のレバーレスと被ります)

明確なデメリット

デメリットは当然ある。というか、そもそも上下ニュートラル自体は今までも規約に適法であり一部使用者がいたわけで、もし上下ニュートラル(以下、上下N)の方が絶対強いって思うんだったら以前からそうしてればよかったのに、実際にやってる人は少なかった時点でという話はある。

ファジージャンプなどとっさのジャンプが難しくなる

方々で言われてる通りで、しゃがみガード入れっぱなしからのジャンプが難しくなる。防御としてのファジージャンプはもちろんだが、たとえば相手を端に追い込んで、相手が跳びで逃げようとしたときに後ろジャンプでの空対空などもおそらく難しくなることが予想される。

タメキャラの上対空などが難しくなる

各所で言われてる通りで、とくにガイルがかなり難しくなる。下を押しっぱなしでも上Kを押せばサマーソルトキックが出ていたのが、今後は下をちゃんと離さないといけないので、完全に同時に押す離すをしなければ立ちを経由せざるえなくなる可能性が高い。そうなると引きつけるのが難しくなるのだ。

明確なメリット

高速波動/竜巻入力

波動/竜巻はレバーレスの不得意な分野の一つとして知られている。離し波動というテクニックもあるが、あれは後ろからの入力が早いとか、全押しから早いとか、どちらかというと状況限定の入力ではある。

通常の波動は中指から人差し指(もしくは薬指)で、寝かせるようにしてパチパチっと続けて打つとコマンドができるが、早すぎると斜め下が抜けて↓→のようになってしまう。そもそもボタンを押したり離したりという動作は遅くなる要因でもあるので、なるべくなら押すだけの動作で統一したい。

ここで上下Nの場合はというと、

下→前→上

を連続して「押しっぱなし」で波動コマンドが完成する。これは原理的に3フレ昇竜と言われるテクニックと全く同じで、少なくともこの順番さえ守られてれば確実に正確に入力されるので、前Pに化けるとかもないし、入力も早いというのがメリット。

またストの場合は始動が斜めからでも半回転と認識されるようなので、ガードからこれを応用すれば半回転にも応用できる。

3フレ昇龍の健在(しかも上位互換)

スト6ではいわゆる「639昇竜」ができなくなっている。639昇竜とは、いままでの上優先のレバーレスで前→下→上という順番にボタンを押すと昇竜が出ますよというテクニックで、上の波動と同じで高速で出るということで「3フレ昇龍」とも言われた。こんなヘンテコな入力はレバレス勢しか使わないので、不公平ってことで多分削除されたんだろう。

これが出来なくなるならレバレスきついじゃんと考えられてたが、実は上下Nでこの入力をすると「636」というコマンドになるので、そのまんま昇竜拳コマンドとして6でも使えるようになる。

しかも636昇竜は639より「改善された昇竜」と見なすこともできる。そもそも9とはジャンプ状態であり、ジャンプ押してるのに地上技の昇竜拳が出るのは「ジャンプキャンセル」を使ってるからだ。ジャンプキャンセルとはジャンプを押した3フレーム(数字は違うかも)までは、攻撃動作でジャンプがキャンセルされるという仕様のことをいう。

逆に言えばこの3フレーム以内に攻撃ボタンをおさなければジャンプ攻撃に化けてしまい、ジャンプ攻撃は当然だが対空無敵なんぞないので相手の跳びをモロに喰らってしまう。さらに言えば、早く入れすぎると今度はしゃがみPに化けてしまい…という難しい部分がある。

ところが636昇竜はごくごく平易な昇竜入力なので、猶予フレームはもっと長い。自信がないなら少し遅めに攻撃ボタンを押してもちゃんと昇竜になるので、P/Kを速く押しすぎないようにだけ注意すれば少し遅れてもいいのだ。639が苦手な人でも導入しやすくなると思う。

明らかというほどかはわからないメリットらしきもの

中段が立てる

しゃがみおしっぱなしでも、上を押せば立ち状態になるので、離す動作より押す動作のが早いことを考えると中段を立てるぞ!という話。

このテクニック本当にそれほど使うことになるかは正直不明。ただスト6は中下段の択がかなり激しいゲームになることが現段階で推測されてるので、そういう意味ではあってるかもしれない

歩きからのしゃがみガードが1ボタンでできる

通常のレバーレスは(当然の話だが)前に歩くときは前ボタンを押す、しゃがみガードするときは後ろと下の2ボタンを押すという動作になる。

これ自体は上下Nのレバーレスでも同じことはできるが、上下Nレバーレスはもう一つ別のモードの歩きガードができる。

それは「下を押しっぱなしで歩く」だ。

下を押しっぱなしで、前と上を押せば前に歩く。この状態のいいところは、しゃがみガードは後ろを押すだけでいいので、とっさのガード時に2ボタン押す必要がないので反応が早いかも?という話。

正直これ自体がそれほどいいテクニックかは謎ではあるが、同じ考え方でいろいろ工夫出来るところはある

微下がりもしやすいかも

上とほぼ同じ考え方。

投げや、技をスカしたいが、後ろ下がりを中足や大足で狩られるかもという状態のとき、「一瞬だけうしろに下がる」というテクニックが存在する。

これは正直既存のレバレスでも十分やりやすくて単に下を一瞬離して押しなせばいいんだけど、上下Nの場合は上を一瞬弾きながら後退できる。離して押しなおすより、弾く方がやりやすいかもって考えはあるかも。

しゃがみからの前P/Kの波動化けを防ぎやすいかも

これまた既存のレバーレスの不得意な要素の一つで、「しゃがみガードから前P/Kしようとすると波動に化ける」というものがある。

これはしゃがみガードから前を入れると一旦全押し状態になって下入力になってしまうので、そこから前に移行する際に「離し波動」とよばれる動作になってしまい、波動コマンドが漏れてしまうというものだ。自分は既存のレバーレス(自作なんでいろいろと違いはあるが)2年以上使ってるが、正直このデメリットは今まで紹介したあらゆる要素の中でもレバーレスで一番不快な要素だと思う。

しかしこれはしゃがみから「上→前」という順番に押して入力することで波動化けを防ぐことが出来る。ただ「前→上」という順番に入力しちゃうと結局波動になってしまうので100%誤入力を防げるとは思えないのだが、「離し入力」に比べれば「押す」方が順番の制御はしやすいはずなので、これ自体は必須テクになると予想している。

低空竜巻の成功率あげられるかも

低空竜巻というテクニックがあって、前跳びしてなるべく速く竜巻コマンドをつくることで、空中からかなり強い技を高速で出せるというテクニックがある。有名所ではキャミィの低空ストライク、セスのソード(剣)など。

一般的に存在するコマンドの中ではかなり高難度な部類で、とくに最も速いタイミングで技を出すのがかなり難しい。

レバレスは前跳びしたあと、離し竜巻入力や通常入力などすることで結構高速にコマンドが作れるのでわりと得意という人もいるが、苦手という人も居る。

上下Nの場合、これを高速竜巻からのジャンプで結構やりやすいかもしれない。通常のレバレスは跳んだあとに竜巻を入力する「根性入力」で入力するが、上下Nの場合は先行入力がいいと思う。というのは、高速竜巻を入力する際に既に「上」を押してしまうので、あとはボタンを離せばジャンプする状態になってるのだ。具体的には

押しっぱなし[ 下→後ろ→上→前 ]→[ 後ろ下 ]を離す

通常の先行入力でもやってることは同じじゃね?とも言えるが、高速入力を使っているので跳びを押すまでの猶予が少し長いかもとはいえる。実際、この入力は(先行入力を使ったからとも言えるが)最低空の成功率はかなり高く感じる。

ただ先行入力を使った低空竜巻は、一瞬しゃがむという動作を相手に晒すことになるのでバレやすい。そういう意味では先行入力の低空竜巻という時点でデメリットとも考え得るので好みは分かれる。

総評

一部では「上下ニュートラルはコマンドキャラにとっては強化だ」という考えをしてる人もいるが、自分は総合的にはナーフな気もしている。先にも言ったように、今までも上下ニュートラルとい設定はしてもよかったのにやってる人は本当に少なかったのだ(ときどさんも上優先にしていなかったという話もきいたが、本当なのかはしらない)

いくつもメリットはかいたが、実戦でどの程度本当に使われるかは正直いってわからない。波動化け防ぐ上前P/Kとかは結構イケる気はするけども。ただ今後の研究次第ではもっとテクニックは増えるかもしれないし、上下Nは単純に研究が楽しい設定ではある。ロマンを楽しみたい人にはポジティブになれるネタじゃないかなと思います。

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