アケコン自作は、難度もコストも低い

自分はDIYと格ゲーをやってるというのもあって、アケコン自作もやってる。つくったのはこういう感じ。


左右逆配置にしている。今はスト6用にボタンを2つ増設している

アケコンを自作するメリットは、自分の好きな配置やデザインにできることと、コストが安いことがあげられるかもしれない。一般に有名なアケコンの価格は2~4万ほどするものが多いが、自分のレバレスは多分1万5000円程度しかコストがかかってない。

自作レバレスアケコンのコストの概算

  1. ボタン GravityKS(800円)*5 + 三和電子ボタン(360円)*9 =7240円 

  2. 基板 Raspberry Pi Pico(1000円) +  拡張ボード(1300円) = 2300円

  3. 配線ケーブル(200円くらい、たぶん) + L字ファストン端子(600円) = 800円

  4. メニューボタン 1000円 + USBマウンタコネクタ 1000円 = 2000円

  5. 箱に使った木材 2000円

というわけで、14300円程度。しかもこれって14ボタンだったり、5ボタンほどGravityKSって高級ボタンを使ってるからもあるので、普通の12ボタンをサンワで揃えたら3000円ほどやすくなるので、11000円程度でも普通のレバレスアケコンは作る事が可能。箱は別に、木材でやんなくてもいいので1000~3000円程度の箱を適当に探してくるでも可能。

基板が2300円って安すぎないか?

安かろう悪かろうじゃねーのか?って思うかもしれないが、これが実は話としては逆になっている。実際に自作アケコン界隈でちょっと前まで一番評価が高かったBrook Universal Fighting Boardは9000円~1万円ほどして決して安くはなかったのだが、ちょっと前にでたGP2040という有志のファームウェアを汎用基板のRaspberryPiPicoいれることで、検証されてる基板の中で最も遅延が優秀だということが判明したのだ。

このRaspberyPiPicoという基板は電子工作などで広く使われている汎用基板なので、1000円程度で売ってる。なので結果的に、1000円程度で専用基板より高速反応な基板が使えるというわけだ。

また、昨今話題になった上下同時押しの挙動を、ショートカットですぐに変更も可能なのも嬉しい。上下同時押しについてはスト6の大会ルールでは上優先が禁止になったのが言われているが、他のゲームではそのような禁止ルールはないというのもあり、切り替えが出来た方が何かと嬉しいだろう。

またさらにちょっと嬉しい話で、ソケット方式の拡張ボードを挟んで取り付けることで、ボタンの設定を変更しておいた別のラズパイに差し替えることですぐにボタンの配置を換えられる。まぁ、ゲーム側で設定したらいいって話もあるが、例えばスト6はL3R3やタッチボタンといったメニュー系の挙動のボタンが通常ボタンとして使えたりして、これらはゲーム側では配置変更できなかったりする。そういうときは、基板ごと変更したりが容易だ。何せ1000円だ。複数の設定をインストールしたラズパイ基板を事前に用意してても大した負担ではない。

ただし、PS5には非対応なのは注意。いうてPS5に対応してるアケコン自体が少ないから、WingmanFGCとかコンバーター噛ませたりしてよねって話(使えるのは有志が確認済み)。他のメジャーなものにも対応してるが、PS4はレガシーコントローラーとなるので一部タイトルでは使えないらしい。

でも、製作道具で結局コストかかるよね

実際のところ、じゃあ作ろうとなったら当然そのための道具がいる。木材でもしつくるなら丸ノコやドリル、塗装用のブラシやら塗料やら塗料入れのカップやら…はんだづけするならはんだごてやら、ファストン端子つけるなら電工ペンチが必要だったりというのはどうしても要る。以下にそれをまとめる。

穴開け

穴開けに関して、基本はインパクトドリルかドリルドライバがあればいい。穴開けという作業だけで考えるならドリルドライバの方が適当かな。安いのは5000円くらいからあると思うが、アケコンにしか使わないでのあればわざわざ買うよりホームセンターで借りることをおすすめする。

ちょっと大きめなホームセンターでは電気工具を(有料無料あるだろうが)貸し出ししているので、基本はこれを使うのが一番楽だろう。

ただし、多くの場合はドリル自体は貸しても、ドリルビットは買ってねというところが基本多いし、アケコンに必要な24mmと30mmのビットを用意してくれるところはそんなにないだろう。

個人的にはスターエムのウェーブカッターが最高だと思うが、バカ高いので普通の人は買わなくていいとは思う。24mmと30mmのホールソーをそれぞれ買うのは必須になるとは思う。ネットを軽く検索した限りは1000円程度ずつで売っている。

はんだごて

はんだごて自体はそんなに大層に高い道具ではない。定番の白光のはんだごてで4500円とか。ただどの道いまからはんだづけを覚えることにハードルを感じるだろうから言うけれど、別にはんだづけはできなくてもいい。

はんだづけが必要な工程は、Raspberry Pi Picoにピンヘッダをとり付けることと、拡張ボードにピンソケットをとりつけるときだと思う。しかしどっちも実装済みの製品が大した価格差もなく売ってるので、自分でやりたいわけじゃないなら普通にこれらを買えばいいだけ。

ピンヘッダ実装済みのラズパイピコ(880円)

ピンソケット実装済みの拡張基板(1800円)

あとは配線を固定するのにはんだづけするという人もいるかもしれないが、おすすめしない。後で配線を変更したくても変えるのが面倒になる。上でも紹介してるが、ネジ締め式の拡張基板を挟めばいいし、そっち方がソケット方式なのでのちのち基板ごと変更も容易。配線をはんだで固定するメリットはほぼない。どっちかというと精密ドライバセットを買おう。まぁ、1000~3000円くらい。

電工ペンチ

これは要る。というか、アケコンを使うんだったら仮に自作予定なくても買え。具体的には電工ペンチは以下の作業に必要。

  1. 配線ケーブルのカット

  2. 配線ケーブルの被覆(周りのゴムのカバー)を剥いて線を露出させる

  3. ファストン端子をケーブルに圧着(かしめる)

アケコンは基板直付けタイプのもの以外は、基本手配線をする。端子がとれちゃったとか、ケーブルを長いものに変えて配線しなおしたいとかなったら、自分でこれらのケーブルを弄って端子をつけなきゃいけない。難しい作業ではまったくなく握力で締め付けるだけなんだから、電工ペンチくらいは買えということになる。

たぶんこういうの一つで基本は問題ないと思う。

やっぱりアケコン自作は相当かんたんな部類だと思う

自分はキーボード自作や家具自作などもしていたからか、他の自作と比べて考えるが「アケコン自作」は正直めちゃくちゃ簡単だと思う。他の電子工作系ならはんだづけを大量にしたり、そもそも基盤を設計して発注して、ファームウェアを専用のソフトでコンソールから焼いて、配列かえたいなら自分でコードかきかえて…知識、技術、行動、費用が相当必要になる。

それに比べてアケコンは、ケーブルに端子つけてボタンにつけて、ネジ締めて固定するだけ。それで配列も自在に変えられる。別に高度な道具も必要ない。上でもあげたが、どうしても必要な道具はドリルと電工ペンチぐらいだと思う。

もちろんこだわるならこの限りではない。自分で薄型用の基盤を起こすとか、SOCD基盤つくるとか、塗装するとか、自分みたいに箱自体を作るとか…そういう話になればもちろんより高度な技術がいるが、それは性能とは直接的には関係しない、趣味嗜好的な話でしかない。上でも見たように、コストもかなり抑えられるというのも含めて、個人的にはアケコン自作はオススメ。DIY入門としても楽しいと思うよ。

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