自作以外でレバーレスコントローラーを買う現実的な選択肢

ちょくちょく、レバーレスアケコン(通称ヒトボ)を買いたいという意見をみる。スト6人気や、Vtuberが定期的にレバレスをやりだしたことが話題になって、自分もやってみたいという人が出ている。

「プロが使わないと意味が無い」とか「スト6はレバーレス向け優遇がなくなったから意味ない」とか見かけるが、別にそんなことはないと思う。キーボードメインのFPSプレーヤーはもちろん、そうじゃなくても初心者がレバー慣れるよりむしろレバレスのが慣れやすいと思う。なによりレバーレスは入力方法に選択肢が多いので、自分が苦手な入力を避けながらやりやすい方法を模索できたりする。

自分のおすすめのレバーレスの入手経路は過去に何度も言っているとおり、自作だ。1万円ちょっとで高性能かつ自分の好きなレイアウトのレバーレスを作ることが出来るので、レバーレスを入手するにあたっての色んな障害(高額、品質、入手困難)は自作だとクリアできる。

とはいえ、誰もが自作できるわけでもないのでそれ以外の、現実的な選択肢をとりあえず並べてみる。なお、正直どれも使ったことないです。使ったことなくて記事かくなよって話だが、まぁレバーレスコミュニティでよく聴く話やレビューのまとめくらい。


Hit Box/Hit Box Arcade社

参考価格:38,500円

いわゆる元祖。最近になって大手企業からレバーレスが出るようになってきたが、2022年あたりにVictrixが出すまではこれ以外は全て非公式品だった。Hit Box Arcade社がこのレイアウト特許を持っており、結構小規模なカスタムショップ製も訴えたりしていたので、ちゃんとしたのはこれしかないという感じだった。

基板はBrook社製で、遅延はそれなり(トップクラスなので悪いわけでもない)。またスト6大会ルールである「上下同時押しニュートラル」については、ファームウェアアップデートで対応され、上優先と上下ニュートラルは切り替えられ、また追加アップデートで本体内メモリで維持されるようになった。また、トレモなどでよく使われるL3R3もアップデートにより、同時押しでの使用が可能になった。

当たり前だが前面にあるのは技ボタンは8ボタンなので、スト6の11ボタンには対応していない(というか大手メーカーの未改造で11ボタンを前面に置いている機種は現在はないと思う)。hitbox基板内部にはL3R3などの端子はあるので、改造することで増設は可能。

あとは大きな点としては、今後の対応の予告はされているがPS5ゲームでの使用は現状未対応。おそらくコンバーターが追加で必要になる。

ボタンはサンワの標準のもののはずなので、静音や高速反応が欲しい場合はボタンの付け替えが必要。ボタンの付け替えは標準的なアケコンと変わりないので、端子を素手でとりかえるだけなんで問題ないと思う。

価格は3,8500円。明らかに安くないが、大手他社がさらに高いので現状この値段でも安い部類。

HitboxもAmazonやヨドバシなどでは常に在庫はきれてるが、一応日本販売代理店では予約を受け付けてる時期はよくあるので、他にくらべたらまだ入手難度は良い部類。

MINI BOX/Punk workshop

参考価格:35,980/52,980円(日本サイト)、126ドル/240ドル(米本国)

安いモデルと高いモデルの違いは恐らく内部基板であり、3万6千の方はラズベリーパイ Picoを使っており、5万3千の方はBrook社のUFB基板を使っている。ラズパイの方が遅延が小さい(正しUFBも有名基板の中では一番遅延が小さい)が、UFBはPS5にも対応を公称している。PCなどでしか使う予定がないなら基本はラズパイPicoの3万6000円の方でいい(コンバーターもあるので、最悪追加で対応はできる)。

Punk Workshopのレバーレスは、(以前の)ときど選手やガチくん選手などおそらくプロでも愛用者が多い。最大の特徴としては、薄型のオリジナルのボタンを採用したことによりかなり薄く小さいことだろう。

HitBoxのサイズが厚み51mm、406×178mmなのに対して、Punk WorkshopのMiniBoxは厚み22~30mm、300×200mmとかなりコンパクトになっている。

またボタン内部にキーボード向けスイッチが入ってるわけだが、なんとそのキースイッチ自体もPunk Worksopオリジナル。ストロークが短く、静音仕様。また単純にアクチュエーションポイント(押し込んでOnになるまでの小ささ)が小さいだけでなく、ボタンのでっぱり自体も頭が低いように設計されている。この辺は好みは分かれるかもしれない。

また、標準で10ボタン増設モデルになってる(アメリカの本公式だと標準の8ボタンモデルも売ってる)。このレイアウトでいいと思うなら、このモデルでスト6をやるのはよさそう。

ただし入手難度は高い。大手企業などではない小規模なメーカーなので、スト6のブーム以前から発注してからくるのに1~2ヶ月はザラだった。今現在、どのくらいかかるかは不明。レバーレスのコミュニティではよく、一ヶ月たつのに連絡がこないという相談がよくくる。

また日本公式サイトがあるといっても、おそらくだが輸送費は別にかかるんじゃないだろうか。ちなみに本家から買った人は、133ドルの本体価格に、輸送費と関税で21ドルたして、ドル円レート150円で23200円。あれ、普通に安いな。本家で買った方がよくね?

もし公式の値段で入手できるなら個人的には一番おすすめ。ボタン自体が標準で静音・低ストローク・低頭仕様で、スト6仕様配列なのもいい。

Victrix Pro FS-12/Victrix社

参考価格:58,000~7万円

Hitbox公式以外で、大手メーカーから出た初のレバーレスコントローラー。上下同時押しなども切り替え可能。見た目がおしゃれ。また、PS5の公式ライセンス製品なのでPS5対応。

しかし見て分かる通り、「バカ高い」。しかもほぼ売りきれてて、売ってるところ見つけても7万円台以上に高騰している。

自分はVictrixがスポンサーしているももち選手のファンなんで言いたくないが、正直よほどこの見た目が気にいってる人以外はおすすめではない。

Kitsune/Razer

参考価格:48,800円

Razer社の出したわりと最近でたレバーレス。特徴は超薄型で、Punk Workshop社製が20~33mmのくさび形なのに対して、こちらは全体が19mmの均一で超薄い。またPunk Workshopが950g前後なのに対して、こちらは800gと少し軽い。天板の大きさはほぼほぼ同等で、薄型のタブレットという感じ。

またスイッチも静音性が高く、光学式で反応がいいということになってる。ただし押下圧は少し高めで重いそうだ。またキースイッチはホットスワップ(=道具なしで素手で交換可能)だが互換の派生品はないようだ。

やはり高いのが苦しいが、糸目をつけないならバランスはよさげかもしれない。ただやはりというか売り切れてて、在庫はどっちにしろない。

AFGコントローラー レバーレス/AFGさん製

参考価格:40,800円

国内で選手としても活動しているアフガンさんが個人制作しているコントローラー。基本はアクリルパネルにアルミフレームを柱にしている構造。特徴はオーダーに応じたスイッチレイアウトなどに応じてくれるところだと思う。自作できない人にとっては、お金さえ出せば自分の好きなレイアウトや配置にできるのが大きい。

プロでもレバーレスを独自レイアウトにして使いやすくする人が多く、そういったプロ選手のコントローラーはほとんどがアフガンさんが手掛けており、武器商人などとも言われている(マゴさん、藤村さん、ぷげらさん等)。

大きさは結構あって、小型のタイプも併売されているがどちらも厚みは5cm前後ある。基板はAFBなのでちゃんと高速なもの。ボタンは標準ではサンワの普通のもののようだ。

ただし個人制作なので、やはり受注には制限があり、例の如くスト6需要で現在は受付休止状態。

B1-PC HITBOX/TruBoost

参考価格:11,300円

いわゆる中華パチモンコントローラー。基板も謎(一応、アップデートで上下Nに対応できるらしい)。

このレバレスは格ゲーマーのささきさんが動画でとりあげたことで結構話題になり、ボタンの改造で結構マシになるということでコスパがいいといわれている。少なくとも標準のキースイッチのままだとかなり酷いらしい。

ただボタンキャップがとれやすいとか、剥げやすいとかいろいろ聴く。レバーレスはボタンを弾くことで高速入力するという方法が結構あり、そのときにボタンキャップが跳んでいくと本当に困ったことになるので微妙。

自分で改造するためのモデルとして考えた方がいいが、正直だったら自作したらええんとちゃうかなと思わないでもない。基板も謎なので、遅延がどのくらいなのかなどは不明。

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