こんなに自己否定感に陥る日ってある？

アクリルを使った絵がひとつ完成した達成感を噛みしめていたのも束の間、さあ次の絵を描こうと思い下絵〜下塗りをした。
パネルに絵を描くとき、なんとなくグリッドを引いたほうがいいような気がして、定規を使ってせっせと長さをはかり線を引く。これが個人的に苦手。目印と目印を線で繋ごうと思っても、なぜかズレる。私は線もろくに引けない人間なのかと若干の自己否定感を抱きつつ下絵を参考にしながらアクリルインクのペンを使って下描きをする。
ところが、グリッドと下絵を目安に下描きをしても、なぜか下絵のような構図にならない。私は下描きすらろくにできない人間なのかとまたしても自己否定感。
もういい、下塗りくらいならできる。最近新しく買った液状のアクリル絵の具を混色してパネルを塗る。
しかし、液状のアクリル絵の具と下描きに使ったアクリルインクのペンとの相性が悪かったのか、下描きの色が下塗りの色と混ざる。私は下塗りさえろくにできない人間なのかと再三の自己否定感。ちょっぴり泣きそうになりながら二度塗りした。
下塗りも乾いたところで、今回の絵は背景を暗くしたかったので透明のマスキング用テープを使った。背景を塗り終え、テープをはがそうとしたところ、下塗りの色がわずかにはがれた。おまけに謎の黒いシミのようなものも付いている。私はマスキングも、マスキングすら、マスキングさえろくにできない人間なのかと四度目の自己否定感に苛まれた。さすがにそろそろ自己も諦めがつきだしたのか、泣きそうにはならなかった。

今回の絵を乾燥させているうちに、できあがっている絵のワニス塗り（バーニッシュ。画面保護が目的）をすることに。YouTuberがおすすめしていたホルベインのクリスタルなんちゃらバーニッシュを買っていたので、それを使ってみる。
さて塗り始めたところで心がざわつきを見せる。なんだか思っていた塗り進め方と違う。想像以上にねっとりしていて塗りづらいし、絵に白濁した膜ができている。これは間違っているようだぞと思い手元の板（スマホ）で急ぎ調べたところ、どうやら水で薄めて使ってもよいらしい。最初に言ってくれ。誰にともなくそう思った。ワニスのボトルをよくよく見たら、水で薄めて使えますとのこと。最初にでかでかと書いてくれ。ホルベインに対してそう思った。
私はワニス塗りであってもろくにできない人間なのか。必死にワニスを除去しながら、今日はもう厄日だと考えることにした。

それでもお絵描きは楽しいから不思議だ。

おわり。